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日本酒【八海山】の新しい試みと、今注目の日本酒×ペアリング料理

南とりっぷ旅&グルメライター

名酒「八海山」で知られる新潟南魚沼の日本酒メーカー八海醸造が創業101年を迎えました。この日は東京丸の内のパレスホテル東京で開かれたプレス内覧会に出席。新製品の紹介をはじめ、ニューヨークの酒造メーカーとの技術資本提携など、新たな取り組みが発表されました。最近注目されている、日本酒と料理のペアリングも紹介します。

≪101年の試み:日本酒好きには堪らない八海醸造の商品群≫

新しいコーポレートロゴ
新しいコーポレートロゴ

創業100年を超え、新たなコーポレートロゴが誕生。お酒はどんな種類でも、なんらかの癖と個性がある。そんな思いを込めたデザインです。

100周年記念酒「八海山 百」 750ml、132,000円
100周年記念酒「八海山 百」 750ml、132,000円

「百」の名を冠した数量限定の大吟醸酒は、魚沼にある浩和蔵で製造。山田錦の中でも最上級ランクの米を25%まで磨き、氷点下3度で6年間もの長期低温貯蔵を実現。芳醇な香りや穏やかなうまみ、熟成感が楽しめます。9月後半に数量限定で販売予定。

八海山といえば日本酒で知られていますが、焼酎やクラフトジン、発酵技術を応用した化粧品など、多彩な事業を展開しています。

クラフトビール「ライディーン」
クラフトビール「ライディーン」

米作りでも有名な南魚沼の極軟水「雷電様の清水(らいでんさまのしみず)」で仕込まれたクラフトビール。醸造所周辺に出没する猿をイメージしたラベルが目を惹きます。IPAやピルスナー、ヴァイツェンなど6種類をラインアップ。

≪初:機能性表示食品のあまさけ≫

「麹だけでつくったあまさけ」シリーズ  <画像提供:八海醸造>
「麹だけでつくったあまさけ」シリーズ <画像提供:八海醸造>

原料は、麹と八海山水系の極軟水を使っただけのシンプルな甘酒。「麹菌Aspergillus oryzae HJ1株」と「麹由来グルコシルセラミド」の2成分に対して、麹菌で初めて機能性表示の届け出が受け付けられました。便通の改善や肌の潤いを守るうれしい効果が期待できます。2024年3月から出荷開始予定です。
※本品は、事業者の責任において特定の保健の目的が期待できる旨を表示するものとして、消費者庁長官に届出されたものです。

≪新天地:ニューヨークの酒蔵と提携≫

ブルックリンクラのブライアン・ポーレン社長(右)と、杜氏のブランドン・ドゥーアン氏 <画像提供:八海醸造>
ブルックリンクラのブライアン・ポーレン社長(右)と、杜氏のブランドン・ドゥーアン氏 <画像提供:八海醸造>

八海醸造は、ニューヨーク初の酒蔵「ブルックリンクラ」と業務資本提携。カリフォルニア州とアーカンソー州で生産される山田錦とカルロース米を使い、2023年秋には共同で酒づくりが始まります。

≪ペアリング:料理に合わせる日本酒の妙味≫

会場となったパレスホテル東京では、八海山の味に合わせてコース料理を用意。日本酒とのペアリングで美味しさが増す特別メニューが用意され、日本酒と料理の世界が広がる試みを体験することができました。
写真左から、スパークリング日本酒と純米大吟醸、大吟醸、40度の米焼酎です。

乾杯酒はシャンパンと同じ製法でつくられたスパークリング日本酒「瓶内二次発酵酒 白麹あわ
八海山」。合わせる料理は、スペインの冷製トマトスープ「ガスパチョ」に、京都産の赤万願寺唐辛子と焼き鱧、加茂なす、アクセントにキャヴィアを合わせた、日本酒の和心に寄り添う一品。
濃厚なガスパチョと、瓶内発酵によるキメ細かな泡が刺激する、さっぱりとした淡麗辛口の飲み心地を満喫しました。

「純米大吟醸 八海山 浩和蔵仕込」
「純米大吟醸 八海山 浩和蔵仕込」

2番目の魚料理に合わせたのは、浩和蔵で仕込んだ大吟醸。甘味と辛味の絶妙なバランスで、淡麗の中にも旨味をたたえた深い味わい。プレミアム食中酒として料理を引き立てます。
さらにグラスはこのお酒を美味しく飲むために作られた八海山オリジナルグラス「酒マスト」。香りを閉じ込め、グラスをかたむけると舌全体に酒の味がいきわたる形状です。

「純米大吟醸 八海山 浩和蔵仕込」に合わせた料理は「カンパチの香味野菜巻き 胡麻醤油 酢橘レモンバーム」。脂ののったカンパチに胡麻ダレでコクをプラス。酢橘の酸味もアクセントになったさっぱりした味わいです。

「牛頬肉とパルマンティエのクロメスキ トリュフのクーリ」
「牛頬肉とパルマンティエのクロメスキ トリュフのクーリ」

メインの料理に合わせたのは、選び抜かれた山田錦と五百万石を精米歩合45%まで磨いた「大吟醸 八海山」。一口サイズの欧風コロッケは、じっくり煮込んだ牛頬肉とジャガイモが入ります。トリュフピューレと大吟醸の豊な香りが互い引き立ち、味と香りを満喫するひと品でした。

「三種の自家製唐墨のひとくち焼きおにぎり」
「三種の自家製唐墨のひとくち焼きおにぎり」

締めのご飯に用意されたのは、意外性十分な「八海山本格粕取り焼酎 宜有千萬(よろしくせんまんあるべし)」です。日本酒を作る工程で出る清酒粕のみを使った焼酎で、3年以上寝かせることでまろやかかつふくよかな味わい。
しっかりした味わいの焼酎には、それに負けないご飯を用意。炒った唐墨(からすみ)を混ぜたご飯には、生の唐墨と干した唐墨をトッピング。ご飯と焼酎の美味しい組み合わせを楽しむことができました。

八海醸造株式会社
公式サイト(外部リンク)

旅&グルメライター

草津温泉にどっぷりハマって、自動車雑誌の編集者から旅ライターに転身。観光、温泉、グルメにスイーツ。旅先のお役立ち情報をお知らせします。特に、その観光地の良さはどこ?このホテルやお宿のいいところはナニ?このスイーツの美味しさの秘訣は?そんな具合いに、みなさんの気になるポイントを一歩も二歩も踏み込んで紹介します。

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