Yahoo!ニュース

久保建英のヘタフェでの挑戦。ビジャレアルの日々と、新天地で問われる真価。

森田泰史スポーツライター
ヘタフェに移籍した久保(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

久保建英の冒険は終わらない。

久保が再び欧州への移籍を果たしてから、1年半が経過しようとしている。2019年夏にレアル・マドリーが久保の獲得に動いた時、驚いた者は少なくなかっただろう。

当初はカスティージャ(Bチーム)との契約だった。だがトップチームのプレシーズンに帯同すると、状況が一変する。リーガエスパニョーラ1部の複数クラブが関心を示したのだ。最終的にはマジョルカが久保を射止めた。

画像制作:Yahoo!JAPAN
画像制作:Yahoo!JAPAN

■久保の評価

マジョルカでの1シーズンは、久保の評価をさらに高めた。

次に久保を確保したのはビジャレアルだった。カンテラ(育成組織)を大事にする、若手育成に定評があるクラブだ。再度、1年のレンタルで久保の移籍が決定した。

ビジャレアルでプレーした久保
ビジャレアルでプレーした久保写真:ムツ・カワモリ/アフロ

■ビジャレアルでの日々

だが久保はビジャレアルで期待していたようなプレータイムを得られなかった。ヨーロッパリーグでスタメンに名を連ねる一方で、リーガではベンチスタートが続いた。

その間、ジェレミ・ピノ、フェル・ニーニョ、アレックス・バエナが活躍。彼らがウナイ・エメリ監督の信頼を勝ち取った。

久保がビジャレアルで順風満帆な日々を送ったとは言い難い。エメリ監督の起用法への批判もあったが、久保の守備面でのウィークポイントや得点力不足という課題が出たのも確かだった。

ヘタフェでデビューした久保
ヘタフェでデビューした久保写真:なかしまだいすけ/アフロ

■問われる真価

ビジャレアルへのレンタルは半年で打ち切られた。

新天地はヘタフェになった。ホセ・ボルダラス監督のチームはリーガ屈指の守備力を誇る。リーガで言えば、シメオネ・アトレティコとボルダラス・ヘタフェは高いプレー強度とハードワークを厭わない組織をベースに勝利を求める象徴的存在だ。

そのヘタフェで、久保はデビュー戦から躍動した。2ゴールに絡むパフォーマンスは流石だった。

ただ、真価が問われるのはこれからだ。まだ見ぬ冒険の先に、待つのは光か、それともーー。標のない航海は、続いていく。

スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

誰かに話したくなるサッカー戦術分析

税込550円/月初月無料投稿頻度:月3回程度(不定期)

リーガエスパニョーラは「戦術の宝庫」。ここだけ押さえておけば、大丈夫だと言えるほどに。戦術はサッカーにおいて一要素に過ぎないかもしれませんが、選手交代をきっかけに試合が大きく動くことや、監督の采配で劣勢だったチームが逆転することもあります。なぜそうなったのか。そのファクターを分析し、解説するというのが基本コンセプト。これを知れば、日本代表や応援しているチームのサッカー観戦が、100倍楽しくなります。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

森田泰史の最近の記事