「ジョーカー2」、なぜ賛否両論? 日本でのヒットは? #専門家のまとめ
日本でも10/11(金)から公開が始まった『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(以下、『ジョーカー2』)。2024年の映画の中でも、早くから最も注目を集めていたのは、5年前(2019年)の前作『ジョーカー』が、日本でも社会現象と呼べるヒットを記録したからだ。DCのヴィランとして知られる超有名キャラクターを題材に、アーサー・フレックという追い詰められた男が衝撃の殺人を遂行し、一方で彼を“ジョーカー”と信奉する人々が多数現れた前作。州立病院に収容されたアーサーの、その後の運命を描いた『ジョーカー2』は、前作でオスカー受賞のホアキン・フェニックスと、新たに加わったレディー・ガガの共演も含め、期待ポイントが多かった分、ヴェネチア国際映画祭でのお披露目、全米での公開では賛否両論の渦となっている。はたして日本ではどう受け止められるのか。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
日本よりも一週間早く公開が始まった北米で、『ジョーカー2』はオープニングの週末興収ランキングで堂々の1位を獲得。ただ、その数字は4000万ドルで、前作の数字、9620万ドルに遠く及ばなかった。続編は製作費も増加(5500万ドル→約2億ドル)していたので、たしかに残念だと言っていい。やはりヴェネチア後の賛否両論のレビューが影響したのだろうが、冷静に考えれば、賛否両論のわりに4000万ドル稼いだわけで、やはり人々の「どんなものか観たい」欲求を刺激しているのは間違いない。問題は2週目以降の数字の落ち方だろう。
基本的に「賛否両論」と騒がれる作品は、賛否真っ二つというより、「否」の意見が多いから、そのように表現されることが多い。10/11から公開が始まった日本で、観客のレビューも上がり始めたが、「こういうものを観たいわけじゃなかった」という否定派と、「いい意味で期待を裏切ってくれた」という賛成派に、わりとくっきり、現段階では分かれている印象。ポイントのひとつは、ミュージカルのスタイルだったりする。
しかし、ある意味で賛否両論だった1作目も思わぬ観客層へと広がっていっただけに、日本の観客が『ジョーカー2』をどう受け入れるかは興味深いところ。「賛否ある作品」というフレーズに、どこまで“引き”があるか……。とりあえず連休の週末は、上映館での席がかなり埋まっている。
最後に筆者の『ジョーカー2』への評価だが、「こういうスタイルも良い」という意味で満点である。
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