ロシア軍のFPV神風ドローン、ウクライナ軍のカモフラージュのネット(網)にひっかかり爆発せず
2023年8月にウクライナ軍が上空からのドローン攻撃対策用に設置したカモフラージュのネット(網)にロシア軍のFPV神風ドローンがひっかかり、ネット(網)に絡んだままで標的に突っ込むことができなかったので爆発しなかったFPV神風ドローンの動画を公開していた。FPV神風ドローンといっても小型の民生品ドローンに爆弾をテープで巻きつけただけのチープな作りである。
標的に突っ込んでいき爆発するシーンをFPV(ファースト・パーソン・ビュー)で撮影することも多い。FPVはドローンに搭載されたカメラからの風景が操縦者に見える。このロシア軍のFPV神風ドローンはネット(網)に絡んだままで爆発していないので、操縦しているロシア軍の兵士には絡んだままの様子の動画がリアルタイムで流れていたかもしれない。
ロシア軍の攻撃ドローンというと、もっぱらイラン製軍事ドローン「シャハド136」という神風ドローンでの大型の奇襲の報道ばかりが目立っている。だがロシア軍ではこのような小型の民生品ドローンに爆弾を搭載して投下して攻撃をしたり、そのまま標的に突っ込んで爆発させて攻撃している。ウクライナ軍も同じように小型ドローンに爆弾を搭載して投下したり神風ドローンとして標的に突っ込んでいっている。
そしてウクライナ軍、ロシア軍ともに、標的に突っ込んでくる神風ドローンの攻撃を防御するためにプラスチックやビニールのネット(網)やフェンス(金網)などを戦車や大砲、軍事施設の上に張っている。神風ドローンが標的の戦車や大砲に突っ込んできてもネット(網)にぶつかって戦車などを防衛している。
攻撃ドローンからの防衛用のネット(網)は手作りのものがほとんどだが効果があり、神風ドローンからの攻撃と爆発を防いでいる。ウクライナ市民がボランティアでネット(網)作りを行って戦前に送っているものも多い。だが、全ての神風ドローンの攻撃を防衛できるわけではなく、ネット(網)を突破して戦車や大砲を破壊してしまうことも多い。
ネット(網)での防衛は戦車や大砲などだけではなく、塹壕の上などにも張って防衛をしている。神風ドローンだけでなく小型民生品ドローンからの爆弾投下からの防衛にも貢献している。
▼ウクライナ軍のネット(網)にひっかかり絡まったロシア軍のFPV神風ドローン(2023年8月)
▼木の間に吊るした網のアンチドローン・ネットで榴弾砲を防衛するウクライナ軍(2023年2月)
▼ロシア軍の塹壕に張られたドローンからの爆弾投下対策のプラスチック網(2023年3月)
▼ロシア軍の神風ドローン「Lancet」に破壊された金網のフェンス(2023年4月)
▼ウクライナ軍の戦車の上の木の枝にひっかかったロシア軍の攻撃ドローン(2022年12月)