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井上尚弥の近未来の対戦候補 ジョシュア・グリーア Jr.が世界前哨戦の意気込み語る

杉浦大介スポーツライター
Photo By Mikey Williams/ Top Rank

6月16日 ラスベガス  

MGMグランド ボールルーム・カンファレンス・センター

バンタム級10回戦

WBO世界バンタム級1位、IBF同級2位

ジョシュア・グリーア・ジュニア(アメリカ/25歳/22勝(12KO)1敗1分)

マイク・プラニア(フィリピン/23歳/23勝(12KO)1敗)

世界前哨戦へ

――16日、ラスベガスで挙行予定の試合はまだ正式発表されていませんが、決定と考えて良いのでしょうか。

ジョシュア・グリーア Jr.(以下、JG): はい、その通りです。10、11日にはラスベガス入りするつもりでいます。チームのメンバーが何人になるかはまだはっきりとはわかりません。

――会場に立ち入りできる人数が厳しく制限された無観客興行になります。誰も経験がない環境でのファイトになりますが、どのように準備しようと考えていますか?

JG : 確かに未知の環境ですが、それについてはあまり考えてはいません。大切なのはしっかり練習し、ウェイトを作ること。16日のリングで力を出せるように準備するだけです。

ーーあなたにとって昨年10月、アントニオ・ニエベス(アメリカ)戦での判定勝ち以来のリング登場になります。対戦相手のプラニアは8連勝と波に乗っている選手ですが、相手の印象は?

JG : 積極的で、闘志満々な良い選手ですね。6月16日の試合は素晴らしいファイトになるはずです。自分の能力、ボクサーとしてのスキルをそこで示したいと思っています。

ーー試合時に“Night Night(お休み)”と書かれたマクラを持参するのが恒例になっていますが、今回も続けますか?

JG : そのつもりです。

ーーそのパフォーマンスをなぜ始めたのか経緯を話してもらえますか?

JG : ジェームズ・ゴードン・スミスという選手と彼のホームタウンであるデトロイトで戦った時に、当時全勝だったスミスは僕をKOすると息巻いていたんです。スミス本人と、マッチメイカー、プロモーターを含む彼の陣営は僕と僕のチームに非常に失礼な態度を取りました。そこで僕は自分のやり方でアピールしてやりたいと思ったんです。計量と試合の際には“眠らせてやる”という意気込みでマクラを持参し、実際に彼をKOしてみせました。地元の人たちは驚いていましたが、僕自身にはそれができることがわかっていました。

カシメロへの代役挑戦の噂も

ーーその試合ではパワーを見せましたが、自身の能力の中で最も自信を持っている部分はどこですか?

JG : 聡明さです。それがなければ他の長所も機能しないと思っています。

ーーボクサーとしての目標は?

JG : 僕の最終目標はバンタム級の統一王者になることです。

ーー同じ階級には井上尚弥(大橋)選手がいますが、井上の印象は?いずれ戦うとしたら、どんなファイトプランを用意しますか?

JG : 井上はボクシングの技術とパンチ力を兼備した選手ですね。この階級でもやるべきことをやってきました。良いボクサーだと思います。彼にどうやって対峙するかは、実際にいつか戦う時が来たら考えることになるでしょう。

ーー井上選手はジョンリエル・カシメロ (フィリピン)と統一戦の予定でしたが、パンデミックの影響で延期になっています。一時、カシメロは代わりにあなたの挑戦を受けるという話も出ていましたが、実際に交渉は進んでいたのでしょうか?

JG : カシメロが僕と戦う可能性があることは聞いていました。彼の陣営もそのことについては考えたはずです。ただ、カシメロはこの時点で僕と戦うというリスクを冒すよりも、ビジネス面を考慮して、井上とのより大きな試合を優先したのでしょう。そのことは理解できます。今の僕はまず6月16日のマイク(・プラニア)との試合のことを考えるべきで、その試合をクリアすればまた新たな選択肢が見えてくるはずです。

 ジョシュア・グリーア Jr.

 イリノイ州シカゴ出身。愛称は”Don't Blink(瞬きするな)”。オーソドックスのボクサータイプ。アマチュア経験を経て2015年にプロ入りし、5戦目に現世界ランカーのスティーブン・フルトン(アメリカ)に敗れて以降は連勝を続けている。2018年夏にトップランクと契約。昨年10月、井上尚弥の米国デビュー戦の相手を務めたニエベスにも判定勝ちを収めた。

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スポーツライター

東京都出身。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、MLB、NBA、ボクシングを中心に精力的に取材活動を行う。『日本経済新聞』『スポーツニッポン』『スポーツナビ』『スポルティーバ』『Number』『スポーツ・コミュニケーションズ』『スラッガー』『ダンクシュート』『ボクシングマガジン』等の多数の媒体に記事、コラムを寄稿している

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