ベーブ・ルースが連れて来たスパイ(3)
このバーグ、スパイとしてのもっと大きな活躍の場はヨーロッパだった。1944年にバーグは中立国のスイスで行われるドイツの著名な物理学者の講演にアメリカの物理学者の振りをして出席した。この学者こそ、ドイツの原子爆弾開発の中心人物かも知れないとアメリカの諜報当局は見ていた。もし、この人物の言動からドイツが原子爆弾を開発していると判断した場合には、殺害するようにとの指令を受けていた。バーグは、ドイツは原子爆弾を本格的には開発していないとの感触を得て帰国する。殺害計画は未遂に終わった。こうしてバーグは、ドイツの原爆の父ではなかった学者にであった。
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