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1か月半負けなしの阪神ファーム、首位攻防戦で19連勝なるか!?

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
阪神タイガースの平田勝男ファーム監督。写真は一昨年の鳴尾浜で撮った1枚です。

 7月30日から1か月半、負けなしで重ねた白星が18個。阪神タイガースのファームは、球団記録の10連勝も、リーグ記録の13連勝も、ファーム記録の15連勝も塗り替えて新記録を更新中です。12日の広島戦で勝ち、1軍と比較するのは難しいものの、60年以上前に南海と大毎が記録した18連勝に並びました。

 ここから先は未知の世界ですね。当然、“プロ野球新記録”の19連勝なるか?という期待はありますが、もし止まったとしても18連勝はなかなか達成できない快挙です。それに記録うんぬんより、この1か月半の経験は今後に必ず生きるでしょう。負けられない戦いの日々がどんなふうに選手たちを育てたか、それを1軍で見られるのを楽しみにしています。

 さて連勝記録だけでなく、きょう14日からのソフトバンク戦は大注目!いわゆる首位攻防の3連戦です。現在、ウエスタン・リーグは

   試合 勝-敗-分 勝率 ゲーム差

  神 97 59-32-6 .648 

  ソ 99 61-34-4 .642  0.0

  中 91 46-42-3 .523 11.5

  広 94 32-59-3 .352 27.0

  オ 99 31-66-2 .320 31.0

という成績になっていて、首位の阪神と2位のソフトバンクはゲーム差なし。本当にもうピッタリとくっついてきます。阪神が勝ってもソフトバンクは負けない。連勝すればソフトバンクもきっちり連勝する。これがソフトバンクの底力なんでしょうね。

 以前の記事でも書きましたが、2019年の“攻防”を、もう一度ご紹介します。

 この年、開幕直後から86試合目、8月1日まで首位を守っていた阪神。その翌日から直接対決があり、1戦目に敗れた阪神は首位の座を明け渡しただけでなく、3タテを食らいました。そのあとの中日、オリックスにも負けて、なんと8月1日から15日の間に8連敗してしまったのです。

 一方のソフトバンクは同じ時期に9連勝!それ以降も、差が縮まるどころか開くばかりでした。結局ソフトバンクがそのまま優勝して、阪神は3位でシーズンを終えています。本当に負けなかったですねえ、ソフトバンク。差をつけていても逃げ切れなかったわけですから、今回もまだまだわかりません。

「最後の直接対決、ワクワクだね!」

 なお平田勝男監督は、今回のソフトバンク3連戦について「おもしろいねぇ!俺がプレッシャーかけるにはもってこいで。カープも本当にいい打線で、これだけ勝っていてもソフトバンクとは差がないというか。最後の直接対決なんでね。選手たちがどういう力を見せてくれるか、ワクワクだね。眠れないよ。寝られないよ」と、楽しみで仕方ない様子でした。

 ただし、“これだけ勝っても差がない”との言葉通り、やっぱり脅威ですよね。それから、優勝に向けた最後の直接対決だと振られると「それは言うな」と平田監督。

 「そういうんじゃなく、ファームとはいえ、1軍がこれだけ緊張感のあるゲームを毎日やっているんだもん。そこに加わろうとすれば、ファームでも緊張感のある、それに打ち勝つ選手になっていってね。上はもっともっとしびれる1球、1つのバント、1つのプレー、しびれるところでやっているんで、そういった意味ではいいゲームになると思うよ」

 さらに、20連勝も見えるのでは?との問いに、またまた「そういうことは言うなって」と繰り返しました。続けて「一つ一つの積み重ね。そういう意識は(12日に登板した)尾仲や石井大なんか素晴らしい。こういうところで、どういうパフォーマンスをしてくれるか。それが積み重なって18連勝しているだけで。19連勝、20連勝を目指すなんて、ひとことも言っていない。言わなくても選手たちは分かっているしね」と締めくくっています。

 確かに、一つ一つの積み重ねというのは、おっしゃる通りです。すべて相手を圧倒して勝ったわけでもないし、試合ごとに何かを学んでいった印象でした。そうやって、先制されたりピンチを迎えたりしても、慌てることなく対応できる力も身につけてきたのだと思います。頼もしいですね。

早ければ15日にマジック点灯?

 最後に、平田監督から「またそういうことを言う!」と叱られそうですけど、ちょっと計算してみました。何の計算か?優勝へのマジックナンバーです。ウエスタン・リーグは5チームとも、残り12試合で、それぞれ全チームとの3連戦ずつがあります。しかも今、ゲーム差なしなので、マジック点灯なしで最後までもつれ込むかもしれません。

 それで、阪神だけが26日のオリックス戦で先に日程を終え、他の4チームは30日で終了。つまりソフトバンクの結果待ちという可能性も大きいですね。

 ま、マジックナンバーは数字上のことなので参考までに、そして私の計算が正しければ、という基本的な前置きをしつつ、この直接対決3連戦でどうなるのかを書いてみます。結論から言うと、最短で15日にマジックが点灯する可能性あり、となりました。下の表をご覧ください。○が勝ち、●が負け、△は引き分けです。

  神 ○○ = M8

  ソ ●●

  神 ○△ = M9

  ソ ●△

  神 ●●

  ソ ○○ = M9

 阪神が14日と15日に連勝した場合は15日にマジック8が、1勝1分けの場合はマジック9が点灯します。逆に、ソフトバンクは連勝した時のみ15日にマジック9が点灯する、という計算結果です。とりあえず14日の勝敗だけではまだ何も出ず、15日も上記の3パターンしか点灯はなし、となりました。

 両チームにとって15日に可能性があるマジック9というのは、直接対決分を引いた残り9試合で全勝すれば優勝の数字なので、現実的に点灯しないまま決まることは考えられますね。さて、どうなるのでしょう? まず、きょう14日の初戦は二保旭投手が先発予定です。

   <掲載写真は筆者撮影>

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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