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推しメン選手か、応援美女か。ヘビーorライトユーザーの違いとは?韓国の場合

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
チアリーダーと観客たち(写真提供:SPORTS KOREA)

週末になると全国各地でさまざまなスポーツ・イベントが行われる。Jリーグにプロ野球・交流戦に男女プロゴルフなどプロスポーツの試合が目白押しだ。

韓国でも週末はさまざまなプロスポーツの試合が行われる。バスケやバレーボールはシーズンオフ中なので今週は開催されないが、KBO(韓国プロ野球)、Kリーグ(韓国プロサッカー)、KBL(韓国男子プロバスケ)、WKBL(韓国女子プロバスケ)、Vリーグ(男女プロバレーボール)、KPGAにKLPGA(男女プロゴルフ)などが混在し“プロスポーツ乱立国”とも言われているほどだ。

もっとも多かったのは「好きな選手を見たいから!!」

そんな韓国プロスポーツに関する興味深い統計データがある。韓国プロスポーツ協会が最近発表した『プロスポーツ観覧客性向調査』というものだ。

2015年に設立された韓国プロスポーツ協会は、韓国野球委員会、韓国プロサッカー連盟、韓国バスケットボール連盟、韓国女子バスケットボール連盟、韓国バレーボール連盟、韓国プロゴルフ連盟、韓国女子プロゴルフ連盟などの7団体が参加する社団法人で、そこが行政機関の文化観光部(日本の文部科学省にあたる)から後援を受けて実施・制作した調査報告書なのだが、その中に興味深い項目がある。

「あなたが試合会場を訪問する理由はなんですか?」という設問なのだが、もっとも多かったのは「好きな選手のプレーを観覧するため」(84.1点)だった。

人気チアの応援パフォーマンスにも引き寄せられる?

また、2位には「現場で応援するのが面白いから」(82.6点)という理由もうなずけた。

韓国ではプロ野球はもちろん、KBLやVリーグでも専属チア軍団がいて場内の雰囲気を盛り上げるが、それがスポーツ観戦の楽しみであり醍醐味にもなっているのだろう。

(参考記事:“現役女子高生”に“完璧ボディ女神”も!! 「韓国美女チアリーダーTOP10」を一挙紹介!!【PHOTO】

また、プロ野球やKリーグの試合会場でカメラに捉えられた「応援美女」たちが、メディアやネットで話題になることも多い。プロスポーツではないが、4年に1度のサッカー・ワールドカップの際には「サッカー応援美女」たちが芸能人並みに話題となり、そのまま芸能界デビューするケースも少なくない。

ちょっぴり残念だったのは、上記2つに10ポイント以上の差を付けられて「わが町・わが地域を代表するチームだから」(67.1点)ということが挙げられていた点だ。

プロ野球、Kリーグ、KBLにVリーグなど韓国プロスポーツのすべてのチームが本拠地を構えている。ソウルや釜山、仁川や大邱といった都市部になると野球、サッカー、バスケ、バレーの4大プロスポーツが混在するところも多いが、ホームタウン愛よりスター選手愛のほうが観客を試合会場に引き寄せているのかと思うと、やや複雑な気持ちにもなる。

昨年のロシア・ワールドカップとアジア大会以降、Kリーグ人気が盛り上がったが、その人気の中心にあったのもスター選手だった。

ヘビーユーザーとライトユーザーの違いとは?

ちなみにこのアンケート結果は“ヘビーユーザー”と定義づけられた人たちの回答をもとにしたもの。

韓国プロスポーツ協会は2018年9月から12月までの間に、プロスポーツの試合会場に足を運んだ計3万2171人と、男女プロゴルフ計8試合の試合会場のギャラリー2434人を対象に調査したらしく、そのうちホーム・アウェーにかかわらずシーズン中に10回以上は現場に足を運んだりテレビ中継を視聴する人々を“ヘビーユーザー”と定めたという。

“ヘビーユーザー”は贔屓の選手・チームに関する情報入手にも積極的で、「インターネット・ポータルサイト」(43.2%)、「クラブ・ホームページ」(42.1%)、「SNS」(28.9%)といったオンラインを頻繁に活用しているという結果もわかったらしい。

また、シーズン中に試合会場に行くのは1回程度で試合中継はほとんど見ないということから“ライトユーザー”と定義づけた層の統計も発表されている。

それによると、“ライトユーザー”の多くが「知人からの誘いで」(61.7点)試合会場に足を運ぶらしい。情報入手も「家族もしくは知人・友人から」(45.7%)がもっとも多かったという。

そして、この“ライトユーザー”たちが試合会場を訪ねる理由でも、「わが街・わが地域を代表するチームだから」(49.0点)が「応援するのが楽しくて」(49.9点)より少なかった。

いずれにしても、韓国プロスポーツ協会はこうしたデータをもとに、“ライトユーザー”たちを“ヘビーユーザー”にする工夫を各プロ団体やプロクラブに期待して求めているという。

ヘビーユーザーたちが増え、地域の代表として愛され支持される韓国ナンバーワンのプロスポーツになるのは、野球かサッカーか、それともバスケかバレーボールか。いずれにしても、今日もプロスポーツで盛り上がる週末になりそうだ。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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