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無料でも温泉の質は抜群!「一生に一度は入浴したい共同浴場」5選(東北編)

高橋一喜温泉ライター/編集者

温泉街のシンボルともいえる存在が「共同浴場(外湯)」だ。温泉街が形成される端緒となった源泉とともに生まれ、長い歴史をもつ共同浴場も少なくない。

うれしいことに、その多くが源泉かけ流しで泉質がよく、料金も数百円と一般的な入浴料金よりもリーズナブルだ。なかには無料で開放されている外湯もある。

たとえば、予算的に厳しいときは、温泉のついていないリーズナブルな宿(民宿、ビジネスホテルなど)に部屋を確保し、そこを拠点に共同浴場に通ってもいい。また、宿の温泉の質がいまいち(たとえば循環ろ過している)であれば、湯の質が担保されている共同浴場を利用するのも選択肢のひとつだろう。

そこで、今回は温泉好きなら一生に一度は訪ねておきたい、とっておきの共同浴場を東北エリアに絞って紹介したい。

恐山温泉・共同浴場(青森県)

三大霊場のひとつ「恐山」は地獄地帯にあり、温泉が湧いている。境内には薬師の湯、古滝の湯、冷抜の湯、花染の湯の4つの湯小屋が立ち、入山料700円を支払えれば無料で入浴できる。いずれも浴室は木造の湯船があるだけの原始的なつくり。硫黄(硫化水素)の香りを放つ白濁湯がかけ流しにされている。場所柄、厳粛な雰囲気が漂うが、どこか懐かしさも感じる湯小屋である。

下風呂温泉・海峡の湯(青森県)

下北半島の北端、津軽海峡に面した港町の温泉地。「最果ての温泉地」といった雰囲気に旅情を誘われる。おもに3つの源泉があり、いずれも乳白色が美しい濁り湯。どの温泉施設もかけ流しである。かつての2つの共同浴場が統合された「海峡の湯」では、2つの硫黄泉「大湯」と「新湯」を同時に楽しめる。食堂でいただけるあんこうなどの海産物も美味。入浴料金450円。

小野川温泉・尼湯(山形県)

山形県では銀山温泉に外国人観光客が殺到していることがニュースとなっているが、同県には他にも魅力的な温泉地がたくさんある。米沢市の奥座敷として栄えてきた小野川温泉は、地名が小野小町に由来するほど歴史も深い。温泉街の端から端まで5分ほどで歩ける規模だが、旅館や土産物店が並び、湯の街らしい風情が漂う。中心に位置する無人の共同浴場「尼湯」は、アツアツの湯が源泉かけ流し。硫黄(硫化水素)の匂いが香り、塩分のきいたよく温まる湯である。入浴料200円。

飯坂温泉・鯖湖湯(福島県)

福島市内にありながら、松尾芭蕉が『奥の細道』の旅の途中に立ち寄った歴史をもつ。歴史の長い「鯖湖湯」をはじめ共同浴場が充実しているのが魅力である。源泉の温度が高めなので、総じて熱めの湯だが、シャキッと心身が引き締まる感覚が気持ちいい。日本最古の木造建築の共同浴場として親しまれてきた「鯖湖湯」を再現した現在の湯屋は威風堂々としていて、温泉街のシンボルにふさわしい。入浴料200円。

鳴子温泉・滝の湯(宮城県)

鳴子温泉郷は、鳴子を中心に東鳴子、川渡、中山平、鬼首の5つの温泉地で構成される。最もにぎやかなのは鳴子温泉で、そのシンボル的存在が「滝の湯」だ。裏手にある鳴子温泉神社の御神湯として1000年の歴史をもつ古湯で、木樋から豪快に流れ落ちる乳白色の源泉が魅力。総木造の浴室や湯船も、まさに東北の湯治場といった風情で情緒がある。入浴料300円。

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温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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