パイ生地のしっとり感も人気の秘訣「松月堂」さんのバター香る銘菓は福島県南相馬市で愛されるパイ饅頭
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yanagiyanao/article/01775985/title-1716373367120.jpeg?exp=10800)
今は少なくなりつつありますが、地方ではまだまだ和菓子屋さんと洋菓子屋さんが一緒になっているお店が沢山あります。かくいう私も、慶弔時のお饅頭などが販売されているお店でケーキやシュークリームを購入していました。
2011年に起きた東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故により、それまでと同じ営業を続けていくことが困難になってしまった創業1982年福島県南相馬市にお店を構える「松月堂」さん。どうやら1890年頃からお店自体は存在していたとのこと。
![桜の名所でもある相馬妙見小高神社の桜が描かれています](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yanagiyanao/article/01775985/image-1716373466473.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
震災により甚大な被害に遭いながらも、ご当主は他県にて働きながら自社製品を作り車で運び、ご家族の方は南相馬市でできる限りの製造と営業をなさり、本格的な営業再開時には沢山の方が訪れたのだとか。
今回は松月堂さんの自信作であり名物「浮城」をご紹介。
![浮城(ふじょう)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yanagiyanao/article/01775985/image-1716373494130.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
十字の切れ目から立ち昇る胡桃の香ばしさと、優雅なバターの芳香がまろやかなパイ生地に食欲をそそられる方も多いのだろうなと思わせてくれる第一印象。パイ生地は非常にしっとりとしており、ぼろぼろとこぼれにくく一枚一枚が羽衣のような仕上がりに。
仄かな塩気を孕み、中の餡の妨げにならない程度の甘さも丁度良い!パイ生地だけでも十分お菓子として楽しめるような…
![隙間からどんどん香り立つ胡桃](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yanagiyanao/article/01775985/image-1716373519431.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
中餡は「半小豆の珈琲餡」。半小豆餡と申しますのは、白餡と小豆こし餡を半々程度の割合(お店によって差があります)であわせたもの。あんことあんこを混ぜる?と思う方も多くいらっしゃるかと思いますが、白餡のあっさりとした余韻と小豆こし餡の存在感が中和されたあんこ。今回はそこに刻んだ胡桃と珈琲をあわせた自家製のあんこを包んでいらっしゃいます。
![定期的に焼きたての浮城が販売されるのだとか](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yanagiyanao/article/01775985/image-1716373535192.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
さらりとしていながらも小豆こし餡の風味が加わることにより、香ばしさを損なわないそれでいてあんことしての物足りなさもカバーしてくれるような中餡。珈琲好きな私にとっては若干珈琲よりも胡桃の香ばしさが際立ち、存在感が薄くなってしまっていたように思えたのが残念でした。といいつつ、中パイ生地のあんこが染みた部分が美味しいとおもいながらぱくぱくと。
![小さくても胡桃はごろごろたっぷり](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/yanagiyanao/article/01775985/image-1716373546988.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
チョコレートなどの洋菓子としてのパイ菓子ではなく、あんこを包んだパイ菓子としてはお子様から大人の方まで愛されるであろう甘くて香ばしい浮城は、お土産だけではなく毎日のおやつとしても取り入れやすい地元銘菓なのではないでしょうか。
洋菓子派、和菓子派の方問わずおやつの時間を共有できそうですね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
柳谷ナオ
<松月堂・四ツ葉店>
公式サイト(外部リンク)
福島県南相馬市原町区南町1-75
0244-23-3636
9時~18時(日曜 8時~17時)