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切れ間ない台風の発生と記録的猛暑…「秋」が南下しない日本列島に来週も台風北上か:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
12日9時の予想天気図(気象庁HPより)。熱帯低気圧は離れ、台風13号が北上。

台風13号は日本の南の海上で発達しながら北西へ進んでいて、14日(土)から始まる3連休には「強い」勢力で沖縄・奄美付近に接近する見通しです。
沖縄を中心に大荒れの天気がになるほか、暖湿気の流入が強まり本州付近でも太平洋側で雨が強まるおそれがあります。

一方、この時期にしては太平洋高気圧が強まっている影響で、12日は記録的な猛暑になるところも出てくる見通し。局地的な雷雨も続くでしょう。
さらには、日本の南では来週も熱帯低気圧または台風が発生する可能性があり、台風の切れ間がない状態は続きそうです。気象予報士が解説します。

12日も雷雨と猛暑が止まらない

12日(左)朝、(中)昼過ぎ、(左)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
12日(左)朝、(中)昼過ぎ、(左)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

12日は前線帯(秋雨前線の延長線上のようなイメージ)がかかる東北で雨が降りやすいほか、福島~沖縄の各地で内陸を中心に発雷確率が高く、晴れていても局地的な雷雨のおそれがあります。

また、前日11日は152地点で35度以上の猛暑日という記録的な暑さでしたが、12日はさらに気温が上がるところも。東京も最高気温が35度の予想で、観測史上もっとも遅い猛暑日の記録に並ぶかもしれません。

台風13号は発達ピークで沖縄・奄美接近

台風13号の予報円(気象庁HPより)
台風13号の予報円(気象庁HPより)

台風13号は14日(土)には「強い」勢力になり、3連休中に沖縄・奄美付近を通過していく見通し。「強い」勢力の台風の中心付近では、走行中のトラックが横転するような風が吹きます。

また、暖かく湿った空気が流れ込む西~東日本の太平洋側では土日を中心に雨が強まるところが出てきそうです。

来週も南の海上に熱帯低気圧 or 台風?

気圧配置と降水域(ドット)の予想(気象庁データを元に作成)
気圧配置と降水域(ドット)の予想(気象庁データを元に作成)

まだ先の話なので不確実性が高いものの、来週半ばに新たな熱帯低気圧または台風が北上してくる可能性があります。

9月は平年値で見ると台風の発生数が年間2位、上陸数は1位の月なので、今後も台風の影響を受け続けるおそれがあります。

連休は雨の範囲広がる可能性も…

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

台風13号の遠隔的な影響(雨)について、上図の週間予報では14日(土)に東京で雨マークがついているのみですが、西~東日本の太平洋側では土日により広い範囲で雷雨になるおそれも。
おでかけを予定されている方は、地元と行き先の予報をこまめに確認しましょう。

また気象庁の発表によると、このさき東日本では16日(月・祝)にかけて、西日本では17日(火)にかけて猛暑が続く見通しです。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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