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「3年連続200奪三振以上」に到達しそうな投手は誰なのか。過去2年とも200奪三振以上は8人

宇根夏樹ベースボール・ライター
チャーリー・モートン(アトランタ・ブレーブス)Aug 16, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 現在、シーズン200奪三振のストリークを継続している投手は、9人を数える。スペンサー・ストライダー(アトランタ・ブレーブス)は、昨シーズンと今シーズンの2年連続。202奪三振と227奪三振だ。あとの8人は、2021年と2022年に200奪三振以上なので、今シーズンもそうなら、3年連続となる。

 2020年のレギュラーシーズンは、新型コロナウイルスのパンデミックにより、1チーム60試合に短縮された。奪三振が125以上の投手は、一人もいなかった。

 3年連続200奪三振以上にリーチをかけ、今シーズンの開幕を迎えた8人のうち、ロビー・レイ(シアトル・マリナーズ)は、5月にトミー・ジョン手術を受けだ受けた。レイ以外の7人は、ここまでに140奪三振以上を記録している。

筆者作成
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 ここからの登板は、あと7~8試合になりそうだ。いずれも、200奪三振に到達する可能性はある。187奪三振のケビン・ゴーズマン(トロント・ブルージェイズ)と170奪三振のゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)が◎、163奪三振のディラン・シース(シカゴ・ホワイトソックス)と160奪三振のアーロン・ノラ(フィラデルフィア・フィリーズ)が○、160奪三振未満の3人は△、といったところだろう。上のリストは、2021~22年の合計奪三振が多い順に並べてある。

 ゴーズマンの奪三振は、ストライダーに次ぎ、両リーグで2番目に多く、パブロ・ロペス(ミネソタ・ツインズ)と並んでいる。

 ちなみに、ゴーズマンとレイは、どちらも2021年のオフにFAとなり、5年1億1000万ドルと5年1億1500万ドルの契約を手にした。ゴーズマンはブルージェイズに加わり、レイはブルージェイズから去った。

 また、8人中、レイを含む7人が32歳以下であるのに対し、チャーリー・モートン(アトランタ・ブレーブス)は39歳だ。

 シーズン年齢――6月30日時点の年齢――が35歳となってから、3年以上続けて200奪三振以上は、見落としがなければ3人、1977~79年のフィル・ニークロ(38~40歳)、1987~91年のノーラン・ライアン(40~44歳)、1999~2002年のランディ・ジョンソン(35~38歳)しかいない。ランディは、1997年から6年連続200奪三振以上。1998年からは、5年連続300奪三振以上だ。ニークロは、ナックルボーラーだった。

 モートンは、34歳の2018年と35歳の2019年も、200三振以上を奪っている。2018~22年の5シーズンに200奪三振以上が4度――2020年以外の4シーズン――は、コールとノラ、モートンの3人だ。スタットキャストによると、モートンがカーブで奪った三振――3ストライク目がカーブ――は、この4シーズンとも115を超え、今シーズンも100に達している。

 なお、200奪三振以上のストリークは、トム・シーバーの9年(1968~76年)が最も長く、マックス・シャーザー(現テキサス・レンジャーズ)の8年(2012~19年)がそれに次ぐ。シャーザーは、2020年に92奪三振、2021年は236三振を奪った。シーズンの短縮がなければ、シーバーのストリークに並び、上回っていたかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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