主な新興国経済ニュース(5月28日)
チェコのゼマン大統領、プラハとワルシャワの両証取の合併を提唱
チェコのミロシュ・ゼマン大統領は先週末、ポーランドの首都ワルシャワで開かれた講演会で、チェコのプラハ証券取引所とポーランドのワルシャワ証券取引所の合併を提案する考えを明らかにした。地元週刊紙ワルシャワ・ボイス(電子版)が27日に伝えた。
同大統領は、「ワルシャワ証取の発展は目覚ましいものがあるのに比べ、プラハ証取では新しい企業の上場で遅れを取っている。今後はチェコの企業がワルシャワに上場するのを見ていきたい」とし、合併後の証券取引所の本拠地はワルシャワに置かれるべきだ、とも述べている。
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ロシア政府、ソブリン債格付け引き上げをJPモルガンに委託へ
ロシア政府は同国のソブリン債格付けを最高ランクまで引き上げるためのコンサルティング業務を米大手証券JPモルガンに委託することを決めた。ロシアのニュースチャンネルRTが24日にノーボスチ通信の報道を引用して伝えた。
セルゲイ・ストルチャク財務次官によると、JPモルガンは財務省と信用格付け大手との間の連絡調整役を担うことになるとしている。また、同次官は大手信用格付け会社のうち、1社が近く、ロシアのソブリン債格付けを現状のままで良いかどうかの見直しを行うとの見通しも明らかにした。ただ、同次官は現時点でロシアの格付けを引き下げたり、また、引き上げたりするような根拠は見当たらないとしている。
ロシア政府は2016年までにソブリン債格付けが最高ランクになるよう期待しているという。現在、フィッチとS&Pはともに「BBB」、ムーディーズは「Baa1」を付与している。
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世銀傘下の国際金融公社、来年からインドネシアに510億円投資へ
開発途上国の民間セクターの活動を支援する世界銀行傘下の国際金融公社(IFC)は先週、来年からインドネシアに対し約5億ドル(約510億円)を投資する計画を明らかにした。ジャカルタ・グローブ(電子版)が26日に伝えた。
IFCのインドネシア担当責任者、サーブシュ・スリ氏によると、IFCはインドネシアの空港や港湾を中心としたインフラ整備や農業、中小企業の両セクターに投資していくとしている。投資にあたっては地場の民間企業と提携して各種プロジェクトを実施していきたい考えで、すでに中小企業セクター向けの1億5000万ドル(約150億円)の投資では地場の中堅銀行バンク・ダナモン銀行と金融大手タブンガン・ペンシウナン・ナショナル(BTPN)と契約しており、中小企業市場の拡大を図る。農業セクターでは農家への融資だけでなく、農業指導を通じたコーヒーなどの農産物の品質改善も行うとしている。
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インドネシアのマスピオン銀行、来月に20%株式売却へ―IPOで
インドネシア中堅銀行のマスピオン銀行(バンク・マスピオン・インドネシア)は7月の新規株式公開(IPO)に先立って、来月下旬から発行済み株式の19.99%に相当する新株7億7000万株を売却する。ジャカルタ・グローブ(電子版)が27日に伝えた。
幹事社は地場のマキンタ証券で、新株発行の募集期間は6月27日から7月1日で、7月8日にインドネシア証券取引所に上場する。調達した資金は自己資本の増強と融資事業の拡大に充当する方針。同行は11店舗と27カ所の出張所を保有し、総資産規模は3兆4000億ルピア(約340億円)となっている。
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ベトナム建設銀行、資本金を380億円に引き上げへ―建設業界対応で
ベトナム建設銀行(旧・ダイティン銀行)のド・ホアン・リン副頭取は、地元紙ガフィンのインタビューで、資本金額を7兆5000億ドン(約380億円)に拡大する計画を明らかにした。地元金融情報サイト、ストックスプラス(電子版)が27日に伝えた。
これについて、ファン・タンマイ頭取は、資本金の増額を決めた背景について、同行の主要取引先が建設業界となっているが、現在、業界の業績が低迷しており、また、政府も建設業界を取り巻くさまざまな問題の解決に注力していることに対応するためとしている。
昨年12月末時点の同行の総資産は20兆ドン(約1000億円)強で、従業員数は1200人。112店舗を保有しているが、今後は資産規模を40兆ドン(約2000億円)、店舗数も115に拡大する計画。
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ブラジルのルセフ大統領、アフリカ12カ国への債権の大半を放棄へ
ブラジルのジルマ・ルセフ大統領は25日にエチオピア開かれたアフリカ連合の発足50周年を祝う式典で、ブラジル政府はコンゴやザンビア、タンザニアなどアフリカ12カ国に対する計8億9770万ドル(約910億円)の債権を放棄、または金利引き下げや返済期限の延長などの優遇措置を講じる考えを明らかにした。オ・エスタド・ジ・サンパウロ紙(電子版)などが伝えた。
大統領報道官のトーマス・トラウマン氏は、アフリカ諸国に対する債権の大半は債権放棄(棒引き)になるとしている。また、同氏は債務再構築について、ブラジルとアフリカとの戦略的関係を維持するためだとしている。ブラジルとアフリカの貿易額は2000年の50億ドル(約5100億円)から昨年は265億ドル(約2.7兆円)と、この約10年間で5倍に拡大しているほか、ブラジル企業の多くはアフリカの石油や鉱山の開発に大規模投資を行っている。
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ブラジル中銀週報:28-29日の金融政策決定会合は7.75%予想で据え置き
ブラジル中央銀行が27日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した5月28-29日の金融政策決定会合時の政策金利(翌日物金利誘導目標)の見通しは、前週予想の7.75%のまま据え置かれた。据え置きは6週連続。1カ月前の予想は7.75%だった。
また、2013年末時点の政策金利の見通しは、前週予想の8.25%のまま据え置かれた。据え置きは5週連続。1カ月前の予想は8.25%だった。2014年末時点の政策金利は前週予想の8.25%から8.5%に引き上げられた。1カ月前の予想は8.25%だった。
2013年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しについては、前週予想の前年比2.98%増から2.93%増に下方修正された。下方修正は2週連続。1カ月前の見通し予想は3%増だった。2014年のGDP伸び率見通しは前週予想の前年比3.5%増のまま据え置かれた。据え置きはこれで11週連続。1カ月前の見通し予想は3.5%増だった。
IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しは、2013年は前週予想の前年比5.8%上昇から5.81%上昇に下方修正(悪化)された。1カ月前の予想は5.71%上昇だった。また、2014年の見通しも前週予想の5.8%上昇のまま据え置かれた。据え置きは2週連続。1カ月前の予想は5.71%上昇だった。
一方、為替レートの見通しについては、2013年末時点のレアルの対ドルレート(中央値)は、前週予想の1ドル=2.02レアルから2.03レアルに引き上げられた。引き上げは3週連続。2014年末時点の見通しも前週予想の2.06レアルから2.07レアルに引き上げられた。引き上げは2週連続。 (了)