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【京都市中京区】祇園祭の山鉾建てが始まり、風物詩の厄よけ紙御幣取付けや鉾の焼き印入りどら焼きも登場!

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 祇園祭の鉾町となる四条通を挟んだ室町通や新町通周辺を2024年7月11日に訪れてみると、前祭で山鉾巡行に参加する山鉾建てが始まっていました。新町通綾小路下ルの船鉾では、粋なはっぴ姿の人たちが、釘を使わずに縄で部材を固定する伝統的な手法である「縄がらみ」を用いての組み立てに追われていました。

 縄がらみの結び方には「雄蝶結び」や「雌蝶結び」、「鶴結び」や「亀結び」、「海老むすび」などがあって各山鉾によって決まりがあるようです。バネのようにも見える縄がらみが伸縮する柔軟な構造が、巡行時の衝撃を緩和してくれるのだとか。船鉾では、すでに船体の骨格部分が姿を現していました。

2023年船鉾
2023年船鉾

 室町通四条を少し下がっていくと、「鶏鉾」では鉾を横に倒して組み立て、中心に「真木」と呼ばれる柱が通されていました。鉾町の人たちの呼びかけで、街ゆく人たちもそれぞれ願いを込めて、厄よけの「紙御幣」を取りつけた後に、鉾と一緒に「真木」が建てられました。

 新町四条を上がると、真木のなかほどの「天王座」に放下僧の像を祀るのに由来し、鉾頭は日・月・星三光が下界を照らす形を示すという「放下鉾」でも鉾建てが始まっていました。放下僧とは、中世から近世にかけて行われた、田楽の流れをくむ大道芸の一つで、僧形をし、こきりこと呼ばれる楽器を持ち俗謡をうたって舞い歩いたといいます。残念ながら、部材劣化のため、一般拝観者の搭乗は当面中止とのことです。

2023年放下鉾
2023年放下鉾

 そして、ここに来たら寄りたいのが、京都で110年にわたって続く老舗、京印章の「京都インバン」です。祇園祭に合わせて、きもの絵師やスケッチ画家描きおろしの各山鉾うちわやトートバッグ、山鉾ハンコなどオリジナルな商品がてんこ盛りで店頭販売されています。うちわにはその場で名前も入れてもらえます。

 さらに、コロナ禍での売り上げ減や脱はんこの流れの中でもめげずに社運をかけて異業種参入したという施設内のどらやき屋さん「くろーばー結び 四条新町店」が、絹糸モンブランや生クリームシャインマスカット、生クリーム&いちじくといった旬の素材を使った季節限定商品などがインスタ映えがすると話題にもなっています。そして、この季節限定で、どの商品にも祇園祭限定の鉾の焼き印が押されています。

 月鉾や函谷鉾、長刀鉾でも町衆の人たちに大工方・手伝い方・車方と呼ばれる職人たちも加わって、鉾建てが進んでいました。それぞれの鉾町では、組み立てを終えたあと12日頃から、装飾品などの一般公開が行われ、13日には放下鉾、船鉾、岩戸山、蟷螂山などで本番さながらの曳き初めが行われる予定で、17日の山鉾巡行に臨みます。

 みなさん祇園祭に来られる際は熱中症対策など万全にお越しください!

「京都インバン」(外部リンク)「くろーばー結び 四条新町店」(外部リンク)京都市中京区新町通四条上ル小結棚町443番地 075-221-5601

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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