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筒香嘉智はレイズでどこを守る!? 各ポジションの顔ぶれからすると…

宇根夏樹ベースボール・ライター
筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)Dec 17, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2019年の横浜DeNAベイスターズで、筒香嘉智はレフトと三塁を守り、交流戦ではDHとしても出場した。過去には、一塁とライトも経験している。

 この5ポジションのいずれも、現在のタンパベイ・レイズに「不動」のレギュラーはいない。現時点のメンバーでスターティング・ラインナップを組むなら、筒香はDHだろうが、複数のポジションで守備につく機会もありそうだ。

 外野の両翼からは、2019年にそれぞれ最も先発出場の多かった選手がいなくなった。レフトで先発123試合のトミー・ファムは、12月にトレードでサンディエゴ・パドレスへ。ライトで先発89試合のアビサイル・ガルシアは、FAとなり、2年2000万ドルでミルウォーキー・ブルワーズと契約した。

筆者作成
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 2020年のレフトはオースティン・メドウズ、ライトはファムと交換に加入したハンター・レンフローが、主に務める予定だ。「コーナー・アウトフィルダー」としては、筒香は彼らに次ぐ存在だと思われる。ちなみに、センターは名手のケビン・キアマイアーだ。

 もっとも、筒香が守る外野はレフトだけで、ライトの守備にはつかないかもしれない。メドウズだけでなくレンフローも、2019年はレフトとライトのいずれでも30試合以上に先発出場した。一方、筒香がライトとしてスターティング・ラインナップに名を連ねたのは、2012年が最後だ。

 一塁も、筒香が守る機会は少ないだろう。2015~18年の内野出場はなく、2019年は三塁を守ったが、一塁の守備にはついていない。一塁とDHの2ポジションで考えた場合、ジマン・チョイ(もしくはネイト・ロウ)をDHとして筒香に一塁を守らせるよりも、チョイ(かロウ)に一塁を任せて筒香はDHとする方が自然だ。

 残る三塁は、ヤンディ・ディアズが右打者なので、対戦相手の先発投手によっては、左打者の筒香が三塁を守ることもあり得る。ダニエル・ロバートソンジョーイ・ウェンドルは、もともと「ミドル・インフィルダー」だ。二塁にはブランドン・ラオがいて、遊撃はウィリー・アダメスでほぼ固定されている。

 ということで、2020年の筒香は、頻度こそ違っても2019年と同じ3ポジション、DH、レフト、三塁で出場する可能性が高い。もちろん、これは現時点での話だ。筒香自身の守備に加え、他の選手の故障など、スプリング・トレーニングが始まってみないとわからないことも多く、開幕してからも状況は変わってゆく。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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