【目黒区】学芸大学で絶品「ガチ中華」が楽しめる「好香味坊(はおしゃんあじぼう)」誕生!
最近、巷でよく聞く「ガチ中華」ということば。日本人が慣れ親しんだ味ではなく、中国の方が自分たちの故郷を懐かしみ、好みの味を楽しめるよう提供している中華料理のことです。
今回、学芸大学駅高架下にある学大市場の片隅にオープンした「好香味坊(はおしゃんあじぼう)」もその「ガチ中華」店の一つ。
2022年4月15日(金)グランドオープンに先駆けてお披露目会があり、私もちゃっかり参加してきました。
「ガチ中華」を提供する味坊集団のお店が、日本人の舌を魅了しているヒミツの一端をお伝えできればと思います。
「好香味坊(はおしゃんあじぼう)」は味坊集団が手掛ける8店舗目のお店
味坊集団(株式会社L&L)は、中国・東北地方のお料理を提供しており、都内ですでに7店舗を展開。学芸大学にオープンした好香味坊は8つ目のお店となります。
オーナーである梁宝璋(りょう ほうしょう)さんは、お店をオープンさせる場所により、少しずつコンセプトやメニュー構成などを変えているそうです。そしてどのお店も「ガチ中華」であるにも関わらず、日本人のお客様で大繁盛!
以下、既存店をダイジェストにご紹介しましょう。
- 神田駅東口ガード下・本場中国東北地方の家庭料理を提供する「味坊」
- 御徒町・中国東北地方のラム肉を使ったお料理に特化「羊香味坊」
- 湯島・中国東北地方の郷土料理を鉄鍋で提供「味坊鉄鍋荘(あじぼうてつなべそう)」
- 御徒町・北京の大衆酒場をイメージした酒場「老酒舗(ロウシュホ)」
- 三軒茶屋・中国湖南料理を提供「香辣里(シャンラーリー)」
- 代々木上原・点心専門店「宝味八萬(ホウミハチマン)」
- 綾瀬・亀有エリア・内蒙古出身の羊の丸焼き専門のシェフによる羊の丸焼きが楽しめる「吉味東京(きちあじとうきょう)」
どのお店も個性的で、同じ系列店とは思わない方も多いとか。なかでも2番目の羊香味坊は、テレビ東京で人気の番組「孤独のグルメ・Season6」第八話に登場し、常に行列ができる人気店となっています。
「好香味坊(はおしゃんあじぼう)」は、気軽に「ちょっとした食事=小吃(シャオチー)」が楽しめるお店
好香味坊が入っている学大市場は、東急東横線・学芸大学駅の高架下にある商業施設。2021年7月に大幅リニューアルされ、注目の飲食店が次々誕生しています。
今回オープンした好香味坊は、「Nature/Pizza TOSCANA(ナチュール/ピッツァ トスカーナ)学芸大学店」の斜め向かい。
厨房を囲むオープンカウンターの前に13席のみと小さなお店で、屋台と店舗のちょうど中間ぐらいの規模です。イートインもできるし、お惣菜や点心、麺類などを気軽にテイクアウトできる家庭の台所の延長上にある存在、というところでしょうか。
お店のイメージは中国では裏路地に必ずあるような小さな飲食店「小吃(シャオチー)」で、地元の人がワイワイとやってきて、軽い食事が楽しめる身近なお店というコンセプト。
その小吃(シャオチー)を学芸大学という街に溶け込むようローカライズし、新しい中華のスタイルを提案する味坊集団の実験的な店舗がここ、好香味坊というわけです。
コロナ禍で自由に海外へ行けない分、人気が高まっている「ガチ中華」
日本で比較的ポピュラーな中華料理としては、北京・上海・広東・四川料理があります。しかし「ガチ中華」では、それ以外の地方料理が楽しめるのが特徴。
好香味坊では、広東料理と中国東北地方のお料理をメインに提供するお店となっています。オープンカウンターの厨房内は調理スタッフの方が1人で切り盛りしていました。
まず最初にいただいたのは、ピータン・五香花生米・豆腐干絲の3種。
ピータンはアヒルの卵を灰や木炭や塩などと一緒に粘土で包み、発酵させてつくる中華料理ではおなじみのメニュー。
五香花生米はピーナッツの味付け煮という冷菜で、ゆでたピーナッツとセロリ、ニンジンを使っています。味付けはまさに「ガチ中華」で、日本の町中華ではなかなか出せない味。
シナモンやクローブ、八角などのスパイスを巧みに使って味付けしている印象です。
上写真は干したお豆腐を細切りにした豆腐干絲(とうふかんす)。あっさりとしていて少し弾力があり、面白い食感です。
トッピングされているのはパクチーで、お豆腐のシンプルな味わいを引き締める香りのアクセントとなっていました。
旬の野菜は自社農園で無農薬栽培したものを使用している味坊集団
続いていただいたのは、菜の花のしょうゆ炒め。野菜だけなのにどうしてこんなにもおいしいのでしょうか。
しょうゆ炒めで使用している菜の花は、自社農園で無農薬栽培されたものだそうです。味坊集団が経営しているすべてのお店が、「みんなの飲食店」をコンセプトに安心できるものを提供するという考え方が貫かれています。
餃子や麺、調味料など、自社で作れるものは全部自社工房でというのがポリシー。そのこだわりこそ、どの店も大繁盛しているヒミツなのかもしれません。
点心はお店で一つひとつで包みして出来立てを提供!
続いて蝦餃(えび蒸し餃子)、春菊餃(春菊蒸餃子)の点心2種をいただきました。
えび蒸し餃子(蝦餃)は比較的ポピュラーなメニュー。ぷりっぷりでジューシーなエビが入っていました。
ヒスイ色の縁取りが美しい点心の中身は春菊のみ。一口噛んだら、口いっぱいに春菊の豊潤な香りが広がります。味付けがシンプルな分、野菜のおいしさや香りが勝負ですね。
続いてでてきたのは、海鮮シュウマイ(広東焼麦)。クコの実がトッピングされています。
一口噛めば海鮮の旨味スープがじゅわじゅわと口の中で広がり、お箸が止まりません。
1人でも気軽に立ち寄り、おいしい「ガチ中華」が楽しめる「好香味坊」
中華料理は食べたいけど、1人だといろいろな種類が食べられないのが残念と思っていました。でも好香味坊なら1皿の量が少なめなので、1人で訪れてもいろいろ注文して楽しめるのが嬉しいポイント。
釜焼きチャーシュー(密汁叉焼)は広東チャーシューとも呼ばれていて、中華街などに行くとよく店先にフックでぶら下げられているのを見かけます。
“叉”とは、肉を吊るす道具を意味するそうです。
こちらもスパイス使いが絶妙で、あまりお肉が好きではない私でも夢中になってしまう味付け。
そして、お店イチオシなのが広東風鴨の釜焼き(広東焼鴨)です。こちらも甘めのタレが絶妙で、コクのある鴨の味わいをよく引き立たせていました。
入れている容器も手作り、豚肉ともち米の竹筒蒸し(江米肉)
竹の器ごとふっくらもちもちに蒸しあげて炊いている豚肉ともち米の竹筒蒸し(江米肉)。器も手作りだそうです。
そして、食べ進めていくとなんと底には香ばしく揚げたポテトフライが入っていました。
これにはびっくり。そして意外に合うのが面白かったです。定番なのか、メディア向けサプライズなのかはわかりません。
ぜひ、注文して確かめてみてください。
「好香味坊」では中国の漢方ドリンクや自然派ワインもラインナップ
お邪魔した日は夜に中国武術の練習があったため、アルコールは飲めませんでした。
ドリンクメニューの中に初めて見る「王老吉(ワンラオジー)」というものを発見。こちら中国の健康ソフトドリンクだそうで、仙草、インドソケイ、破布葉 、菊、スイカズラ、ウツボグサ、リコリスというような漢方系の素材を使っているようです。
アメリカでいうルートビールみたいな感じでしょうか。甘いと聞いたのでトライしませんでしが、気になる方はぜひ!
中国武術の先生やメンバーに後で聞いたところ、現地ではポピュラーな飲み物だそうです。
この他、ハイボールやクラフトジン、紹興酒などに混ざって自然派ワインもラインナップ。中華料理とワインの組み合わせ、なかなか斬新です。
好香味坊のお料理は、一般的な中華料理の味付けと異なり、素材の旨味を活かしたバランスのよいスパイス使いをされています。自然派ワインに合わせても絶対おいしいと思いました。
ちなみに好香味坊では、初めてモバイルオーダーを導入したそうです。忙しい時間帯もこちらを活用すれば注文がスムーズにできそうですね。
オーナーである梁さんはプロの料理人ではありません。「食べるのも飲むのも好き」という一般のお客様目線で、おいしいと思えるものを提供したくて始めたのが味坊集団。
中国のローカルな食文化の魅力をもっと日本で広めたい。その土地柄にあったスタイルで、食べることを楽しめるお店にしたい。
作れるものは調味料からすべて手作り、食材もできるだけ安心して食べられる自社農園で採れたものを。梁さんの食へのこだわりと自由で柔軟な発想が、味坊集団のお店を魅力的にしているのだと感じました。
味坊集団が手掛けるどのお店も、地元からこよなく愛される場所として成長しています。学芸大学の好香味坊も、必ずや人気店になること間違いなし。
しばらくは混雑しそうですが、並んでも食べる価値あり!
ぜひ皆さんも「ガチ中華」にはまってみては?
【店舗概要】
好香味坊
営業時間:11時~23時
住所:東京都目黒区鷹番3-2-1 学大市場内