佐藤天彦九段(1組2位)竜王戦ベスト4進出! 高見泰地七段(3組優勝)との長いねじり合いを制する
7月26日。東京・将棋会館において第35期竜王戦決勝トーナメント▲高見泰地七段(3組優勝、29歳)-△佐藤天彦九段(1組2位、34歳)戦がおこなわれました。
10時に始まった対局は22時46分に終局。結果は140手で佐藤九段の勝ちとなりました。
佐藤九段はこれで本戦ベスト4に進出。挑戦者決定戦進出をかけて、広瀬章人八段(2組優勝、35歳)と対戦します。
佐藤天彦九段、底力を見せる
今期ランキング戦。佐藤九段は1組2位でした。
高見七段は3組優勝で本戦進出です。
佐藤九段は名人3期、高見七段は叡王1期と過去にタイトル獲得経験があります。両者の他棋戦での実績を考えれば、竜王戦はどちらかといえばこれまで、それほど縁がなかった棋戦のようです。
佐藤九段は過去に2011年(3組優勝)、2012年(2組優勝)、2019年(2組優勝)、2021年(1組5位)と4回本戦に進出。いずれも最初の1戦で敗れています。
高見七段は過去に2014年(6組優勝)の1回、本戦進出。こちらも初戦で敗れています。
両者は2012年、棋王戦予選で対戦。結果は佐藤現九段の勝ちでした。本局はそれ以来、十年ぶりの対戦となります。
対局前夜、高見七段は本局にかける意気込みを語っていました。
振り駒の結果、先手は高見七段。戦型は相掛かりに進みました。高見七段は右玉、佐藤九段は中住居に構えます。
互いに飛車を中段に配しての長い中盤戦。バランスを保ったまま、息の長い中盤戦が続きました。
91手目。高見七段は中央に銀を進出します。持ち時間5時間のうち、残りは高見13分、佐藤21分。佐藤九段はここで5分を使い、四段目の角をじっと自陣二段目に引きました。これが渋い好手だったようです。
先に相手玉に迫る形を作ったのは高見七段。しかし佐藤九段は広いスペースをいかして玉を逃してしのぎます。
長きにわたって続いたねじり合いを制したのは、佐藤九段でした。次第にリードを広げて、最後は一手勝ちの形に。高見玉を詰ませて、熱戦に終止符を打ちました。
佐藤九段が次戦準決勝で当たるのは、1歳上の同世代、広瀬八段です。過去の対戦成績は広瀬8勝、佐藤9勝と拮抗しています。
いよいよベスト4が出揃った竜王戦。藤井聡太竜王への挑戦権を獲得するのは、はたして誰でしょうか。