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ヤンキースのエースは減額60%以上、ドジャースのエースは減額50%未満。この差はどこから生じた!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)Aug 2, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 APのロナルド・ブラムが、今シーズンのサラリーについて報じた。

 この記事には、金額の多い選手について、実際のトップ10だけでなく、パンデミック前のトップ10――新型コロナウイルスがなければ、こうなるはずだった上位10人――も記載されている。例えば、実際のトップは1780万ドルのマックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)だが、パンデミック前のトップは3580万ドルのマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。

 シャーザーとトラウトを含む9人は、どちらのトップ10にも顔を出している。彼らのパンデミック前後の金額を比べると、ゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)、ノーラン・アレナード(コロラド・ロッキーズ)、ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)、スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)の4人は63%前後の減額だが、シャーザーとクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)の減額は50%前後。残る3人の減額は、50%台後半だ。

 通常の162試合に対し、今シーズンはその37.0%に相当する60試合に短縮されている。選手は予定されていた金額の37%しか受け取れず、63%の減額となる。

 ただ、この割合が当てはまるのは年俸だ。契約金は減額されない。シャーザーもカーショウも、今シーズンが契約1年目というわけではないが、契約金は分割して支払われる。2人とも今年の分があるため、減額の幅は小さくなった。

 なお、カーショウは、シャーザーに次いで多い1630万ドルを受け取る。パンデミック前の金額は、10位の3100万ドルだった。9人のなかで唯一人、カーショウはパンデミック前にもらうはずだった金額の50%以上を手にする。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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