まさか繊細なHSPは自律神経失調症になりやすい?整えるための習慣とは!?
こんにちは、精神科医しょうです。
自律神経とは、私たちの身体を整えるために重要な役割を司っている神経です。
しかし、この自律神経が乱れると「休んでも疲れがとれない」「疲れているのに眠れない」「頭痛やめまいがひどい」などといった心身の不調が現れるようになります。
このような症状によって生活に支障がでている場合、それは自律神経失調症かもしれません。
今回は自律神経失調症とHSPの関係、自律神経を整えるための習慣、自律神経を崩さないために気をつけるべきポイントについて紹介します。
HSPは自律神経失調症になりやすい?
「敏感な人」と呼ばれるHSPは、普段から人の感情や外部からの刺激にさらされているので、ストレスを感じやすい傾向があります。
強いストレスを受け続けることで、自律神経のバランスが崩れ、慢性的な頭痛や肩こり、不眠などを引き起こす可能性は十分にあります。
HSPの人が全員自律神経失調症を発症するわけではありませんが、強いストレスをきっかけとして病気を発症してしまうこともあるので、非HSPの人と比べると注意が必要でしょう。
自律神経を整えるための習慣
バランスの良い食事をとる
自律神経を整えるためには乱れた食生活を正し、バランスの良い食事を摂ることが大切です。
とくに、血糖値を急上昇させるGI値の高い食品には注意が必要です。
血糖値が上昇すると、それを抑えるために内臓がフルに働こうとするので、その結果内臓の負担に繋がる恐れがあります。
内臓が弱まると自律神経の不調が起こりやすくなってしまうので、なるべく低GI値の食品を食べるように心がけましょう。
低GI値の食品はいろいろなものがありますが、玄米やそば、全粒粉パンなどがおすすめです。
食事の際は、野菜から食べるようにすると繊維質が内臓を守ってくれるので、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
正しい姿勢を保つように意識する
猫背などの姿勢を長時間取り続けていると、骨のゆがみ、肩回りや背中の筋肉が硬くなる、悪い姿勢に圧迫されて内臓の働きを弱めてしまうなど、さまざまなデメリットがあります。
姿勢が悪いと身体に不調が現れるだけではなく、自律神経の乱れにも繋がるので注意しましょう。
立つときの姿勢のポイントは、「お腹を適度にへこませて立つ」こと。
胸を張ったり、前かがみにならずにお腹と背中をくっつけるイメージで自然に立つようにすると良いでしょう。
また、デスクワークなどで長時間パソコンの前に座っている人も筋肉が凝り固まっている可能性があります。
30~60分に一回は立ち上がって適度に休憩を入れるなど、身体に負担をかけない工夫をすることが大切です。
軽い有酸素運動を取り入れる
自律神経を整えるには、軽い有酸素運動が効果的です。
しかし、仕事や予定に追われているとなかなか運動する時間が取れないこともあるでしょう。
無理矢理運動しようと、ジムに通って激しい運動をするのは逆効果になるので注意してください。
通勤時や移動中など、普段の行動に自然に取り入れられるエクササイズがおすすめです。
姿勢を正してまっすぐ前を見て、大股で歩くようにするだけでも効果的な有酸素運動になります。
少しの距離であれば、タクシーやバスを使わずに歩くのも良いでしょう。
酸素をたくさん取り入れる有酸素運動にはリラックス効果もあるので、気分転換にもなります。
とはいえ無理は禁物なので、調子が悪いと感じたときは適度に休憩を入れるようにしましょう。
良質な睡眠をとるための工夫をする
HSPの人は、光や音などに対して敏感に反応する性質を持っています。
隣の部屋の人の声や物音に過敏になって、寝付けなくなることもあるのではないでしょうか。
さらに時計の秒針や車が通過する音、カーテンの隙間から入ってくる光なども気になってしまい、眠れなくなることがあります。
これらの対処法は、「睡眠の環境を自分で整える」ことしかありません。
カーテンを遮光性の高いものにする、アイマスクや耳栓を着用する、寝る前にスマホを見ないなど、できることは何でも試してみましょう。
寝る前にストレッチや深い深呼吸をして身体をリラックスさせることも、スムーズな入眠に繋がるのでおすすめです。
自律神経を崩さないために気をつけるべきポイント
カフェインレスの飲み物に切り替える
コーヒーなどのカフェインは交感神経を高める作用があるので、摂取しすぎると自律神経が乱れる原因になると言われています。
頭をすっきりさせるために、コーヒーやエナジードリンクを飲むことを習慣にしている人もいるかと思います。
しかし、カフェインには中毒性があるだけではなく、慢性的なだるさの原因にもなり得るので、睡眠に悩んでいる人は早めにカフェインレスの飲み物に切り替えることをおすすめします。
ノンカフェインコーヒーやノンカフェインのお茶などもあるので、意識して取り入れるようにしましょう。
アルコールを控えめにする
「寝る前にお酒を飲まないと眠れない」「寝酒を飲むとよく眠れる」という人も多いかと思いますが、良質な睡眠を妨げる原因になってしまうので控えた方が良いでしょう。
お酒を飲むと脳が麻痺して一時的に眠くなりますが、体内では交感神経が活発になり緊張した状態が続きます。
その結果、中途覚醒や浅い睡眠に繋がり、結局よく眠れず朝起きるのがつらいという現象に陥ってしまうのです。
どうしても飲みたい場合は、お酒は就寝の2時間前までに済ませる、休肝日を設けるなどルールを決めて、アルコールと上手に付き合っていきましょう。
糖分をたくさん摂らないようにする
疲れたときや自分へのご褒美に、つい甘いお菓子を食べる習慣がある人は要注意です。
疲れたときに甘いものを食べると、血糖値が急上昇してインスリンが分泌されます。
インスリンは血糖値が下がるように色々な細胞に働きかけてくれるのですが、そのために膵臓と肝臓が働きすぎてしまい、余計に疲れやすくなってしまう原因になります。
その結果、疲労が蓄積されてほかの臓器にも影響し、自律神経の乱れに繋がってしまうのです。
甘いものが欲しくなった場合は、血糖値が上がりにくく自律神経に良いとされるバナナやさつまいもを食べるようにしましょう。
タバコを吸うのをやめる
気分転換する目的としてタバコを吸う人も多いかと思いますが、喫煙は自律神経に悪い影響を及ぼす危険性があります。
喫煙をすると血管が急激に収縮して、交感神経の働きが高まります。
交感神経が急に高まることで、脳が「危険だ」と察知して一時的に副交感神経のスイッチを入れるため、「タバコを吸う=リラックスできる」というように感じるのです。
しかし、その後またすぐに交感神経が活発に働き始め、緊張状態が続くことになります。
緊張状態が続けば、またリラックスしたくなりタバコを吸うというループに陥るのです。
タバコは健康に悪いだけではなく自律神経にもよくないので、吸っている人はすぐに禁煙を始めましょう。
塩分過多の食生活を見直す
塩分の過剰摂取は腎臓や内臓に大きな負担がかかり、内臓が弱まると自律神経にも不調が起こります。
腎臓は血圧の調整や血液のろ過などの役割がありますが、その機能が弱まると、冷えや火照り、むくみなどの症状が現れるようになります。
塩分の過剰摂取を抑えるためのポイントとして、外食を控えることが大切です。
できれば塩分を自分で調整できる自炊を朝昼晩することが望ましいのですが、仕事などで忙しい場合もあるかと思います。
そのようなときは、スープに塩分が多量に含まれている麺類などの食べ物を避けることから始めてみましょう。
寝る前のスマホはNG
スマホからはブルーライトといわれる強い光がでているため、寝る前はなるべくスマホを触らないようにしましょう。
強い光を見ると脳が刺激を受けて興奮状態になり、寝つきが悪くなると言われています。
脳が興奮して緊張状態になると交感神経が働いてしまうので、睡眠の質が悪くなってしまいます。
「眠れないからスマホでSNSを見よう」と何気なく画面を見てしまう習慣がある人は、特に要注意です。
スマホをおやすみモードに設定して、手の届かないところに置いておくなど工夫することが大切です。
休日もなるべくいつもと同じ時間に寝起きする
休みの日くらいのんびりしようと、昼過ぎまで寝てしまうことはありませんか?
しかし、休みの日に寝だめをすることによって体内時計が徐々にずれてしまい、自律神経の乱れを引き起こす可能性があります。
体内時計が狂うことによって、「寝たのに寝た気がしない」「たくさん寝ても頭がぼんやり」するなどの弊害が起こり、集中力の低下や平日のパフォーマンスにも影響を及ぼす危険性があるので注意が必要です。
休みの日に遅く起きる場合は、せめて1~2時間のずれに留めてなるべく早めに身体を起こすようにしましょう。
まとめ
強いストレスを受け続けたり、普段の生活の乱れによって交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経失調症が引き起こされます。
とくにHSPの人は、さまざまな物事に対して敏感に反応する気質を持っておりストレスを受けやすいので注意が必要です。
外部からの刺激やストレスに弱いということが分かっていれば、対策を取ることは十分に可能です。
生活習慣の見直しや適度な運動、睡眠の環境を整えるなど、できるところから少しずつ改善していきましょう。
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