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ニンニン! 令和の忍者・服部慎一郎四段(23)電光石火の寄せで初の王将リーグ入り&公式戦19連勝!

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 8月26日。東京・将棋会館において第72期ALSOK杯王将戦二次予選決勝▲本田奎五段(25歳)-△服部慎一郎四段(23歳)戦がおこなわれました。

 10時に始まった対局は15時26分に終局。結果は114手で服部四段の勝ちとなりました。

 一次予選から勝ち上がってきた服部四段。勢いに乗って、難関の王将リーグに初めて入りました。

 また服部四段は公式戦19連勝を達成しました。これは藤井聡太二冠(2021年当時)に並んで歴代9位タイの記録です。

服部四段、大ブレイクの予兆

 振り駒の結果、先手は本田五段。戦型は角換わり腰掛銀となりました。

 間合いをはかりあう序盤のあと、本田五段が仕掛けて開戦。盤上のあちこちで戦いが始まって、難しい中盤となりました。

 96手目。服部四段は金取りに歩を打って攻めます。持ち時間4時間のうち、残りは本田50分。服部1時間27分。本田五段は22分考えて、金取りに角を打ち込みます。形勢の針は、ここで服部四段に傾きました。

 服部四段は打たれた角を逆に取って、一気に本田玉に迫ります。勝勢になってからの指し手の早さは電光石火。一気に本田玉を詰め上げました。

 残り時間を使い切った本田五段。最後は観戦者の目にもおおよそ詰みがわかるところまで進めて、投了を告げています。服部四段は最後、1時間19分を残していました。

 今年度はじめ、叡王戦挑戦者決定戦という大一番で敗れた服部四段。しかしそこから立ち直り、現在は19連勝中と快進撃が続いています。王将戦で大ブレイクしても、なんらおかしくはありません。

 服部四段がもし七番勝負に登場したら、スポニチ紙上において面白い写真がたくさん見られるかもしれません。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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