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第9回 WBSC女子野球ワールドカップ・グループB で見た、国際交流風景

中川路里香フリーランスライター

 現在、広島県三次市で行われている「カーネクスト presents 第9回 WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」。自国開催の魅力は、国際試合が観られることはもちろん、国際交流ができることもその一つ。

日本の高校生が、チャイニーズタイペイを応援

 大会2日目の第一試合のチャイニーズタイペイ対ベネゼエラの試合に、広島県立三次青陵高校の全校生徒が、チャイニーズタイペイの応援に駆け付けた。三次市が、市をあげて大会を盛り上げようと出場国ごとに小中学校などへ応援を依頼していたところ、三次青陵高校が平成25年から、台湾にある国立基隆高級商工職業学校と姉妹校として交流を続けていることから同国を応援したいと立候補した。

 チャイニーズタイペイの攻撃が始まると、シンバルや太鼓を交えた吹奏楽が大きな音を奏で、生徒たちがメガホン片手に起立して、アフリカンシンフォニーやあげあげほいほいなど、日本でお馴染の応援スタイルで声援を送っていた。バックネット裏に陣取っていたこともあって、相手国にも敬意を表し、ベネゼエラの攻撃時にもメガホンを叩きながら応援のお裾分けする姿も。

授業の兼ね合いで、球場での応援は今日限り。精一杯応援していた
授業の兼ね合いで、球場での応援は今日限り。精一杯応援していた

手作りの応援ボードを贈る

 生徒たちと一緒に応援していた三次青陵高校の伊藤佐和子教頭は、「試合前、選手たちがスタンドまで来てくれ、生徒たちと交流してくれて感激しました。良い交流ができたと思います」と感想を述べた。生徒たちがこの日のために用意した、応援メッセージを書き込んだチャイニーズタイペイの国際大会用のマークをあしらったボードを囲んで、記念写真も撮影した。ボードはそのままチームに贈られ、試合中もベンチに飾られていた。

『加油』とは、頑張れ!などの意味だそうだ(広島県立三次青陵高校伊藤教頭先生提供)
『加油』とは、頑張れ!などの意味だそうだ(広島県立三次青陵高校伊藤教頭先生提供)

団結して応援するのはとても楽しい

 応援スタイルが書かれたボードを掲げながら全体の音頭をとりスタンドを盛り上げていた、三次青陵高校2年の山本琉海夏さんは、「学校という大きな集団が団結して一つのことを成し遂げるのって、すごく良いなと思いました」と言い、応援は「すごく楽しい」と語った。旗には「頑張ってください、応援しています」とメッセージを書いた。その甲斐あってチャイニーズタイペイは10対2と快勝、前日のキューバ戦に続き2連勝した。

応援リーダーを務めた、広島県立三次青陵高校2年の山本琉海夏(るみな)さん
応援リーダーを務めた、広島県立三次青陵高校2年の山本琉海夏(るみな)さん

「応援に感激。日本戦でも最後まで諦めない」と意気込み

 試合後、チャイニーズタイペイのホアン・ミン・ホエイ監督は、「元気ある応援にとても感激した。雨で2時間待たされたにも関わらず、感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。贈られたボードについては「残りの3日間ともベンチに掲げて、一緒に戦う」と誓った。本大会の目標は、もちろん、ファイナルステージ進出。「日本のピッチャーは変化球のキレが凄く良くて打ち崩すのが難しいうえに、走攻守、全てが世界トップレベル。だが、私たちの最後まで諦めない気持ちは日本には負けない。いい試合をしたい」と、16日の日本戦への意気込みを語った。

試合後、チャイニーズタイペイの選手たちがバックネットへ向かって並び、応援ボードとともに三次青陵高校生徒らへ勝利の報告をした
試合後、チャイニーズタイペイの選手たちがバックネットへ向かって並び、応援ボードとともに三次青陵高校生徒らへ勝利の報告をした

(撮影は全て筆者)

フリーランスライター

関西を拠点に活動しています。主に、関西に縁のあるアスリートや関西で起きたスポーツシーンをお伝えしていきます。

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