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沖縄本島ダム貯水率 過去10年で最低 少雨の影響

崎濱綾子気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ
那覇市国際通り(筆者撮影)

沖縄はダムの貯水率が低下

 沖縄では、昨年から続く少雨の影響でダムの貯水率が低下しています。沖縄県内の11ダムの合計貯水率は、1月21日午前0時現在で57%となっており、平年値よりも21.6ポイント低く、現在の11ダムとなって以降、1月21日時点では過去最低の値となっています。

少雨の影響

2023年の旬別降水量の地域平均平年比の推移(沖縄気象台HPより加工)
2023年の旬別降水量の地域平均平年比の推移(沖縄気象台HPより加工)

 この時期のダムの貯水率は、2023年の降水量が重要になってきます。2023年の沖縄地方の天候を振り返ってみますと、沖縄地方の年間の降水量の地域平均平年比は88%と少なくなりました。秋(9月から11月)以降も降水量の地域平均平年比は55%となり、統計開始以降5番目に少なくなりました。(5位タイ)

 一方、8月は台風6号の影響を長く受けたこともあり月降水量の地域平均平年比は216%でかなり多く、統計開始以降最も多くなりました。

2023年の台風の発生数と接近数(沖縄気象台HPより加工)
2023年の台風の発生数と接近数(沖縄気象台HPより加工)

 2023年の台風の年間発生数は17個で少なく(平年は25.1個)、9月以降の発生数は5個(平年値11.6個)となり、1951年の統計開始以降最も少なくなりました。沖縄県への台風の年間接近数は6個でした。(平年は7.7個)

(※端数処理により、各月の平年値の合計と年間の平年値とは必ずしも一致しません。)

沖縄の雨の時期

 沖縄の年間の主な雨の時期は梅雨シーズンと台風シーズンとなっています。那覇を例にみてみますと、那覇の年降水量の平年値は2161.0ミリで、月降水量が多い240ミリ以上の月は、5月と6月、そして8月と9月となっています。 

沖縄の水事情

 沖縄本島の用水供給は、国管理ダムから約70%を取水できるものの、本州と比べると大きな河川がなく、雨が降ってもすぐに海へと流れてしまいます。小雨傾向が続くと河川からの取水が減ってきます。

 1972年の本土復帰当時、毎年のように給水制限が行われ、1981~82年にかけては全国最長の326日の制限給水日数を記録しました。沖縄では、私の家もそうですが、屋上の貯水タンクで水を貯める家庭が多くありました。

 現在はダムの数も増えていき、1994年以降は、沖縄本島では給水制限を行っておりません。ただ、今回の貯水率低下は異例で、沖縄総合事務局や県、沖縄気象台などでつくる沖縄渇水対策連絡協議会の臨時会が1月16日に開かれ、節水を呼び掛けました。

今後の雨の見通し

 1月18日発表の1カ月予報によりますと、2月19日にかけて沖縄地方は降水量はほぼ平年並みの予想となっています。低気圧や前線を受けにくい時期がある見通しです。まとまった雨量は期待出来ない可能性があるため、節水への意識が大切です。

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参考:沖縄県HP、沖縄気象台HPより

気象解説者/気象予報士/防災士/ウェザーマップ

Yahoo!ニュースエキスパート。沖縄生まれ沖縄育ち。お天気キャスター中に本格的に気象予報士資格を取得したいと思い、2005年に沖縄初の女性気象予報士になる。TBS系列『RBC THE NEWS』(月~金)に2016年3月まで出演し上京。日々の番組内での天気解説や報道取材を通して見えてきたもの、天気の移り変わりを綴る。沖縄の観光大使「ミスはごろも」として沖縄観光PR活動も1年間経験。夢は沖縄の天気に関する本を出すこと。趣味は御朱印集めなど。

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