タイガースの新人選手による “ファンミーティング”
8日の午後、大阪市内のホテルで行われた『2015年度阪神タイガース新人選手入団発表会』。そのあと別の部屋に移動して、阪神タイガース公式ファンクラブ・ダイヤモンドプラス会員限定イベント『新人選手ファンミーティング』が開催されました。これはファンクラブ10周年を記念して昨年初めて行われたもので、2度目のことしも抽選で選ばれた25組50人の皆さんがナンバージャージやウル虎ユニホームなどで参加。ほやほやのルーキーたちとのふれあいを楽しまれたようです。
ご挨拶代わりのクジ引き質問
まずはドラフト指名順に1人ずつ登場して壇上に置かれた封筒を1つ取り、中に入った質問に答えるところから始まりました。
1位・横山雄哉投手(新日鐵住金鹿島)への質問は『あなたのご当地自慢を教えてください』。これはもう即答ですね。「自分は山形県出身で、いも煮が有名です。おいしいので、ぜひ食べてください!」。すると会場から「おいしいよね~」という声。横山投手を担当している中尾スカウトでした。
2位・石崎剛投手(新日鐵住金鹿島)は『あなたの人生最大のピンチは?』というような質問内容だったと思います。そこで、社会人2年目の終盤に腰痛が出て3年目はリハビリに費やしたことなどを挙げ「危ない時期もありましたが、それを克服してタイガースに入れた」と、周りへの感謝を含めて答えています。
3位・江越大賀外野手(駒澤大学)が引いた質問は『あなたの好きなタイプの女性は?』。ニコニコしながえら「西内まりやっていう、ほんとにきれいな方で」と答えて、さらに「好きです!」と力強く補足。横山投手、石崎投手がかなりウケていましたね。
4位・守屋功輝投手(Honda鈴鹿)が『あなたのモテ期はいつ?』という質問を引き当て、唯一の既婚者は苦笑いです。じっくり考えたのち「中学校くらいですかね」と答えました。どれくらいモテたのかを聞かれると「1クラスしかなくて、たぶん5~6人くらいから」と。それはなかなかですねえ!会場でも「おお~」と男性陣の声が。
5位・植田海内野手(近江高校)は『あなたの好きな本のタイトルを教えてください』。プロフィールに趣味は読書と書いてあったものの、けっこう考えましたよ。やがて「中学の時に読んだ『ダレン・シャン』です」と答え、続けて「人間がヴァンパイアになっていく話」と内容説明もあり。ここでも他の4人が笑っていました。
ファンの皆さんとQ&A
全員が着席して、今度はファンの皆さんとの質疑応答タイムです。
Q、最初の質問は「タイガースファンについての印象を教えてください」というものでした。ただし、気遣いなしの率直な言葉を!とのこと。
◆横山 「ファンの皆さんは熱いという印象。自分はそういう方が好きです。一緒に盛り上がってください」
◆石崎 「熱い熱い応援団というイメージです」
◆江越 「みんなと同じ印象です。結果がいい時も悪い時も、カツを入れてもらえるよう頑張ります」
◆守屋 「同じく、熱いと思います。同じことを江越さんに言われてしまったんですが…カツ入れてください」
◆植田 「タイガースファンなので、なんか楽しいという感じで(笑)。点が入った時とか楽しそうですね」
Q、座右の銘は何ですか?
◆横山 『強い夢はかなう』 「中学時代の恩師が毎日言ってくれた言葉です。これからも夢の続きを追って頑張ります」
◆石崎 『感謝』 「今まで色んなことがありましたが、周りの人のサポートのおかげでここまで来られたから」 (ちなみに、球団発表の資料では『一球入魂』とも書いています)
◆江越 『フルスイング』 「小さい時からホームランを打つバッターに憧れていたので。フルスイングでホームランを打てるように頑張ります」
◆守屋 『プレーは大胆に、態度は謙虚に』 「高校時代のテーマで、一番好きな言葉です。忘れずに頑張りたい」
◆植田 『完全燃焼』 「完全に燃え尽きるまで頑張りたいと思います」
目指すは1億円プレーヤー!
Q、目指す年俸はどれくらい?
◆横山 「3年で1億円を目指して頑張ります!」と即答して、会場から大きな歓声が。ファンクラブの方以外も拍手をしていましたねえ。
◆石崎 「一流プレーヤーといえば1億円。それを目指していきたい」。これまた拍手です。
◆江越 「僕は、1億円以上を長くもらえるように」という答えに笑いが起きました。また、長くとは何年くらいかと聞かれ「…20年くらい」と答えて大爆笑。
◆守屋 「Hondaでの生涯賃金が3億円くらいだと思うので、3億以上」。へえ~ほお~という反応。
◆植田 「今が500万円なので、倍の1000万円目指していきます」。あら、1年目の年俸も言っちゃった。でも周りにつられず、微笑ましい金額提示ですね。隣の守屋投手はじめ、壇上のみんなが大笑いでした。
「家のローンは任せて」と守屋
Q、ご家族への感謝の言葉を。実はここで井上アナウンサーが「今度は逆に植田選手からいきましょうか」と言ったため、今までと同じ5番目だと思っていた植田選手は「ええー?あああ…」と激しく同様して、また会場中が爆笑の渦。必死で考えて答えました。
◆植田 「お母さんより、おばあちゃんに。いっぱいご飯を食べさせてもらったので」。どう言いますか?「いっぱいご飯を食べさせてくれてありがとう!」
◆守屋 「ありがとうと言いたいです。恩返ししたい。実家が家を建てたばかりで、僕がローンを全部払います」。おお~という感嘆の声が。
◆江越 「両親とも足が速かったので、その足を僕も生かしたい」。ご両親は陸上か何かやっておられた?「母は…たぶん陸上」。お母さんが陸上、お父さんはバレーボールですよ。
◆石崎 「実はきょう、父と伯母が来てくれています。24年間ありがとう。まだまだ人生は長いので、これからもよろしくお願いします」。おふたりとも感激の面持ちでした。
◆横山 「本当にありがとうと言いたいです。離れて暮らすので、プレーで恩返しをしたい」
横山「新人王を獲る!」
最後に、ヒーローインタビューを受ける練習というわけで、アナウンサーが「放送席、放送席、きょうのヒーローは○○選手です!おめでとうございます」とマイクを向けられた選手は「ありがとうございます」と答えたあと「ファンの皆さんへ“約束”をしてください」との振りで、次のように答えました。
◆横山 「絶対に来年、新人王を獲ります!」と大きな声で宣言して、もちろん大喝采。
◆石崎 「必ず1軍で登板して、皆さんの喜ぶ姿を自分の目に焼きつけたいと思います!」
◆江越 「必ず甲子園で、自分のフルスイングでホームランを打ちたいと思います」
◆守屋 「きょう入団発表をしたので、この日を忘れず、初心に帰って頑張ります」
◆植田 「早く1軍に上がって甲子園で走りま…走り回ります!」
植田選手、張り切っていたのに最後で噛んじゃいましたねえ。でも5人それぞれ活躍を誓う言葉を聞けて、ファンの皆さんから大きな拍手と声援が飛んだのは言うまでもありません。
そのあとは会場一体となって『六甲おろし』の大合唱。守屋投手と植田選手あたりはしっかり歌えていましたね。続いて記念撮影が行われ、まず参加されたファンクラブ会員のペア1組ごとに5選手と、さらに全員での集合写真も撮って終了です。帰りに選手が皆さんをお見送りしてお開きとなりました。
喜びと、遠くなる寂しさも…
最後に少し、こぼれ話も書いておきます。出席された方すべては把握できていませんので、抜けていたらすみません。
横山投手は父・康則さん、母・昌子さんが出席されました。入団会見では家族とともに記念撮影の時間があって、お父さんのカメラをお預かりした私は張り切って構えたものの、なぜかシャッターがおりず…撮影時間を大幅に延ばしてしまいました。ごめんなさい!プロの方がバッチリ撮っておられたので大丈夫ですね。またドラフト1位ということもあり、入団会見でもファンミーティングでも質問はすべて横山投手から(1つだけ逆もあり)でした。一番年上ではないけれど、常に落ち着いた回答ぶり。さすがです。
石崎投手のところは父・静夫さんと、伯母・葛岡(くずおか)陽子さんが来られました。伯母さんはユニホーム姿を見て「カッコイイですねえ」と。そして「本当はおじちゃん(ご主人)も、よく面倒をみていたから一緒に来たかったんですけど」と少し残念そうでした。また、ファンミーティングで石崎投手から感謝の言葉をもらって、思わず目頭を押さえていらっしゃった伯母さん。小さい時から我が子のように世話をしてこられたんですもんね。これから、もっともっと孝行してくれるでしょう。
甲子園でホームラン!とファンの皆さんに約束した江越選手。大学1年の春季リーグ開幕戦で放った初ヒットがバックスクリーンへの1発だったそうですね。7日に甲子園球場を見学したあとで、バックスクリーンへ放り込みたい?と聞かれて「けっこう距離ありますよね。150メートルくらいですか?…台風の時にでも」と笑っていました。いやいや、150メートルはないでしょう。期待していますよ。さっきも書きましたが、バレーボールをされていた父・和明さんと、陸上選手だった母・照江さんがご出席。
守屋投手は父・靖彦さん、母・明恵さん、そして妻・紗也さんも出席。奥様は壇上のご主人を眩しそうにご覧になっていました。もちろん写真撮影もしっかり。先日の施設見学会後に「最初は寮に入ります」と宣言した守屋投手。期間は未定だそうで、寂しいかと聞かれ「いや、でも野球をしに来たので、そこはもう」と言っていました。入寮したら紗也さんも実家へ戻り、しばらくは離れ離れの生活。一日も早く一緒に暮らせるといいですね。
植田選手のところは父・純弘さん、母・美奈子さん、祖母・東浜(ありはま)美智子さん、それに近江高校の教諭で広報も担当されている貝塚淳子先生もお見えでした。貝塚先生は「うちのユニホームがブルーなので」と白地のタテジマに慣れない様子です。取材陣に囲まれる植田選手を見て
「何か、すごく遠くなってしまったな~と感じますね。普段は同じ学校の中にいる子なのに…」
と少し寂しげにおっしゃいました。それから「じっくり頑張ってほしいと思います。焦らずに、いい環境の中で体を作って、息の長い選手になってもらいたいです」と。先生も植田選手の元気な姿を見に、また鳴尾浜へいらしてください。お母さんは「可能な限り行きます!」と張り切っておられますので。