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ASD(自閉スペクトラム症)に特有の『こだわり』とは?【保育士ママが漫画でわかりやすく解説】

【育児マンガ】夢カナエ保育士 介護福祉士

こんにちは。発達と育児の支援サポーター『夢カナエ』です。
わたしは保育士・幼稚園教諭と介護福祉士の資格を持つ、神経発達症(発達障害)の子の親でもあります。

ASD(自閉スペクトラム症)の特性に、決まった行動を繰り返す『こだわりの強さ』があります。

原因は脳機能発達の偏りだといわれており、症状のあらわれ方は実にさまざまです。

ASDに独特なこだわり

たとえば、通学路のこだわりがあります。

小学校へは、きちんと通学路を歩くことはもちろんですが、

・全ての道で右側を歩く

・横断歩道は全部の横線を踏む

・必ず公園のフェンスにタッチする

等々、自分だけの通学の手順を細かく決めている子もいます。

その場合、工事中で通れない場所があったりすると、途端にパニックになってしまいます。

そのほかにも、

・歯磨きやお風呂の入り方など、毎日のルーティーン

・月曜日は〇〇をするなど、曜日ごとの決めごと

等々、自分で決めたルールを『厳格に守る』ことに強く執着します。

そんな子の場合、急な予定変更があると、どうしたらいいのかわからなくなってしまうのです。

臨機応変が難しい

それでも学校では、先生や友達が助けてくれますし、決まりを守る良い子として見られることもあります。

しかし社会人になると、職種にもよりますが、学校のような細かな校則や時間割があるわけではありません。

会社では、状況を見ながら臨機応変に対応することが求められます。

営業職として、取引先の都合に合わせて、スケジュールをそのつど変更するというような仕事は、ASDの人にはなかなか難しいでしょう。

比較的、周りから仕事の影響を受けることの少ない事務、研究などの職種や、自らが経営者として人を動かすほうが、ASDの人には向いているといえるでしょう。

こだわりを否定せずに

日常の中では、予測できないことや突発的な事態が起こり、マイルールが通用しない場面があるのは当然のことです。

それでもわたしは、ASDの子の『こだわり』を否定すべきではないと思っています。

実際にASDの子を見ていると、その『こだわり』に超人的な力を感じるからです。

たとえば恐竜が好きなASDの子は、恐竜図鑑を手に取ると短時間で集中して読み、全ての恐竜の名前と特徴を覚えてしまうことがあります。

ASDには、臨機応変な対応が苦手という残念な特徴もあります。

しかし、自分の失敗を覚えておいて、次に同じことが起こったときのプランB、プランCをあらかじめ考えておくことで、社会生活に適応していくタイプのASDの人もいます。

なんとなく、雰囲気で周りに同調する定型発達の人よりも、自分の特性を合理的に分析して行動できるASDの人のほうが、リーダーとしての資質があるように思われます。

現実に、世界的に有名な起業家や経営者の中には、ASDの人も多くいるといわれています。

この子だけの強み

しかし、実際にASDの子育てをしていると、子どものこだわりの対象が、とても幼稚に思われたり、意味のないことだと思われることもあります。

子どもが、人から理解されないようなことに熱中していると、親としては

「もう、やめたら」

と言いたい気持ちになります。

それでもわたしは、その子の『こだわり』を、他の子にはない【この子だけの強み】として捉えることをお勧めします。

それがきっと、子にも親にも、ポジティブな変化を生むと思いますよ。

保育士 介護福祉士

専門職として学童保育や老人介護の現場で、病気や障害を持つ児童や高齢者のケアにあたってきました。自らも、発達障害の診断を受けた子の親として育児に奮闘中。子育てに悩む方のために役立つ情報、専門性のあるケアの工夫を、一般の方にも分かりやすいマンガを通して発信していきます。

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