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ブルペン・カートは再流行しないのか。リリーフ投手が乗車を拒否!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
デトロイト・タイガースの本拠地、コメリカ・パーク Mar 31, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アリゾナ・ダイヤモンドバックスに続いて、デトロイト・タイガースもブルペン・カートを導入した。3月30日に球団から発表があり、MLB.comはそれを報じたジェイソン・ベックの記事に、コメリカ・パークのブルペンに置かれたカートの写真を添えた。フロントにDのロゴが描いてあるだけで、普通の白いゴルフ・カートに過ぎないが、これからカスタマイズするという。

 ただ、タイガースのブルペン・カートは、寂しい幕開けを迎えた。3月30日、雨天によって1日遅れた開幕戦は延長13回に及び、ブルペンからはタイガースの6投手とピッツバーグ・パイレーツの7投手、計13人が登板した。ところが、誰一人としてカートには乗らず、自分の足でマウンドに向かった。

 一方、Dバックスのブルペン・カートは、順調なスタートを切るかに思えた。3月上旬に導入が発表された直後、アーチー・ブラッドリーはカートに乗った写真をツイッターにアップした。開幕直前にチェイス・フィールドで行われたエキシビション・ゲーム(オープン戦)では、ブラッドリーだけでなく平野佳寿もカートに乗って登場した。

 けれども、開幕から3試合が終わり、対戦相手のコロラド・ロッキーズを含め、延べ24人のリリーフ投手が投げたが、ブルペン・カートには誰も乗っていない。カートは走行したものの、リリーフ投手のジャケットをブルペンからダグアウトへ運んだだけだ。

 乗車率0%のまま、ブルペン・カートは再び消えていくのか。タイガースのカートにスポンサーがつくのかどうかも、気になるところだ。Dバックスのカートはすでにカスタマイズされていて、貨物輸送会社のロゴが入っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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