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お騒がせ男、ルイス・ネリがWBCスーパーバンタム級挑戦者決定戦に出場

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:REX/アフロ)

 体重超過を繰り返しながら、WBCバンタム級、同スーパーバンタム級の2階級制覇を成し遂げたメキシコの問題児、ルイス・ネリ(28)。目下、33勝(25KO)1敗でWBCスーパーバンタム級1位にランクされる。

 ネリはWBCスーパーバンタム級タイトルを保持していた2021年5月15日、WBA同級王者のブランドン・フィゲロアに7回KOで敗れた。

写真:REX/アフロ

 2022年は2度リングに上がり、共に白星。来たる2月18日、WBCスーパーバンタム級タイトル挑戦者決定戦に出場することとなった。

 試合を組んだのは、ゴールデンボーイ・プロモーション。対戦相手は21勝(17KO)3敗で、同級2位のアザット・ホフハニシャン(アルメニア)。会場は、カリフォルニア州ポモナのフォックスシアターである。

Golden Boy Promotionからメディアに配布された試合の資料
Golden Boy Promotionからメディアに配布された試合の資料

 ネリは言う。

 「次の挑戦への準備万端だ。私が世界最高のスーパーバンタム級であることを、もう一度証明してみせる。アザット・ホフハニシャンは経験豊富で、力のある選手だ。だが、私はWBC1位であり、この試合に勝てばスティーブン・フルトンやムロジョン・アフマダリエフへの挑戦が具体化する。彼らは私を避けることが出来なくなるんだ」

 一方、34歳のホフハニシャンもコメントした。

 「ネリのことは尊敬している。彼は元世界チャンピオンで、とても才能のあるファイターだ。勝利のために全力を尽くさなければならない」

 ホフハニシャンは戦績以上にタフで、ナチュラルな122パウンドだ。2018年にレイ・バルガスとのタイトルマッチに敗れて以来、7連勝。そのうちの6回はKO勝ちだ。

写真:REX/アフロ

 ゴールデンボーイ・プロモーション代表のオスカー・デラホーヤは、「皆さんは、トップを目指すためにチャンスを窺っていた2人のハングリーなファイターの激突を見ることになるでしょう」と述べた。

 御存知のようにWBCの本部はメキシコにあり、同国人であるネリはこの団体から重宝されている。禁止薬物を使用しようが、体重超過となろうが大してペナルティーを科せられないまま現役を続けることが出来る。

 今回もネリが笑うのか。あるいは、ホフハニシャンが人生を教えるのか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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