台風27号が週末の沖縄へ接近
台風27号が接近
令和元年(2019年)11月20日9時にフィリピンの東海上で発生した台風27号は、西進して東シナ海に進むと見られていましたが、北上して週末の沖縄県先島諸島を襲う可能性がでてきました(図1)。
台風が発達する目安は、海面水温27度以上の海域ですが、台風27号は27~28度の海域を北西進し、沖縄県先島諸島の南海上に達する21日(木)午後には、暴風域を持つまで発達する見込みです。
その後、台風27号は海面水温が25~27度の海域を北上しますので、東シナ海に入る23日(土)には、台風の風速が弱まり、熱帯低気圧に変わる見込みです。
11月末以降に台風が沖縄地方に接近することは、小笠原諸島と同様に、10年に1個くらいはあります(表)。
沖縄地方と小笠原諸島では、11月下旬から12月も台風シーズンが終わったとはいえません。
筆者が以前調査した11月の台風の統計によると、この海域で発生した台風の多くは西北西に進んでフィリピンを通過し、南シナ海に入ります(図2)。
しかし、統計的に見ても、台風の一部は台湾まで北上しますので、台風27号は、11月として特に珍しいコースを進んでいるわけではありません。
台風27号の北側の風と雨
台風27号の北側では、西日本から東日本に晴天をもたらしている移動性高気圧の南側の風が強い領域があり、強い雨が降っています(図3)。
台風27号がまだ遠くにある段階でも、沖縄地方では雨や風に注意が必要です。
また、台風が熱帯低気圧に変わるといっても、風が弱まるだけで、熱帯から湿った空気を持ち込んでいることにはかわりがありません。
台風27号が持ち込む湿った空気の動向に注意が必要です。
タイトル画像、図1、図3の出典:ウェザーマップ提供。
図2の出典:饒村曜・宮沢清治(昭和55年(1980年))、台風に関する諸統計、研究時報、気象庁。
表の出典:気象庁ホームページ。