【K-POP論】来日決定! 冬の季節感あふれるLovelyz「Lost N Found」に、いいね!
クリスマス、いかがだったでしょうか。
心温まる家族での団らん。イルミネーション……とはいかなかった筆者は、この原稿を書いていました。
今年10月に「チョンハ」を採り上げ、非常に多く読んでいただいた「おじさんのためのK-POP論」。
【コラム】「K-POP、またハマってみるか」そう思わせたチョンハの日本初ファンミーティング。
第2弾を出すべく、その間、新たな「研究対象」を探していました。
2010年夏、KARAに始まった第1次ブームが終わり、その後、2015年から16年に韓国で世代交代が起きた。流行りのグループの顔ぶれがすっかり変わるなか、おじさんも再びハマれそうなグループはどんなものだろうと。
この8年間でこちらも歳をとった。だから新たな対象はきゃぴきゃぴすぎもせず、ギラつきすぎてもいないグループがいい。
日常のなかで、遠くとも、1番近い外国にいるK-POPガールズグループについて考える。その非日常的要素を刺激にしていこうじゃないかということです。
おそらくは皆様、スマホを通じてYoutubeなどでこのコンテンツをご覧になるでしょう。細かい説明はこちらにお任せを。韓国語歴25年の筆者がガチでやります。
これが本論の趣旨だ。ありがたいことに、第1回を掲載後、日韓のK-POPの関係者からいくつか反応や情報をいただいた。韓国スポーツ紙の芸能担当記者からも応援をいただいている。なかでも「おじさん、とは銘打ってるが、女性にもどんどん読んでほしい」、「日本での韓国ガールズグループの現場にいるのはざっくりと分けて若い女性とおじさん。その場にいる人の考えなんだから」という話の受けがよかった。
反応を下さった方々のうち、日本に住む韓国人の関係者からの話に興味を持った。「年が明けて少し落ち着く1月下旬に男性女性グループ合わせて10グループくらいが同時に来日するんですよ」。
せっかくならそのなかからよいグループを見つけて、「来日を待つ」という時間を楽しむことはできないだろうか。そんなことを考えた。
「見つけてほしい」。20代の女性心理を季節感とともに歌う「Lost N Found」
そのうち、注目したいのがこのグループだ。
”Lovelyz(ラブリーズ)” 。
2014年にデビューした8人グループだ。最年長は26歳、一番若いメンバーは21歳。韓国の音楽番組で過去に3度ほど1位を獲得した、実績のあるグループだ。韓国では「2014年下半期に起きた清純派グループのリーダ役を果たしてきた」「愛嬌と実力が魅力」とも評価される。
前々から存在は知っていた。2018年4月に発表した「That day」は、KARAの「ミスター」、「ジャンピン」、「STEP」、RAINBOWの「A」と同じsweetuneが作曲を手がけていたからだ。有名曲の作曲家が手がけた楽曲、という点は2016年以前のグループと現在を繋げる重要な要素だと思っている。
このグループが1月下旬に来日する。先日、日本のメディアでも発表になった。今年の夏以来のグループとしての来日だ。
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関係者から情報は聞いていたから、少し予習をした。今回プロモーションするアルバムのタイトル曲「Lost N Found」についてだ。
これにズキュンときた。12月に韓国でプロモーション活動したてのほやほやの曲。そのまま、日本でも韓国語で歌うのだという。
冬の季節感満載。韓国での楽曲解説では、こう綴られている。
「メジャーとマイナーの境界線に特徴があり、これまでのLovelyzの淡い感情よりもより強い叫びを加えた曲。感覚的なストリーミングサウンドとシンセサイザーの調和が美しい」
「Lost N Found」、原語題は「チャジャガセヨ」という。直訳すれば「取りに来てください」となるが、個人的な感覚からあえて邦題をつけるのであれば「みつけて」。人恋しい冬の季節に、愛する人に見つけてもらうか、見失われるか。その狭間で揺れる女性心理を歌う。
12月にソウルでこの曲の作曲家、space cowboy氏に話を聞いた。
「季節感、という点は作曲活動でも大事にしている点です。本来は秋に発売を、という予定もありましたが、少し先延ばしになったんです。その分、思い入れを込めて長い期間曲作りをしました。12月発表、ということが決まり、より冬のイメージを出していくことを考えたのです」
冬に20代の女子が何をしようとしているのか……愛の告白だ。
「lovelyzは最近の韓国のガールズグループでも、数少ない存在感だと思うんです。全員20代の清純派。彼女たちのデビュー当時から作曲に携わっていて、その姿を見てきました。本当に裏表がないんです。『キミたち、本当に芸能人か?』というほどにふだんは普通の女性たち。これまでの楽曲は、『20歳前の女の子が告白できずにモジモジしている』というイメージも多かったです。だからこそ、今回、彼女たちには愛をはっきりと口にしてほしかったんです」
確かに曲の内容は、「愛に気づいてほしい女性心理」を歌っている。上の動画を見れば、0分27秒と2分21秒に”好き(チョア)”、2分29秒に”愛してる(サランヘ)”というストレートな感情が3度ほど、サラッと出てくる。ここにズキュンとくる。
この曲、12月の韓国の音楽番組、音源ダウンロードランキングなどでは1位を獲得できなかった。
しかし、彼女たちは新曲発表時にこう発言していたのだ。
「1位よりも、この曲を安らぎの場に」
ちょっと落ち着いた、大人の女性。キャピキャピも、ギラギラもしすぎていない。
取材していくうちに、ちょっとハマってしまった。
新たな挑戦に取り組みます
……といった内容を、1ヶ月間じっくり説明していこうと思うのだ。韓国関連の記事執筆歴17年、語学学習歴25年のパワーを注いでガチでやる。
「おじさんのためのK-POP論」として、新たな実験だ。同タイトルのブログを開設し、これに取り組む。作曲家space cowboyのインタビューや、韓国のファンに聞いた話を紹介していきたい。また、現地発の動画なども訳を加えつつ、解析していきたい。
結局、日本のファンは彼女たちの姿を、まずはyoutubeで観ていくのではないか。スマホを通じて観ることが多いだろう。その時間をもっと楽しんでいけるようにしたい。「なんて歌っているんだろう」「このダンスには何の意味があるんだろう」「日本に来たら、どんなふうに見えるんだろう」と想像しながら。
そうやって、「来日を待つ冬の時間」はどういうふうになっていくだろう。そういった試みをしていきたい。
今回は来日の日本スタッフから情報をいただき、1ヶ月ほど分析・取材をしてみて、「紹介に値する」と判断した。この先、韓国側ともできることなら接点を持っていきたい。他にも「APink」、「チョン・ウンジ」、「Black Pink」などを紹介してみたいし、「こんなグループがある」という情報もぜひともいただきたい。今回、まずは来日予定のあるグループを。
K-POPのジャンルでは、男女のグループの占めるマーケティングの比率は男:女=8:2と言われる。ほとんどが、男性を応援する女性たちのための市場なのだ。つまり男性のための女性グループ研究はニッチですらある。だからこそどんどん新しいことに取り組んでいきたい。そんなことを考えている。