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4年目の7月18日…この間、いろいろあったが三浦春馬さんのファンたちの想いは…

篠田博之月刊『創』編集長
三浦春馬さんが納骨されている築地本願寺を背景に(切り絵:海扉アラジン)

今年も7・18が訪れた

 この記事を書いているのは2024年7月18日だ。7・18といえば、新聞などが各紙取り上げているのはあの凄惨な京都アニメーション事件のあった日ということだ。しかし、「春友」さんたちにとってはもうひとつ、とても悲しい出来事のあった日だ。2020年、三浦春馬さんが突然亡くなってもう4年。一時は、とてつもない喪失感に襲われ、立ち直れないという女性たちがたくさんいた。

 さすがに4年経って回復しつつある人が多いのだが、今年もまた7月に入って春馬さん主演の映画『天外者』が全国で特別上映されたり、靖国神社の「みたままつり」に三浦春馬提灯がたくさん飾られたりと、いろいろな動きがある。4年経っても最後の主演映画が、4月5日の誕生日と、この7月と全国で特別上映されるというのはすごいことだ。

公式のXでメッセージが(筆者撮影)
公式のXでメッセージが(筆者撮影)

事務所が五回忌のメッセージ

本日、春馬さんの事務所は公式のX(旧ツイッター)にコメントをアップした。

《三浦春馬 & STAFF INFO

 いつも三浦春馬に温かい気持ちをお寄せいただきありがとうございます。

 本日7月18日に五回忌を迎えることとなりました。

 ファンのみなさまにおかれましては、心穏やかに三浦春馬を想っていただける一日になりますことを心より願っております。》

 一年前、「四回忌」という呼称に、正式にはその言い方はおかしいという声もあがったのだが、今年も「五回忌」という言い方だった。ただこんなふうに公式にメッセージが寄せられるだけでもファンにはうれしいことに違いない。

2023年の靖国神社で飾られた提灯(『三浦春馬 死を超えて生きる人Part5』より)
2023年の靖国神社で飾られた提灯(『三浦春馬 死を超えて生きる人Part5』より)

 この6月には、来年4~6月の「キンキーブーツ」公演の概要が発表されるという、春友さんたちにとっては大きな出来事もあった。また既に来年4月の春馬ツアーの募集も一部で始まっているし、春馬さんの残したもの、春友さんたちの想いはまだまだ続いていきそうだ。

 その春友さんたちの7・18を前にした想いについては、あとで投稿を紹介するが、この間、春友さんたちには穏やかでない話題も幾つかあった。ひとつは東京都知事選の掲示板ポスターをめぐるニュースに春馬さんの話題が取り上げられるという一件で、これについては下記の記事に経緯を書いた。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/8afb0de9d23e3bbb7d0512eaacecfbba4e19b517

大騒動となった都知事選での三浦春馬さんポスター事件。いったいどういう経緯だったのか

 また、これまで春馬さんのサイン入りの絵を飾り、春友さんたちが訪れていた台湾のお店が閉店になった話も下記で紹介した。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/03f3c3ea6bdd087c1057acad2c6c52ffed8eb385

三浦春馬さん『ツーリスト』台北篇のロケ地「倉」閉店!オーナーが語った春馬さん撮影秘話

『週刊新潮』7月18日号が強調した“陰謀論”?

 そして最近もうひとつの話題は、7月11日発売の『週刊新潮』7月18日号が「死から4年 “陰謀論のシンボル”と化した『三浦春馬』の謎を解く」という記事を掲載したことだ。7月18日号だから、恐らく7・18へ向けて春馬さんの話題をと考えたのだろうが、このタイトルには春友さんたちもギョッとしたに違いない。前述した都知事選をめぐる事件もあって、春馬さんをめぐる話題を「陰謀論」という切り口で取り上げたのだろう。

『週刊新潮』7月18日号(筆者撮影)
『週刊新潮』7月18日号(筆者撮影)

 月刊『創』(つくる)でもう4年間も春馬さん特集記事を掲載してきたこともあって、私も『週刊新潮』の取材を受けた。コメントも記事に紹介されている。陰謀論といったものを肥大化させて春友さん全体を語ることには釘をさしたつもりだ。春友さんといってもいろいろな考え方があるし、今でも「他殺説」を唱える人もいる。春馬さんの死を受け入れることのできないという悲しみが背景にあってのことだから、それぞれの考えについて良いとか悪いとか言うのは控え、共鳴できるところで協力しあっていけばよいのではないかというのが『創』のスタンスだ。

 4年を経て、春友さんたちの輪は広がり、いろいろなつながりもできた。それはそれで尊重すべきものと思う。

春友さんたちの「輪」が拡大した4年間

 2020年から21年にかけて喪失感に襲われた人が次々と増えていった時期には、春馬さんの映画を上映する映画館で膝から崩れ落ちたり、『創』編集部にも電話をかけてきて途中から感極まって泣き出す人も何人もいた。中心は60~70代の女性で、その時期、女性の自殺が増えたこととも関わりがあったと思う。春馬さんの死がひとつのきっかけとなって、ある種の社会現象を巻き起こしたと考えてよいと思う。『創』も特集の最初のころには、精神科医の協力を得て、その現象の分析や検証を試みたりした。

 2021年7月には、映画『天外者』に出てくる徳島の藍染めを徳島在住の春友さんが染めて全国の春友さんたちに届けるという、今思えば大変な試みをやったし、22年の7・18には春馬さんについて連載している空羽ファティマさんらのグループが「切り絵展&朗読・コンサート」を行い、各地の春友さんたちが集まった。

 この1年間も誌面で春馬さんをめぐる様々な声や動きを取り上げてきたが、それを7・18へ向けて『三浦春馬 死を超えて生きる人Part5』として出版することにした(書店発売は26日頃と少し遅れる)。春友さんたちのこれまでの投稿などを振り返ってみると、4年間の様々な出来事がよみがえってくる。

 7・18をどう過ごし、何を想ったか。ぜひまたメッセージや写真を送っていただけたらと思う。

 ここでは、この間送られてきた何人かの春友さんたちの声を紹介しよう。最後に掲げた三早希さんは、4年前は高校生という異例の若き春友さんで、大学に入学しても春馬さんを想い続けているという。以下、春友さんたちが語った「7・18」への想いだ。

春友さんたちの7・18へ向けた想い

春馬くんと共に歩んだ4年間

●ずっと応援してきた春馬くんが隠れんぼしてしまったあの日は…ショックのあまり頭が混乱する中、物すごい喪失感に襲われ、ただただ涙が溢れ続ける一日でした。

 その後は情報が知りたくて辛い気持ちの中、スマホ検索をし続けたり、沢山の方があげてくれていたYouTube動画を見ては号泣する毎日でした。この頃は何をしてても寂しくてしかたなかったです……(泣)。

 そんな時、多数のリクエスト希望により昔の映画が見られる「ドリパス」を知り春馬くんの昔の映画を何本も見続けました。その映画館で初めて春友さんに出会い、初対面なのに2人で夢中で心に溜めていた春馬くんへの想いを語り合ったことを思い出します。

 その春友さんから「ほっこりカフェ」の堀内さんを紹介され、堀内さんの温かい言葉に少しずつ心が落ち着いていきました。ライブへも参加し、そこでまた新たな春友さんと出会いました。

 そしてその堀内さんから『創』を紹介されたことによって、またさらに沢山の春友さんの想いを知り、同感出来たことや空羽ファティマさんの言葉に癒やされ、力を貰えたことに感謝しています。今でも心の支えになっています!

 その後は春活場所で、また新たな春友さんに出会い、グループラインのメンバーになったり、多くの春友さんのインスタグラムをフォローし、今では全国の春友さんと繋がり、情報や意見交換が出来るようになりました。このように多くの春友さんと繋がることにより、私の知らなかった春馬くんの魅力を沢山知ることができて、ますます春馬くんへの想いが膨らんで行きました。

 そんな出会いが増えていく中、同時に私は春馬くんを感じるもの集めもしていました。『日本製』で紹介された物や彼を感じるグッズ(お馬さん、桜、サーフィンボード、彼が好きだったもの、彼とお揃いの食器など……)集めの日々でもありました。

 お陰様で我が家は、お馬さん御殿になりつつあります(笑)。このようなグッズに囲まれたり、春活に行き彼の足跡を辿ることによって、穏やかな気持ちを保てるようになっていきました。今思うと私なりのグリーフケアだったのかもしれません。

 ここ数年、近所でとっても綺麗な青い蝶々をたびたび見かけるようになり、こんな都会で出合えたことが奇跡に思えます。この蝶々に出合うたびに春馬くんが変身して会いに来てくれたのかも?と思うようにもなりました(勝手に妄想してすみません)。愛おしい奇跡の蝶々です。

 このような奇跡の出会いに触れるたびに、春馬くんを身近に感じることができた4年間でもありました。またこの奇跡の出会いの連鎖は、春馬くんが繋げてくれた縁にも思えて、春馬くんの優しさを感じます。心から「ありがとう」を伝えたいです

 これからは春馬くんが遺してくれた大切な想いや言葉を心の糧として、笑顔も忘れずに力強く心の中にいる春馬くんと共に歩んで行こうと思っています。また春友さんと共に素敵な春馬くんを輝かせ続けたいです。

 そして春馬くんが穏やかな気持ちで温かい場所にいられるように、みんなの温かい想いで彼を包んであげたいです。祈り。

 でももうすぐやってくるいちばん悲しい日…7月18日…この日が近づくにつれ、どうしようもない寂しさがいつも以上に込み上げてきて春馬くんに無性に会いたくなります。心の底にある寂しさは一生、決して消えないと思っています。当日は、お空にいる春馬くんに沢山語りかけ、大好きだった向日葵を飾り、和ろうそくを灯して、心静かに彼を想い、祈りの日にしたいと思っています。(れいりん)

もう4年! いやまだ4年!

●衝撃的な年から4年経ちます。春馬さんがいなくなってから悲しくて辛くて、考えると涙が溢れ出て…「涙が枯れる」って嘘ですね。私は涙が出る程泣くことはあまりなかった人ですが、春馬さんのことでは別です。今でも春馬さんの映像などを観ると涙が溢れ出てきます。どうしてこんなに努力していた人が、どうしてこんなにステキな人が亡くならなければならないのか? 最後に見た光景はなんだったんだろうか?

 私は春馬さんゆかりの地を歩いています。そして同じ思いの春友さんたちと出会い、春馬さんの話をしています。春馬さんと親交のあったシンガーソングライターさんたちと出会い、1人は今月半ばにお食事しながら「You&I」などを聴かせていただこうと思います。

 7月は七夕特別上映が日曜日なので映画館をはしごして『天外者』を観ます。そして靖国神社参りをして春馬さん提灯を見て御霊祭りしたいです。

 命日とされる18日はしっとりと家で春馬さんを思い出そうと思っています。きっと涙でグシャグシャです。早く疑問を解明できますように願うばかりです。(春ジェンヌ)

ブルーキャットで春馬君の話を聞いた

●7月18日の過ごし方ですが、昨年は春友さんと高野山へ。今年は未定です。

 6月10日、娘夫婦と能勢のブルーキャットさんでバーベキュー。ブルーキャットさんは、春馬君が『鶴瓶の家族に乾杯』で訪れた雑貨屋さん。店主の西岡さんに春馬君の話を聞かせていただきました。春馬君がお店に入った瞬間、玩具箱みたい、と……。店主の西岡さんは玩具箱みたいなお店にしたいと始めたのでびっくりされたそうです。

 春馬君がいろいろ商品を物色していたら、ビンの口が曲がった写真を発見。これどうなってるんですか!?と春馬君。西岡さんは「ハンドパワーで曲げたんよ」と冗談を。春馬君は本気にしたそうです。後で冗談と伝えたとか……。一通り商品を観て ひとつ購入されました。

 ブルーキャットさんに行く前に能勢の造り酒屋・秋鹿さんで日本酒を沢山飲まれていたので、「枝豆あるよ」と西岡さん。春馬君は食べると、「枝豆はアルコールを中和する作用がある」と。枝豆を沢山食べたので喉がかわいたんじゃないかと、西岡さんは「後ろの冷蔵庫あけてみて」。春馬君は冷蔵庫をあけて桜川サイダーを取り出し、「飲んでみて」と西岡さん。

「第一声はみんな美味しいと言うから」と春馬君は暫く考えて、「やっぱり美味しい」しか出なかった。後でスタジオ収録の時、鶴瓶さんに「悔しいやろ」って言われてました。

 ブルーキャットさんの後に訪れたヨガ教室。そちらは今回お邪魔してませんが、ヨガの予約をすれば中に入れると西岡さんに教えていただいたので、次回、春友さんを誘ってヨガ教室へ行く予定。7月18日に行けたらいいんですが……。(tunami)

4年目の『天外者』七夕上映

●今年の7月7日に『天外者』七夕上映が決まりました。 この七夕上映も3年見てきて今年で4年目になるんですね。すごいことですね。

 7月18日もこの3年間いろいろな形で春友さんたちと過ごしてきました。今年は特に集まったりもしないのですが、きっと春馬さんがいた場所に行ったり春馬さんが食べてた物を買ったりして花を飾ると思います。春友さんたちとずっと繋がっているから、きっと7月18日はそれぞれの場所で春馬さんを想っていると思います??(ノコノコ)

大学の授業で春馬さんについて書いた

●つい先日、大学の授業で、憧れの人物について書き、プレゼンするという授業がありました。私はもちろん、三浦春馬さんについて書きました。

私なりに春馬さんについて、まとめることができましたが…「春馬さんの魅力や素晴らしさ、そして、私の春馬さんへの想いなどは、こんな小さな欄だけじゃあ収まりきらないヨォ!!…」

 今年の7月18日で、春馬さんの五回忌になりますね…あれからもう4年、まだ4年…と複雑な気持ちになることもしばしばあります。

しかし、「三浦春馬さん」という素晴らしい表現者が、存在していたことを、より多くの方に知ってほしく、今回の授業内容でも春馬さんについて取り上げて書きました。

 そして、春馬さんが全身全霊をかけて残して下さった数えきれないほどの素晴らしい作品により、私たち、ファンの心の中で、この先もずっと輝き、愛されて、生き続いてほしいと強く願っています。  (三早希)

月刊『創』編集長

月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。

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