今冬「ハワイ大雨・日本大雪」その背景は?
この冬せっかくハワイに行ったのに、あまり日焼けをしなかった、という方も多いかもしれません。
そもそも日本の冬季はハワイの雨季にあたりますが、今年はいつにもまして雨の多い季節となりました。
下のグラフは、ハワイの主要5都市における今年2月の降水量と平年とを比較したものです。マウイ島では平年の3倍、ホノルルでは2倍もの雨が降りました。しばしば洪水が発生し、ホノルルでも道路が閉鎖されたり、大量の下水があふれたりするなどの深刻な問題も発生しました。
(↑2月18日マウイ島では水上竜巻も発生した)
大雨の産物
被害が出た一方で、ハワイ全島では水不足の状態が改善されています。
州全体で干ばつがなくなったのは、2015年以来のことのようです。
さらにハワイの放送局KHONによると、今季はライチ、マンゴー、アボカドといった植物の生育が非常に良いとのことです。大雨のおかげで記録的な収穫が期待される作物もあるとのことです。
2006年の記録的大雨
驚くことに、過去ハワイでは約7週間も雨が降り続けたことがあります。
2006年3月カウアイ島のワイアレアレ山で2,380ミリもの雨が降り、オアフ島のワイマナロでは800ミリの雨が降って、月間降水量の記録を更新しました。またホノルルの高級ショッピングセンター・カハラモールでは80%の店が浸水し、商品が水浸しになるというニュースもあったほどでした。
(↑2006年3月、ホノルル郊外マノアで発生した洪水)
背景には「ラニーニャ」
この大雨の降った2006年と今年にはある共通点があります。それはどちらも「ラニーニャ」年であることです。
「ラニーニャ」とは東太平洋の赤道海域の水温が平年よりも低い状態のことですが、これが起きると冬季にはハワイに次々と低気圧が接近し、雨が多くなることが知られています。
一方、ラニーニャが起きると日本では寒冬・大雪となる傾向があることが知られています。今冬も北海道で積雪記録を更新するなど、記録的な大雪となったほか、西日本では32年ぶりの低温となりました。
ではハワイで記録的大雨が降った2006年、日本の冬はどうだったのでしょうか。
広く大寒波に見舞われ、12月の東・西日本の月平均気温は戦後最も低くなりました。
また新潟県津南町で積雪が416センチに達するなど、日本海側で記録的な雪が降り、全国で150人以上が亡くなりました。
「平成18年豪雪」と呼ばれる大災害です。
ハワイ大雨・日本豪雪ー。ラニーニャ時にはこの組み合わせが見られることがあるようです。