【大津市】滋賀県民1000人対象の気候変動に関する意識調査アンケート結果とそこから見えるもの
こんにちは、Sariです!毎日異常な暑さですね。皆さんはこの気候についてどう感じていますか?
先日、滋賀県庁でグリーンピースジャパンさんが行った「滋賀県民1000人対象の気候変動に関する意識調査結果発表」の記者会見に出席してきました。
興味深い結果が分かりましたので、お伝えしていきたいと思います。
意識調査について
調査は2024年7月4日(木)〜 2024年7月9日(水)の間で行われました。
グリーンピースジャパンさんが楽天インサイト株式会社に委託し、オンラインで実施されたものです。
滋賀県在住の1000人を対象に18~79歳男女で概ね10代刻みで結果を集計しました。
(グリーンピースジャパンさんの許可を得て資料を添付しています)
地球温暖化・気候変動の影響については、約85%の人が「心配」と答えました。日本でも昨今の夏のこの異常な暑さや災害などを経験するようになり、関心は高まっているといえます。
地球温暖化・気候変動の影響について「関心をもって自分から調べたり取り組んでいる」人は2割、また「機会があれば読んだり聞いたりしてみたい」と答えた人は5割いて、機会の提供が大事だと思いました。
滋賀県で現れている気候変動・温暖化の影響の中で特に何に影響を感じているかという問いには、7月の調査だったこともあり熱中症や感染症が一番多く、次いで水不足、野菜や果物の収穫量でした。生活に密着する場面に影響を感じているのが分かりました。
滋賀県で起きているそういった気候変動・温暖化の影響について、53%の人が「残念・心配でなんとかできたらと思う」と回答する一方、35%の人は「残念・心配だが仕方がないと思う」と答え、10%の人は「特に何も感じない」と答えています。気候変動・温暖化を自分ごとにしておらず、あきらめたり関心がなかったりする人が半分いることに危機感や課題を感じました。
滋賀県の気候変動・温暖化を抑えるための政策実施については、「優先順位を上げて取り組んで欲しい」と応えた方が半数を超えました。なんとかして欲しいと思っている人は多いと言えます。いっぽう、3割の人が「分からない」と政治に無関心なのも気になりました。
気候変動・温暖化に対する緩和政策(気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量を減らす政策)で進めて欲しいものとしては、「地域や自然と調和する再生可能エネルギー」「コスト減・快適性向上につながる省エネ」「使い捨てを減らし資源循環型の経済」といったイメージしやすいものに回答が集まりました。
いっぽうで適応政策(すでに生じている、あるいは将来予測される気候変動の影響による被害を避けたり減らしたりする政策)について進めて欲しいものとしては、「風水害への備えへの援助や被災した際の救済拡充」がトップにあげられ、全国各地で被災を目の当たりにしていることから連想しやすかったのではと思いました。
温暖化に対して、具体的な取り組みをしている人は全体の1割で、残りの人は「考えたことはあってもどうすればいいかわからない」や「考えたことはない」という回答でした。やはり機会や情報の提供、意識付けが重要だと分かる結果だと思いました。
最後の2問は滋賀県が誇る文化についての質問でした。
皆さんは「琵琶湖システム」をご存知でしょうか?
【琵琶湖システムとは?】
伝統的な知識を受け継ぐ、「琵琶湖と共生する農林水産業」のことで、千年以上の歴史をもちます。「森・里・湖に育まれる漁業と農業が織りなす『琵琶湖システム』」として、2019年2月に「日本農業遺産」に認定され、2022年に、「世界農業遺産」としてFAO(国連食糧農業機関)に認定されました。
そんな滋賀県が世界に誇る「琵琶湖システム」ですが、滋賀県民の実に半数が聞いたことがないと答えました。
また、琵琶湖の伝統的な漁法である「えり漁」が1000年以上前から続いているということも、7割以上の滋賀県民が知らなかったと答えました。
自然環境に関心をもつことが、環境保全、しいては温暖化防止や気候変動の抑止につながるのではと感じました。
この記者会見を通じて、グリーンピースジャパンのプロジェクトマネージャー高田久代さんは、
「滋賀県は環境先進国と言われているが、今回の調査で『温暖化について自分にできることは何か考えたことはあるが、どうしていいか分からない』と答えた人が60%以上いることに、ギャップを感じた。そこに滋賀県が気候変動に取り組むヒントがあると思う。個人が実践でき、大きな変化につながるような具体的な対策についての情報発信が望まれる。琵琶湖システムという素晴らしいモデルが全国的に温暖化防止のヒントになればと思う。」
と述べられました。
会見の最後に、来月8月10日(土)11日(日)に浜大津の旧大津公会堂で開かれるグリーンピースジャパン主催のイベント「HELP展 30年後には消えてしまうかもしれない」(滋賀巡回展)の説明がありました。
HELP展 30年後には消えてしまうかもしれない(滋賀巡回展)
主に気候変動が原因で30年後に日本から失われてしまうことが予想される生物や文化の中からいくつかのテーマをピックアップし、ぬいぐるみ作家・片岡メリヤス氏、八劔神社宮司・宮坂清氏、料理研究家・土井善晴氏などの多様な作家、文化人たちとコラボレーションした企画です。
日本に迫る気候危機を五感で「感じられる」作品展示で、東京での来場者は750人を超え、多数のメディアに取り上げられるなど大きな反響を呼んだそうです。
また、滋賀巡回展だけのプログラムとして、琵琶湖と気候変動をテーマにしたトークイベントと、滋賀県の新聞部の学生による「琵琶湖と気候変動」をテーマにした新聞記事の発表が予定されています。
詳しい告知記事を先日書いていますので、ぜひそちらもご覧ください。
まとめ
日本人は国民性として、起こる事象に対して我慢や受容する人が多いとも言われます。今回の意識調査の結果でも、温暖化や気候変動に対して受け身であったり何をしていいか分からなかったりといった人が多かったのが印象的でした。気候変動は個人が意識的に行動を変えていかないと解決しないと思います。情報の提供、機会の提供が必要だと強く思いますし、私も微力ながら発信する立場として責任を感じ、機会の提供をして貢献していきたいと決意を新たにしました。
HELP展、ぜひ多くの方に来場していただきたいと思います。