【大津市】30年後存続の危機となるかもしれない生物や自然をアートで表現する展示が滋賀でも巡回展を開催
こんにちは、Sariです！今回はイベント告知です。
8月10日(土）11日(日）に大津市浜大津の旧大津公会堂にて、「HELP展 30年後には消えてしまうかもしれない」(滋賀巡回展）が開催されます。
国際環境NGOグリーンピース‧ジャパンさん主催の、日本における気候変動の影響をアートで感じる展覧会で、昨年11月に東京で開催されたものの巡回展となります。入場は無料です。
【気候変動とは？】
地球温暖化によってこれまで経験してきた気象パターンとは異なる、いわゆる「異常気象」が増加する現象のこと（参考：朝日新聞デジタル）
HELP展プログラム
今回のイベントの内容は、主に気候変動が原因で30年後に日本から失われてしまうことが予想される生物や文化の中からいくつかのテーマをピックアップし、ぬいぐるみ作家・片岡メリヤス氏、八劔神社宮司・宮坂清氏、料理研究家・土井善晴氏などの多様な作家、文化人たちとコラボレーションして、日本に迫る気候危機を五感で「感じられる」作品展示となっています。また滋賀巡回展だけのプログラムもあります。
ひとつずつご紹介していきますね。
動物からのHELP
現在、人間の活動が原因で生物の多様性が急スピードで失われているといいます。
今回の展示では、そんな消えゆく動物たちの姿を片岡メリヤス氏が本展示会のために制作したぬいぐるみを通して紹介します。また、今回の展示のぬいぐるみは購入可能作品となるそう。来場すると購入の申し込みができるとのことです。(巡回展が終了する10月中旬頃に抽選)
【ぬいぐるみ作家 片岡メリヤス】
2011年から活動を開始。ぬいぐるみ作品を中心に、動くおもちゃ、光るおもちゃなど、飾るだけではなく遊べて愛のあるぬいぐるみを制作する。 また自ら脚本出演も行うオリジナルの人形劇を各地で上演しているほか、漫画やドローイング、木工・粘土など様々な作品を手がける。 ぬいぐるみ・人形劇共に、異ジャンルのアーティストとのコラボレーションや、広告への作品提供など幅広く活動中。
寿司からのHELP
30年後の寿司はすっかり姿を変えているかもしれない･･･乱獲や、魚介類の生息地の環境破壊、海水温の上昇や海洋酸性化などが原因で、世界の海の生き物は今危険にさらされています。養殖にも課題は多く、寿司を未来に残すには多くの知恵と大胆な取り組みが必要といいます。
こちらの展示では、無くなる可能性に応じて透明度を変化させた樹脂オブジェの寿司を作成。私たちの日常生活に現れるであろう、気候変動の影響を直感的に感じられる内容となっています。
【クリエイティブユニット HAKUA (はくあ)】
2021年、京都・白亜荘を拠点に活動するクリエイター五人によって結成されたクリエイティブユニット。手法にとらわれることなく、アートとテクノロジーの境界を右往左往しながら、これまでにない体験を作り上げようと日々模索している。
HELP展クリエイティブディレクター：宮園夕加
諏訪湖 御渡りからのHELP
長野県にある諏訪湖は、かつては冬になると湖面が厚く結氷し、気温差によって地響きのような轟音とともに氷の亀裂がせりあがって長く走る「御渡り」と呼ばれる自然現象が毎年のように起きていました。神様が通ったあととして知られ、心待ちにされる御渡りですが、近年は発生が減少しているといいます。
こちらの展示では、御渡りの神事を司る八劔神社の宮司宮坂清氏の言葉と、1683年から脈々と綴られた御渡りの記録を上映します。動画は2024年2月バンコクで開催されたCCCL映画祭で最高賞を受賞したそうです。会場では東京で行われたトークイベントの模様も見ることができます。
動画はyoutubeがありますので以下にご紹介します。
昆布からのHELP
（youtube動画）
北海道大学の学術研究で、日本周辺では2090年代までに寒帯コンブ11種のうち6種が絶滅する可能性があると予測されたそうです。出汁として古くから親しまれ、日本の食文化を育んできた昆布がなくなることは、日本の食文化、さらには日本人の精神性にまで影響を与えるのではないでしょうか。
こちらの展示では、そんな疑問を料理研究家の土井善晴さんに投げかけ、お話を伺ったインタビュー動画を見ることが出来ます。
【土井善晴さん】
十文字学園女子大学招聘教授 東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。 スイス・フランスでフランス料理、大阪味吉兆で日本料理を修行。土井勝料理学校教授として勤務後おいしいもの研究所を設立し独立 人が生きていく上で最も大切な食事として「食事学」「料理学」を広く指導、和食の観念から「一汁一菜」を提唱している NHK『きょうの料理』ギネス記録料理番組を1987年より講師継続 2022年度文化庁長官表彰受賞 功績概要「日常の食事は、ご飯と具だくさんの味噌汁で充分」との提案により、多忙な現代人であっても気軽に日本の食文化の豊かさや楽しみに触れられるきっかけを作ったこと及び国外での交流活動等を通じて、我が国の食文化の振興・発信に多大な貢献をした。
トークイベント
滋賀県巡回展のオリジナル企画として、8月11日(日)14:00 - 15:30に旧大津公会堂3Fホールで琵琶湖と気候変動をテーマにしたトークイベントが開催されます。
登壇するのは京都大学生態学研究センター長中野伸一氏、琵琶湖の伝統漁法えり漁漁師駒井 健也氏、ラオス料理人小松 聖児氏、立命館大学学生尾下望氏。
身近な琵琶湖を通して感じる気候変動についてためになるお話が聞けそうです。
滋賀の高校新聞部とのコラボレーション
もうひとつの滋賀県巡回展のオリジナル企画として、虎姫高校、東大津高校、八幡工業高校の3校の新聞部の学生による「琵琶湖と気候変動」をテーマにした新聞記事の発表が予定されています。グリーンピースジャパンさんによる事前オリエンテーションの開催や取材サポートなどが行われます。「地元の未来を担う若者の視点から気候変動を捉え伝えることで、より多くの方に気候変動を身近に考える機会を提供できればと考えています。」（グリーンピースジャパンさん）
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
世界55以上の国と地域で活動し、国内だけでは解決が難しい地球規模で起こる環境問題に、グローバルで連携して解決を目指す国際環境NGOグリーンピース。オランダ・アムステルダムに本部を置く同団体の日本支部として、1989年にグリーンピース・ジャパンは誕生した。政府や政党、企業から資金援助を受けない独立型のNGO団体として、科学的知見に基づいて、様々な立場の人と協力して活動することを大切に、全世界300万人以上のサポーターとともに地球環境を守るために行動している。
公式サイト：https://www.greenpeace.org/japan/
まとめ
環境問題に精力的に取り組んでいるグリーンピースジャパンさんの、アートを切り口にした展示会。東京での来場者は750人を超え、多数のメディアに取り上げられるなど大きな反響を呼んだそうです。そんな展示会が滋賀に巡回展として開催されることは嬉しいですね。どれも興味深い展示ばかりであるし、滋賀巡回展だけのオリジナル企画もあり、とても見応えのあるイベントとなりそうです。
以下に情報をまとめます。ぜひ皆さんも足を運んでみてください！
