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住宅ローンの選択、金利に加え保障内容も検討したい #専門家のまとめ

山本久美子住宅ジャーナリスト
住宅ローンの選択は慎重に(写真:アフロ)

日銀の利上げの時期に注目が集まっている。日銀の利上げは、多くの人が借りる住宅ローンの変動型の金利を押し上げる。一方で、金融機関は低金利競争で体力を奪われ、団体信用生命保険(以下、団信)の特約などを充実させる動きも見られる。加えて、最近は返済期間が35年を超える超長期の住宅ローンを利用する若い世代も増えている。長期間返済し続ける住宅ローンを選ぶ際には、金利に加えて、返済中の保障内容についても検討しておきたい。

ココがポイント

ローン契約者が返済できなくなった場合の保障など、(中略)各行の戦略が多様化してきた
出典:時事通信 2025/1/6(月)

住宅購入後の最大の後悔は「団信の特約」だった
出典:東洋経済オンライン 2024/12/31(火)

ペアローン団信で免除される「自分自身のローン残債額」は課税対象になる
出典:プレジデントオンライン 2025/1/4(土)

エキスパートの補足・見解

住宅ローンを借りる際には団信の加入が前提となる。健康上の理由で団信に加入できないと、住宅ローンを借りられない金融機関が多い。団信によって、死亡または高度障害の場合、保険金で残りの住宅ローンが返済される。

死亡または高度障害の場合にしか団信が適用されないので、日本人の罹患率の高いがん団信や三大疾病、5つの生活習慣病を加えた八大疾病などの特約が多く利用されるようになり、特約の種類が増えていった。ただし原則として、特約などで保証を拡大させれば、保険料としての上乗せ金利も増えていく。

ペアローンの利用が増えていることから、それぞれが自身のローンで団信に加入する従来型のほかに、どちらかが団信の適用を受ける場合に二人分の住宅ローンの残高が完済される「ペア連生団信」も登場した。ただし、3本目の記事にある通り、相手方に加えて自身のローンにも保険金が充当された場合は、一時所得として扱われ、課税対象になるといった注意点もある。

ほかにも、団信の特約は後付けしたり途中で外したりできないこと、住宅ローンの完済時点で団信の保障もなくなることなどの注意点があるので、長期的な返済プランとリスクをよく考えて選びたい。

住宅ジャーナリスト

早稲田大学卒業。リクルートにて、「週刊住宅情報」「都心に住む」などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナーなどの講演にて活躍中。「SUUMOジャーナル」「東洋経済オンライン」「ビジネスジャーナル」などのサイトで連載記事を執筆。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナー等の資格を持つ。江戸文化(歌舞伎・落語・浮世絵)をこよなく愛する。

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