北朝鮮 ICBM発射予兆に続き、核実験場でも復旧作業!
韓国当局によると、北朝鮮は北東部・豊渓里にある核実験場で2018年5月に爆破した坑道の一部を修復している模様だ。
豊渓里の核実験場ではこれまで偵察衛星の写真を基に米国の研究機関や北朝鮮分析サイト「ノース38」などによって新たな建物の設置や既存の建物の修理などが確認されていたが、韓国当局が公に認めたのは今回が初めてだ。
すでに寧辺の核施設では原子炉や使用済み核燃料の再処理が再稼働していることが国際原子力機関(IAEA)によって捉えられているが、核実験場の修復は金正恩(キム・ジョンウン)総書記が昨年1月の党大会で公言した核兵器の小型化・軽量化及び超大型核弾頭の生産を本気で目指していることの証である。
北朝鮮の核実験場は北緯41.2度、東経129.2度の咸鏡北道吉州郡豊渓里にあるが、豊渓里は北部には海抜2205メートル、1874メートルの山々があり、南部の最も低いところでも海抜は600メートルである。
その山々の一つであるマンタプ山(1500メートル)高地に垂直で700~1千メートルの坑道が4本掘られている。北朝鮮はこのうち2カ所の坑道で計6回の核実験をこれまで行っている。
米国との軍事対決がピークに達した2017年には2度核実験が行われており、最後(6回目)の核実験は水爆実験で、その爆発力は約150キロトン(1キロトンはTNT火薬1千トンに相当)規模で、広島に投下された原爆の約9倍規模と言われた。
この豊渓里核実験場には4つの坑道があるとされている。
北朝鮮史上初の核実験は2006年10月に行われたが、この時は東側の1番坑道が使われていた。実験後に1番坑道は閉鎖され、以後2回目から5回目まではすべて西側の2番坑道で実施されていた。
この他に南側に3番坑道、北側に4番坑道があるとされているが、これまで一度も使われたことはなく、中でも3番坑道は最も広い坑道と言われている。
北朝鮮は2018年4月に開かれた党中央委員会全員会議での核実験と大陸間弾道ミサイルの試験発射中止の決定に基づき同年5月24日に全ての坑道を陥没させ、坑道の入り口を閉鎖していた。また、現地にあった観測設備や研究所、警備区分隊の構造物も撤去されていた。
従って、修復作業が行われているならば、7回目の核実験は3番もしくは4番の坑道が使われる可能性が高い。
韓国当局の予測では、核実験場は秋までには復旧されるものと見られている。