熱帯低気圧周辺の暖湿気が流入か 西日本の太平洋側で大雨危険度急上昇のおそれ
低圧部が熱帯低気圧へ
タイトル画像の赤い丸の中をご覧下さい。
日本の南からフィリピンの東にかけて大きくまとまった雲域が広がっており、所々に活発な積乱雲が含まれています。
気象庁が発表したきょう15日(木)午後3時の実況天気図によると、この雲域のうち南側のフィリピンの東で低圧部が発生しており、この低圧部はあさって17日(土)午前9時には沖縄の南方海上で熱帯低気圧に変わる予想です。
ここで低圧部とは循環は認められるものの中心位置がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、その中心位置がハッキリとすれば熱帯低気圧に名前が変わり、熱帯低気圧が発達すれば台風となります。
ちなみに赤い丸の中の北側、日本の南に連なっている雲域は太平洋高気圧の縁辺にある湿った空気に伴う活発な雨雲が主体です。
熱帯低気圧周辺の暖湿気が九州へ
週末にかけて、東日本や北日本では太平洋高気圧の勢力が強まるため、関東甲信や東海、東北地方で続々と梅雨明けの発表があるでしょう。
その一方で、非常に危険な形となるのが西日本の太平洋側、特に宮崎県周辺です。
上図のように太平洋高気圧の勢力が一歩及ばず、この縁辺をまわるように南から湿った空気が流れ込み、さらに上述した通り、今後発生が予想される熱帯低気圧周辺の湿った空気も一緒に流れ込む予想です。
さらに今週各地に非常に不安定な天気をもたらしている上空の寒気が西へ進み、九州付近に留まるため、湿った空気の吹き付ける九州の南東側、つまり宮崎県周辺でよりいっそう雨雲の発達する気象条件が揃ってしまうことになります。
宮崎県を中心に長丁場の大雨に
雨雲の予想をみると、あす16日(金)には、四国や九州の南東部で雨が降り出し、局地的には雷を伴って、激しい降りとなる所が出てくるでしょう。
そしてこの同じような状態があさって17日(土)から18日(日)にかけても長い時間続いてしまうおそれがあり、雨雲の発達次第では、かなりの総雨量となるおそれがあります。そうなれば大雨の危険度が一気に上昇することになるでしょう。
最大降水量予想
コンピュータが予想しているあす16日(金)正午~あさって17日(土)正午までの24時間の最大降水量は、高知県や宮崎県を中心に約200ミリ~300ミリが計算されています。
この最大降水量というのは、雨雲が強まる方向へ舵を切った場合の最大の予想雨量と言えるのですが、雨雲の発達次第では、この最大降水量をはるかに上回るような大雨となることが多々あり、過去に何度も経験しています。
今回がそうなるとはもちろん断定的には言えませんが、熱帯低気圧由来の暖湿気や上空の寒気が悪さをし、その状況が長時間変わらないことを考えれば、大雨の危険度がかなり高くなることは間違いないでしょう。
きょう15日(木)夕方に、気象庁から発表された大雨情報によると、あす16日(金)18時までの予想雨量は、四国で最大200ミリ、九州で最大120ミリなどと予想されており、このあと週末にかけて、さらに増えることは間違いないと思います。
今後も気象庁から発表される気象情報や自治体から発表される避難情報に注意するとともに、仮に避難情報が発表されていない状況でも、周囲に危険を感じるような場合は、早め早めの避難を心がけていただきたいと思います。