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3シリーズ続けて各地区首位に勝ち越し。低迷していたこのチームが、ペナント・レースの行方を左右する!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マックス・ケプラー(ミネソタ・ツインズ)Aug 15, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ミネソタ・ツインズは、借金を10以上も抱えている。だが、8月5日から15日にかけては、3シリーズ続けて勝ち越した。これは、今シーズン初めて。しかも、相手はいずれも、ア・リーグの地区首位にいるチームだ。西地区首位のヒューストン・アストロズに3勝1敗、中地区首位のシカゴ・ホワイトソックスに2勝1敗、東地区首位のタンパベイ・レイズにも2勝1敗を記録した。

 もしかすると、ツインズの3シリーズ連続勝ち越しは、一時的なことなのかもしれない。計10試合の得失点差はゼロ。44得点と44失点だ。レイズとの3試合は得失点差+7ながら、ホワイトソックスとの3試合は-8、アストロズとの4試合も+1に過ぎない。

 ただ、今シーズンのツインズは、地区3連覇をめざし、開幕を迎えた。夏のトレード市場では「売り手」に回り、DHのネルソン・クルーズ(→レイズ)、先発投手のホゼ・ベリオス(→トロント・ブルージェイズ)とJ.A.ハップ(→セントルイス・カーディナルス)、リリーフ投手のハンセル・ロブレス(→ボストン・レッドソックス)を手放し、外野手のバイロン・バクストンは長期にわたって離脱しているが、打線にはまだ、ミゲル・サノーマックス・ケプラーホルヘ・ポランコを擁する。先発投手陣には前田健太がいて、ともにメジャーリーグ1年目のグリフィン・ジャックスベイリー・オーバーは、後半戦の各5先発で防御率2.73と3.28を記録している。

 今秋のポストシーズンへ進むことはないだろうが、ここからも、上位にいるチームに勝ち越し、その行方を左右する可能性はありそうだ。今後、ツインズは、現時点でポストシーズン進出圏内、あるいは圏内まで5ゲーム差以内にいる5チームと顔を合わせる。その相手は、ニューヨーク・ヤンキース(8月19日~22日)、レッドソックス(8月24日~26日)、ミルウォーキー・ブルワーズ(8月27日~29日)、レイズ(9月3日~5日)、ブルージェイズ(9月17日~19日、9月23日~26日)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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