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ひとり旅におすすめ! 「ソロ温泉」だから訪ねたい温泉地の6つの共通点

高橋一喜温泉ライター/編集者

ソロ温泉(=ひとりでの温泉旅)と、誰かといっしょに出かける温泉旅行では目的が異なる。

友人や家族といっしょの温泉旅行では「団らん」「観光」「レジャー」「贅沢」などがキーワードとなる。ひと言でいえば「動」の旅だ。

一方、ソロ温泉は「空白の時間」「充電」「リフレッシュ」「内省」などがキーワード。「静」の旅である。

通常の温泉旅行とはベクトルの異なるソロ温泉だからこそ、向き不向きの温泉地がある。今回はソロ温泉だからこそ訪ねたい温泉地の共通点を見ていこう。

①湯量が豊富

ソロ温泉は、温泉が主役の旅である。だからこそ、温泉の質にはこだわりたい。

最も重要なのは鮮度である。新鮮な湯ほど気持ちよく、効能も高い。湯の鮮度を左右するのは湯量だ。豊富に湧き出している温泉地ほど、贅沢に源泉をかけ流すことができる。

古くから湯治場として栄えてきたような温泉地は、総じて湯量も豊富である。

②共同浴場がある

いい温泉地には、いい共同浴場がある。これは、温泉好きなら納得してもらえるであろう「温泉の法則」のひとつである。共同浴場が健在ということは、地元の人が温泉を大事にしている証しでもある。その結果、源泉の質も高くなる傾向がある。

温泉地選びで迷ったら、評判のよい共同浴場のあるいで湯を選ぶといいだろう。

ひとりで共同浴場をふらっと訪ねて、地元の人と交流するのもソロ温泉の愉しみのひとつである。

③観光地化されていない

観光地化された温泉地は、当然ながら家族や友人との旅行者に人気で、いつ訪ねてもにぎやかである。熱海や箱根、草津、城崎、有馬、別府、由布院などをイメージするといいだろう。もちろん、そうした温泉地にも魅力はたくさんあるが、ソロ温泉には少々向かない。

ひとりで「空白の時間」を満喫するには、観光客が少ない静かな温泉地が向いている。「わざわざ日帰りで訪ねるような場所ではないが、古くから湯治場として細々と続いてきたような温泉地」がソロ温泉には適している。

④自然を感じられる環境

都市部にあるにぎやかな温泉地よりも、山や川、湖など自然豊かな環境のほうが、自分や湯とひとり向き合うには向いている。

日常生活を離れ、いつもと違う環境に身を置くと、五感が刺激され、呼吸や消化などを司る自律神経が正常化し、心身が元気になったり、リラックス効果が得られるといわれる。これを「転地効果」というが、自然豊かな環境ほど、この転地効果を期待できる。

自然に囲まれていると、ひとりでも孤独を感じず、癒される気持ちになるから不思議だ。

⑤歴史や情緒がある

歴史を重ねてきた温泉地は、古くから一定のエリアに温泉街が形成され、その街並みも木造の建物が軒を連ねるなど風情があるものだ。

せっかく温泉地に出かけるなら、そのような「非日常」を感じさせるような場所がふさわしい。

湯浴みの合間にふらっと散策に出られるのも、こうした温泉地のメリットである。寺社を参拝したり、田舎の風景に癒されたり、お土産さんや飲食店に立ち寄ったりするのも、非日常感を味わう上でのエッセンスとなる。

⑥アクセスが少し不便

友人や家族との温泉旅行の場合、現地へのアクセスはよいほうが便利。観光やグルメを楽しむには、効率よく時間を使う必要があるからだ。

だが、ソロ温泉の場合はひとりなので、移動もマイペースでかまわない。たとえば新幹線を使わず、時間が許す限りローカル線を使ってゆっくりと車窓の景色を愉しむのもオツである。チェックインの時間までに温泉宿に到着すれば問題ない。

観光客でにぎわう温泉地は、たいていアクセスがすぐれている。少しアクセスが悪いくらいの温泉地のほうが、人も少なく、ひとりの時間を静かに過ごすには最適である。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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