シャヘド自爆無人機の飛来時に囮用の未知のタイプの無人機が大量に混ざっていることが確実に
ロシア軍の長距離ミサイル・ドローン攻撃に対する迎撃戦闘結果をウクライナ空軍司令部は毎日報告していますが、ドローン(無人機)の表現が10月6日に続いて10月18日にまた変更されています。出典:2024年10月18日ウクライナ空軍司令部
ЗБИТО: (撃墜された)
- 80 ворожих БПЛА (80機の敵性無人機)
撃墜戦果を報告する図の表現が「攻撃無人機」から「敵性無人機」に変わりました。また報告の文章では「シャヘド型の攻撃無人機と未知のタイプの無人機」が飛来したと書かれています。これはつまり、未知のタイプの無人機とは攻撃無人機ではないという意味です。機種名は挙げられていませんが、おそらく囮用無人機のガーベラ(ゲルベラ)の可能性が高いでしょう。
10月5日までウクライナ空軍司令部は撃墜戦果の報告の図で「攻撃無人機シャヘド136/131」と表現してきました。ところが未知のタイプの無人機が混じっていることに気付き、10月6日以降に表現を「攻撃無人機」に変えています。今回さらに「敵性無人機」へと変えたのは、囮用無人機を攻撃無人機の中に混ぜて表現するのは適当ではないと判断されたのでしょう。
ウクライナ空軍司令部の表現の変遷:シャヘドから敵性無人機へ
- ~10月05日:攻撃無人機「シャヘド136/131」
- 10月06日~:攻撃無人機
- 10月18日~:敵性無人機
ЗБИТО:「破壊された」、「撃墜された」
ударних:ударний。「打撃」、「攻撃」。удар(衝突)
ворожих:ворожий。「敵対的」。ворог(敵)
БПЛА:無人航空機(Безпілотний літальний апарат)の略語
ракети:ракета(ラケータ)。「ミサイル」、「ロケット」
Shahed-136/131:シャヘド136およびシャヘド131
8月下旬以降に突如としてシャヘド136自爆無人機の飛来報告数が急激に増大した原因は、今までシャヘドだと思い込んで報告されていた無人機の中に、安い小型の囮用の未知のタイプの無人機が大量に混じっていたことがほぼ確実となっています。
関連記事:シャヘド136自爆無人機以外の新型無人機が大量飛来している可能性が大(2024年10月10日)
参考:未知のタイプの無人機の最有力候補「ガーベラ」
※ガーベラ(ゲルベラ、Гербера)無人機はシャヘド136自爆無人機よりもかなり小さく、機体構造は発泡スチロールと木製合板という簡易な仕様でラジコン飛行機と同じであり、安く大量生産が可能。ただし搭載量が少なく攻撃用途には不向きで、現在まで弾頭付きモデルの残骸や不時着機は発見報告されておらず、囮ないし偵察などの任務を担当している可能性が高い。