近年、感染者数が激増している「梅毒」の怖さとは? #専門家のまとめ
去年から今年にかけて、感染者数が急増している「梅毒」に関するニュースが定期的に流れています。
今回は、性感染症の1つである「梅毒」について、3つの「怖さ」を解説します。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
それでは、梅毒の3つの「怖さ」を解説します。
(1) 感染者数が急激に増加している
東京都では過去最高レベルの増加が認められています。
感染者は男性が7割、女性が3割で、年代別では男性は20代から50代、女性は20代で増加が目立っています。
東京都以外の地域でも増加が報告されているため「他人ごと」ではありません。
(2) 妊娠中の感染によって胎児に悪影響が出る可能性あり
梅毒と診断された妊婦も、感染者数の増加に伴って増えています。
妊婦が梅毒に感染し、胎盤を通じて胎児にまで感染してしまうと、流産・早産や子宮内胎児死亡、胎児発育不全を引き起こすことがあります。また、生まれてきた赤ちゃんにも「先天梅毒」といって骨や脳神経、目、耳などの臓器に障害を残すリスクがあります。
妊婦自身はもちろん、パートナーも決して梅毒感染のリスクに曝露されないよう注意していただきたいです。
(3) 初期症状に気付きにくく知らぬ間に進行することがある
梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌が原因となる性感染症の一種で、主に性的接触により感染します。
初期症状としては、口の中、肛門、性器等にしこりや潰瘍(かいよう)ができたり、鼠径部のリンパ節が腫れたりします。ただ、無症状なことも少なくなく、症状があっても自然に軽快しますが、ひそかに病気が進行する場合があるため要注意です。
感染リスクのある機会の回避、コンドームの使用、早期の検査と治療が重要です。