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防御率1点台の投手が両リーグに揃えば、これは何年ぶり?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブレイク・スネル(タンパベイ・レイズ)Jul 1, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 防御率1点台の投手が、両リーグに揃うかもしれない。ナ・リーグではジェイコブ・デグローム(ニューヨーク・メッツ)が1.77、ア・リーグではブレイク・スネル(タンパベイ・レイズ)が1.97を記録している。

 2人ともすでに162イニングを超えていて、デグロームはあと1試合、スネルは2試合に登板する予定だ。デグロームは最後の登板が自責点5以下なら、防御率1点台をキープできる。スネルの場合、2登板で計10イニングだと、合わせて自責点2以下が条件となる。計12イニングであれば、自責点3以下だ。

 複数の投手が防御率1点台を記録したのは、そう昔のことではない。今から3年前、ザック・グレインキー(現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は防御率1.66、ジェイク・アリエタ(現フィラデルフィア・フィリーズ)は1.77を記録した。ただ、2人ともナ・リーグにいて、ア・リーグの防御率1位は2.45のデビッド・プライス(現ボストン・レッドソックス)だった。1985年のドワイト・グッデン(1.53)とジョン・チューダー(1.93)も、ともにナ・リーグのチームで投げた。

 両リーグに防御率1点台の投手が揃えば、1972年以来、46年ぶりとなる。この年は、ナ・リーグでスティーブ・カールトン(1.97)とゲイリー・ノーラン(1.99)、ア・リーグではルイ・ティアン(1.91)とゲイロード・ペリー(1.92)が、防御率1点台を記録した。

 なお、今シーズンはデグロームとスネルの他に、クリス・セール(レッドソックス)とトレバー・バウアー(クリーブランド・インディアンズ)も防御率1点台の可能性がある。もっとも、防御率2.00のセールは、残り1登板で8.2イニングを投げて規定投球回に達し、その上で自責点1以下に抑えることが条件だ。防御率2.21のバウアーは、2登板続けて9イニングを投げ、どちらの試合もシャットアウトする必要がある。

 2人とも、無理はしないだろう。どちらも8月から9月にかけて故障者リストに入っていたことも理由だが、デグロームとスネルと違い、セールとバウアーはポストシーズンでも投げる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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