あなたの年収はエチオピアの先生の何倍か
CNNが提供する世界の年収比較サイトが面白い
お金と幸せの関係について、日経新聞電子版にコラムを書いていて、ネットで調べ物をしていたところ、面白いサイトをみつけました。アメリカのニュースチャンネルCNNのWEBサイトです。日経新聞電子版のほうでは取り上げることができなかったので、ここで話題にしてみたいと思います。
「Global wage calculator: Compare your salary」 つま「グローバル賃金電卓:あなたの給料を比較してみよう」というところでしょうか。
使い方はとても簡単です。日本からアクセスすれば「Are you in Japan ?」と表記されるので「YES」を押します。
次の記入欄はあなたの年収をたずねていますので、日本円で入力して「Confirm」ボタンで送信するだけです。
自分の年収については、12月は源泉徴収票が会社から渡される時期ですから、自分の年収をすぐ確認できると思います。すでに年末調整が終わっている方は源泉徴収票が手元に届いているでしょう。遅くても25日の給与振り込み日には手元に届くと思います。
源泉徴収票から、あなたの年収を入力してみてください。自分の置かれているポジションが分かるかと思います。
送信ボタンを押すと次の画面に切り替わり、グラフとふたつの数字が表示されます。
・自国内で自分の賃金はどの水準か
左上「You earn XXX%」というのが自分の国の平均賃金との比較を%で表したもの、
・グローバルでは自分の賃金はどの水準か
左上からふたつめの数字「You earn XXX%」というのが、世界平均の賃金水準との比較を%で表したもの、ということになります。
ちなみに日本の場合は、399万円が平均と表示され、あなたの賃金水準がどのあたりか表示されます。また、グローバル平均では約20000ドルが平均であり、あなたの年収はそれと比較してどれくらいの水準にあるかを表示されます。
あなたの年収は「日本」の平均と比べてどうか、考えてみよう
ちなみに国税庁の「民間給与の実態調査結果(平成28年分)」によれば、給与所得者の平均年収が422万円、正規社員が487万円、非正規社員が172万円となっています。男女別でみると男性が521万円で女性が280万円です。
国税庁「民間給与の実態調査結果(平成28年分 全データ)」(PDF)
正社員の平均、として考えた場合は399万円という数字はちょっと少ない数字となります。アルバイトやパートの年収も含まれるからです。「平均と比べてあなたの年収は122%」です、と言われるくらいが正社員の平均ということになります。
もちろん、年齢によって年収も違います。全体の平均を年齢別の平均が上回るのは35~39歳のカテゴリー以降です。アラサーまでは、平均の422万円にはまだ届かないのもおかしくはない、ということになります。
こうしたツールを用いることで、自分の年収が国内でどれくらいのポジションにあるのか、考えてみるのにいい機会かもしれません。
あなたの年収をエチオピアの先生と比較してみよう
このサイトがおもしろいのは、グローバル比較の機能もついていることです。右上にあるグラフは、世界各国の平均賃金と日本の平均賃金の比較が示されています。また、右下にはイラストつきでアメリカのCEO、エチオピアの先生、タイの清掃人、南アフリカの運転手、ギリシャの医療従事者、フィンランドの部長との年収比較を倍率で示してくれます。
あなたがもし、日本の平均賃金と同じくらい稼いでいるとしたら、それはギリシャの医療従事者とほぼ同じ賃金水準であり、エチオピアの学校の先生の11倍に当たる金額なのです。
こういう数字で自分の年収を見える化することは日常ではほとんどありません。もちろん、物価は各国によって異なりますので、倍率がそのまま豊かさを示すわけではありませんが、自分たちの環境がどういう位置にあるのか考えるきっかけになるのではないでしょうか。
あなたの「仕事の価値」を考えてみよう
自分の「仕事の価値」を会社員はなかなか考えるチャンスがありません。国内の平均的な賃金水準と、自分の仕事の評価である年収を比較してみたり、世界の賃金水準と比較してみることで、2018年の働き方を考えるヒントになるかもしれません。
もし「自分の仕事の能力はもうちょっと多く給料もらってもいいだろう」、と思うのならちょっとした危機感をもって転職活動をしてみましょう。思いのほかいい評価をもらえる会社がみつかるかも。
「Change my details」というボタンを押せば、前の画面に戻って違った年収を記入してみることもできます。シェアボタンもありますから、友人との話題の種にしてみるのもいいでしょう(ただし自分の年収をそのままオープンにしないほうがいいかもです)。