中国貴州省で58人の男性と性的関係を持ち、12億円のワイロをもらった女性官僚に懲役13年 党籍はく奪
9月1日、中国共産党が、ある女性官僚の党籍をはく奪したことが国内メディアの報道で明らかになった。その女性の名前は鐘陽(ジョンヤン=52)。
中国メディアの報道によると、昨年4月、貴州省政府が調査を開始したところ、南西部にある貴州省黔南州の州長(知事)で、同州の共産党副書記もつとめていた鐘陽が、役人として働いていた2010年から2021年までの11年間に、各種業者から約5896万元(約12億円)のワイロを受け取っていたことが発覚した。また、58人の部下と性的関係を持ち、一部を愛人としていたこともわかった。
それにより、裁判が行われて懲役13年の実刑が確定していたが、今月に入り、重大な規律違反を犯したとの理由で、中国共産党の党籍のはく奪も確定した。このニュースが報道されたことから、昨年に続き、再び、中国のSNSなどで彼女のことが注目を集めている。
権力を笠に着る悪女
鐘陽とは一体どのような人物なのか。中国メディアの報道によれば、1972年1月、江西省の農村生まれ。漢民族ではなく少数民族の布依(プイ)族の出身。西南民族学院(大学)で歴史学を学んだのち、中国共産党青年団に入り、貴州省貴陽市で公務員生活をスタートさせた。
中央党校などでも学んだエリート官僚として、次第に頭角をあらわし、貴州省内の複数の県(日本の市に相当)で、副書記などを歴任した。
独身で、仕事をバリバリこなす美人の女性官僚というイメージだったと言われているが、権力を笠に、影では58人の男性部下を愛人にし、たびたび部下をホテルに呼び出していたという。裁判でこれらのことが明らかになった。
鐘陽被告の両親は現在も江西省の農村でつつましく暮らしている。春節(旧正月)に鐘被告が帰省する際、両親は原点を忘れぬようにと、あえて質素な「青菜豆腐」という味つけの薄い料理を作り、被告に食べさせたが、被告はその両親の思いを踏みにじり、公務員としてあるまじき行為をやめることはなかった。
中国のSNSで、このセンセーショナルなニュースを見た人々は「まるで現代の武則天のようだ(中国の女帝。中国三大悪女の一人とも言われる。日本では則天武后と紹介されることが多い)」などと語っている。