Yahoo!ニュース

【土浦市】毎日汲んできて毎日手作り。土浦藩主も愛飲した井戸水で作る「照井の水ようかん」がおいしすぎる

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

以前、記事でご紹介したことのある「照井の井戸」

350年以上もの間、日照りにも負けず、一度も衰えることなく清らかな水が保たれているという不思議な場所で、土浦市指定文化財でもある史跡です。

その名水を使った水ようかんがあると聞いてやってきたのが「お菓子の久月」。

70年以上の歴史あるお菓子の名店です。

12店舗中で最大規模、品数も豊富な「お菓子の久月」乙戸店

土浦市真鍋に本店を構え、土浦市内を中心に12店舗を展開する「お菓子の久月」。

乙戸店は、荒川沖駅西口より徒歩約10分、車で3分。

国道273号沿いにある大きな看板が目印です。

広い駐車場のその先に店舗があります。

お店というよりもどこかギャラリーのような佇まいです。

「お菓子の久月」は、1951年(昭和26年)創業で、今年で71年目を迎える名店です。

和菓子屋さんとして創業して、現在は和菓子だけでなく、洋菓子や和と洋をミックスさせた商品も多く取り扱っています。

店内はぜーんぶお菓子。ゆっくりとお買い物できる広さと種類の豊富さ

乙戸店は、「お菓子の久月」グループの中で最大のフロア面積を誇っています。

店内に一歩足を踏み入れると正面にも左に右にもお菓子お菓子お菓子。

どこから見始めようか迷うほどの広さです。

正面のショーケースには、冷蔵保存のきく商品が並んでいます。

夏のこの時期はあんみつや葛きり、このあとにご紹介する水ようかんも。

洋菓子のプリンもショーケースにあります。

店内入って左側のケースの冷凍ケースは洋菓子中心です。

15分くらいで解凍できるスフレやロールケーキ、どらやきや大福なども販売していますが、純粋な和菓子というよりも、生クリームを使ったどらやきやコーヒー味の大福など洋風アレンジがきいています。

照井の井戸の名水を使って毎日手作り。その名も「照井の井戸の水ようかん」

数ある商品の中で私が最も気になったのがこちら。「照井の井戸の水ようかん」(237円)です。

照井の井戸は、土浦市真鍋に350年以上もの前から存在する古井戸で、今もなお清らかな水が湧き続けています。

鹿島神宮の神様が突いたら湧き出てきたという説、また、喉の渇きを潤そうと弘法大師が錫杖(しゃくじょう)を突いて湧いたという説などの言い伝えも残り、パワースポットのような存在でもあります。

「お菓子の久月」の工場はその照井の井戸の近くにあり、職人さんが水ようかんを作る分だけの井戸水を毎日汲みにやってきています。

<写真提供>お菓子の久月
<写真提供>お菓子の久月

容器に塩漬けした桜の葉を敷いてその上にあんをのせていきます。

照井の井戸水と寒天、甘さ控えめのこしあんは、とてもやわらかでなめらかさもあります。

和菓子というよりも、どこか上品なゼリーをいただているようなみずみずしさ。

ぷるんとした舌ざわり、桜の葉の塩気がアクセントに。

暑い夏の日にぴったりの一品です。

帰省の手土産にもぴったりの品にはちょっと驚かれる“仕掛け”も!

「お菓子の久月」乙戸店の店長・池田実佳さんに「おいしくてインパクトのある品」というテーマをもとに2品を選んでもらいました。

帆引れんこん物語(129円)

帆引船(ほびきせん)は、霞ヶ浦の夏の風物詩。

霞ヶ浦の水の恵みから着想を得て作ったのが「帆引れんこん物語」です。

ぱっと見はアーモンドチップスがのった薄焼きクッキーのようですが、中央にのっているのはアーモンドではなくれんこんを乾燥させたもの。

生地にもれんこんとアーモンドが練り込まれていて、クッキーというよりもサブレのようなさくさく感が楽しめます。

2016年より3年連続でモンドセレクション金賞を受賞し、2018年には世界中の食品や飲料品の味を審査するiTQi(優秀味覚賞)も受賞。

「え、これがれんこんなの?」という驚きだけでなく、世界的権威のある賞を得た味わいも楽しめます。

レンコンどらやき(216円)

「お菓子の久月」では、抹茶ベースや生クリーム入りなど、さまざまな種類のどらやきを作っていますが、中でもインパクト大なのが「レンコンどらやき」です。

「レンコンどらやき」は、土浦ブランド認定品に選出された品で、パッケージには土浦のイメージキャラクターのつちまる君も描かれています。

開封するとどらやきの皮にレンコンの模様があしらわれています。

でも、あれ? 焼き印にしては1個ごとに焼き印の型や捺し方が違うような…

写真提供/お菓子の久月
写真提供/お菓子の久月

焼き印だと思っていたレンコンは、なんと本物のレンコン! 

だから不揃いなわけなのです。

どらやきの皮の中にもこれでもかというくらいにシャキシャキ感を残して煮詰めたレンコンのスライスが入っています。

生クリームと白あんも入っていて、食感だけでないスイーツとしての魅力も引き立っています。

4種類あるスフレは、かわいいパッケージの“映え"スイーツ

私が手土産でよく購入するのが「常陸のスフレ」です。大きすぎず小さすぎずのちょうど良いサイズ感。

最もプレーンな味わいのMelry(めるてぃー)チーズ(216円)、焼栗(237円)、焼きいも(216円)、江戸崎かぼちゃ(237円)の4種類があるので、贈る人の好みで選んでいます。

スフレというとふわふわなイメージがありますが、「常陸のスフレ」シリーズは冷やして味わうのがおいしいスイーツで、しっとり感があります。

パッケージデザインも大きさもとてもかわいらしいので、特に女性への手土産として重宝しています。

3年に一度開催される「茨城おみやげ大賞」の最新回(2019年)、いえみやげ部門入賞品でもあります。

今回紹介した商品のほかに、季節限定品や詰め合わせ商品などもたくさん取り扱っています。

お気に入りの味わいを探しに足を運んでみてくださいね。

<店舗情報>

お菓子の久月 乙戸店

住所:茨城県土浦市荒川沖字西山403 MAP

電話番号:029-842-5488

営業時間:9:00~19:00

定休日:元旦(1/1)

ホームページ:https://www.kyugetsu.jp/

Instagram:kyugetsu_okashi

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

コイケケイコの最近の記事