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北海道の皆さんに読んでいただきたいニュース。「北海道物産展の賑わい」

鳥塚亮大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長
日本全国で開催されている北海道物産展ではおいしそうな北海道の名産品が。

このところ首都圏の百貨店ではあちらこちらで北海道物産展が開催されています。

ちょっと調べてみましたところ、4月以降現在にかけて、首都圏ではこれだけの百貨店で北海道物産展が開催されています。

【東京都内】

東横渋谷店 5月16日~28日

新宿タカシマヤ 5月8日~14日

小田急新宿 4月24日~5月6日

松坂屋上野 4月24日~5月13日

京王新宿 4月2日~15日

西武池袋 3月28日~4月10日

池袋東武 4月24日~5月8日

【千葉】

そごう千葉 5月9日~21日

柏タカシマヤ 4月10日~4月23日

【埼玉】

丸広東松山 5月9日~14日

そごう大宮 5月8日~20日

西武所沢 4月23日~5月6日

大宮タカシマヤ 4月10日~16日

【神奈川】

そごう横浜 4月23日~5月6日

横浜タカシマヤ 4月17日~29日

都内と千葉、埼玉、神奈川だけで4~5月にこれだけ北海道物産展が開催されているのです。

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この中で2週間近くにわたって開催されているところは、第1弾、第2弾として、出展者を入れ替えてロングラン開催しているところも数多くあります。

首都圏だけではありません。

【大阪】

大阪タカシマヤ 5月15日~27日

アベノハルカス近鉄本店 4月24日~5月7日

西武高槻 5月1日~7日

阪急うめだ 4月10日~16日

【兵庫】

そごう神戸 5月15日~28日

【京都】

京都タカシマヤ 4月3日~15日

【福岡】

井筒屋小倉 4月24日~5月7日

井筒屋黒崎 4月15日~22日

博多阪急 4月17日~23日

【鹿児島】

山形屋鹿児島 4月19日~5月6日

川内山形屋 5月9日~20日

きりしま国分山形屋 5月23日~6月3日

(関西と福岡、鹿児島のみとりあげましたが、この他にも全国で開催されています。)

とまあ、日本全国北から南まであちらこちらで北海道物産展が百貨店の催事のメインイベントになっています。

これだけあちらこちらで開催していて、よくまあお客様がいらっしゃるものだと思いますが、今の季節だけではありません。ほぼ通年、こういう催事が日本全国で開催されていて集客実績が上がっている。これがある意味日本の常識なんですね。

ところが、北海道物産展が開催されていない唯一の都道府県がありまして、それはどこかというと、北海道なのです。

まあ、当たり前といえば当たり前ですね。

誰だって地元のものには興味がないというか、地元のものは当たり前になっちゃってるんですから。

でも、筆者がもったいないなあと思うのは、これだけ百貨店の一大イベントになるということは、北海道という名前は集客のツールで、ゴールデンウィークはもちろん、その後5月末から始まるお中元商戦までの、百貨店の売り上げが落ち込む時期をしのぐための貴重なビジネスツールになっているのが北海道物産展なのですが、北海道の百貨店にはそのビジネスチャンスがないんですよね。

そして、北海道の皆様方は、おそらく日本全国でこれだけ北海道物産展が開かれていて、大変なにぎわいを見せているということをご存じない。つまり、北海道の魅力や価値を理解していない可能があると筆者は考えるのです。

ちなみに筆者は朝ドラを見ているカミさんに急かされて、地元の百貨店で開催されている北海道物産展に本日顔を出してみました。

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筆者が訪ねたのはそごう千葉店。

平日の開店直後の午前10時半の段階で売り場はかなりの混雑ぶり。

5月9日から開催されているイベントですから、初期需要というわけではなさそうです。

北海道の人気が高いことがわかります。

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定番の商品ではありますが、なかなかの人気です。

ちなみにこの下段の魚は「時しらず」という今の時期に北海道で獲れる鮭。

不揃いの切り落としのところですが、関東ではこの「時じゃけ」はなかなか手に入りませんので筆者は迷わず購入しました。

関東の百貨店でこの値段ならお値打ち品ですよ。

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カレーパン屋さんも行列です。

開店後30分の段階でこの人出ですから驚きますね。

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こちらは鶏の半身揚げ。

1個1000円近くするというのに、これだけ積まれた半身揚げが見る見るうちに売切れていきます。

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今でも大人気なのが「じゃがポックル」で、「こちらが最後尾」という看板を持った係員が誘導するほどの人気ぶりでしたが、数年前の発売当初には新千歳空港でも行列ができるほどの人気でしたが、現在では道内ではすっかり落ち着いています。

その「じゃがポックル」に今でも行列ができているなんて、北海道の皆様には信じられない光景だと思います。

ちなみに筆者は「じゃがポックル」よりも姉妹品の「じゃがピリカ」の方がおいしいと思っていますので、わざわざ行列に並ぶことなくおめあてのじゃがピリカを手に入れました。(あくまでも個人的感想です。)

こういうのが北海道ブランドということになると筆者は考えますが、最近では定番の海産物や牛肉、豚肉、ラーメン、お弁当ばかりでなく、少しずつ新しいお店が入ってきていることも人気の秘密かもしれません。

各百貨店の企画担当の方々が絶え間ない努力をされていることがわかりますね。

出展者は、北海道から出張に来ている事業者の方や、ヘルプで入る百貨店関係の方、あるいは契約の派遣の方など様々のようですが、筆者が尋ねた女性フタッフは北海道出身で東京在住のパートさん。札幌の会社と契約していて、都内各地の物産展をまわっているそうです。

「東京に出てきてまで、ふるさとのお手伝いができてうれしいですよ。」

という笑顔が印象的でした。

各百貨店の催事の期間が少しずつずれているところを見ると、同じ出展者、同じ事業者の方々が、各地で催事に参加されていらっしゃるだろうことは容易に想像できますが、これだけあちらこちらで北海道物産展が開催されているにもかかわらず、それが繰り返されていくところを見ると、日本人にとって北海道というところは計り知れない魅力がある場所であることは間違いないようです。

なにしろ食べ物というのは、食べておいしかったらまた買いたくなりますから、毎年毎年、春夏秋冬、いろいろな場所で北海道物産展がこれだけ多く開催されているということは、北海道はおいしいものがたくさんあるということが証明されているんですね。

北海道の皆様方には、そういうことをぜひ知ってもらいたいと筆者は考えます。

なぜなら、それが顧客心理だからです。

お客様が何を望んでいるのか。

その顧客心理が理解できないようであれば、自分たちの産品に付加価値を付けることなどできません。

北海道の皆様方が、ふだん食べたり飲んだりしている地元の特産品というのは、皆様方にとっては「あたりまえ」かもしれませんが、決して「あたりまえ」ではないのですから。

初夏を迎え、良い季節になりました。

全国の日本人は遠い北海道に思いを馳せて、北海道の特産品をありがたくいただいているのであります。

ああ、そろそろ北海道に行きたくなってきましたね。

夏のご旅行の計画はお早めに「北海道」とお決めください。

もちろん、JR北海道の応援もお忘れなくお願いいたします。

北海道は素晴らしいところ。

年間10回も北海道出張している筆者がそう思うのですから、間違いないと思います。

※本文中に使用しました写真はすべて筆者撮影です。

大井川鐵道代表取締役社長。前えちごトキめき鉄道社長

1960年生まれ東京都出身。元ブリティッシュエアウエイズ旅客運航部長。2009年に公募で千葉県のいすみ鉄道代表取締役社長に就任。ムーミン列車、昭和の国鉄形ディーゼルカー、訓練費用自己負担による自社養成乗務員運転士の募集、レストラン列車などをプロデュースし、いすみ鉄道を一躍全国区にし、地方創生に貢献。2019年9月、新潟県の第3セクターえちごトキめき鉄道社長、2024年6月、大井川鐵道社長。NPO法人「おいしいローカル線をつくる会」顧問。地元の鉄道を上手に使って観光客を呼び込むなど、地域の皆様方とともに地域全体が浮上する取り組みを進めています。

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