友達作りと食品ロス問題を同時に解決!オスロ大学の人気食堂とは?
北欧では、時に「友達が作りにくい」といわれることがある。
- 「新しい場所に住み始めたばかりで、まだ知り合いも少ない」
- 「夜にひとりで寮でご飯を食べるのは、なんだか寂しい!」
そう感じる大学生のために、大学側が交流のきっかけを提供するサービスを開始した。
ノルウェーの首都オスロにあるオスロ大学では、週に1回、食堂で余っている食材を、学生が一緒に食べる人気イベントがある。
ノルウェーは物価が高い国だ。しかし、ここでは豪華な食材が約910円(75ノルウェークローネ)で、食べ放題(デザート・飲み物付き)!
食堂で余った食材を見ながら、料理人がオリジナルレシピで料理を次々と出す。
学生たちは、縦長いテーブルに一緒に座る。この形だと、調味料やお皿を回さなければいけないため、知らない人とも、どうしても会話をしなければいけない。
金銭的に節約になるだけではなく、「楽しみながら食品ロス対策は可能」であることを体験し、知り合いを作るきっかけにもなる。
ノルウェーで友達作りのアドバイスを聞く
オスロ県の学生食堂を取りしまる学生福祉団体SiOのステッフェン・グレフさんは、試験的に試したところ、学生の反応が良かったと振り返る。「ネットワークを広めるためのテーブル」として、週1の特別な食堂が機能していると取材で話す。
「友達が作りにくいと言われることもあるノルウェーで、留学生が大学で友達を作るためのアドバイス」をグレフさんに聞いてみた。
「いろいろな人と知り合いになりたいと心の底で思っている人は、他にもいます。自然な形で知り合うことができる社交の場に出かけるといいでしょう。会話を始めることを、恐れないで。この食堂のように、キャンパス以外でも、出合うことのできる場所はあります」とグレフさん。
仲が良さそうな3人がいたので友人同士かと思ったが、この日、ここで初めて会ったばかりだそうだ。
「ノルウェーでは社交的でなければいけないとは分かっているけれど、友達を作りにくいと感じる時は、どうしてもある。こういう食堂があると助かる」とカーラさんは話した。
学生たちの食生活は、どんどんサステイナブル思考に
グレフさんは、地球負荷の少ない食生活をしようという学生は、どんどんと増えているとも話す。
「食品ロスを減らそうとする学生は、増加しています。スウェーデン人のグレタ・トゥンベリさんや若者の抗議活動は、ノルウェーの次世代の若者に、とてつもない影響を与えることでしょう。私たちが数年後にこの大学キャンパスで出合うこととなるのは、そのような世代です」
今よりも環境意識が高いであろう未来の新入生のことを考えると、大学が食品ロスを減らそうとする姿勢は、当然の流れのようだ。
Photo&Text: Asaki Abumi