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【現地取材】アン・シネに“ミニスカ規制”について直接聞いてみた!!

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
先週のアン・シネ(写真提供:KLPGA)

今日から始まる女子プロゴルフの国内ツアー『大東建託・いい部屋ネットレディス』。今年から4日間競技になり、賞金総額も大幅にアップした今大会には、“韓国女子ゴルフ界のセクシークイーン”こと、アン・シネも出場する。

韓国で“ホステス・プロ”を務めたアン・シネに直撃!

今季、日本で“セクシー旋風”を巻き起こしているアン・シネにとっては2週間ぶりの日本ツアー復帰だ。先週は韓国の京畿道(キョンギド)・坡州(パジュ)市に位置するソウォンバレーCCで行われた『MYムンヨン・クイーンズパークチャンピオンシップ2017』に出場。

同大会の冠スポンサーであるムンヨン・クループはアン・シネのスポンサーでもある。アン・シネはホステス・プロを務め、筆者も現地で取材したが、日本でプレーするときとは違ったアン・シネの姿を見ることができて印象的だった。

(参考記事:【写真ニュース】韓国で“ホステス・プロ”を務めたアン・シネに完全密着!!)

そのアン・シネに、どうしても聞きたいことがあった。いわゆる“ミニスカ規制”に対する見解だ。

アメリカLPGAが選手着用ウェアに関する規定を設け、違反すれば罰金を課すということが報じられたのは7月15日。

膝上30〜35センチのスカート丈は大丈夫か!?

ちょうどそのとき『サマンサタバサ・ガールズコレクション・レディーストーナメント』に出場していたアン・シネは日本メディアの取材に対して、「不快感を与えるのは良くない。ある程度は規制が必要」と語ったそうだが、もう少し詳しく彼女の見解を知りたかったのだ。

というのも、LPGAはスカートの丈に関しては「ボトムエリアが隠れる範囲のもの」としている。

この規定に基づけば日本は膝上30センチ、韓国では“膝上35センチのミニスカ姿”とされるアン・シネのスカート丈は引っかかってもおかしくはないからだ。

もっとも、アン・シネの見解は異なる。ラウンド後に話を聞くと、笑顔を浮かべなからこう言うのだった。

「私ですか?私のスカート丈はそんなに短くはありませんよ(笑)」

いきなり冗談から始めるのはさすがだった。日本から取材に来たことを歓迎してくたようで、「規制に対する見解についてもう少し詳しく知りたい」と尋ねると、間髪入れずに言うのだった。

「私は肯定的に受け止めています。私たちプロゴルファーは、ファンやギャラリーに“見られる立場”ですが、見る人たちに不快感などを与えるのは本意ではありません。ゴルフというスポーツのトラディショナルな部分を守るために、ある程度の規制は必要だと思います」

トラディショナル(伝統)は大事にすべき

規制は必要であるという見解は日本でも発していたので、ある程度、予想できた答だったが、興味深かったのは、「ゴルフというスポーツのトラディショナルな部分は守るべき」と強調したことである。

自由で華やかな外見ゆえに、一見すると「伝統」や「格式」には縛られないイメージがあるアン・シネだが、実は慎ましやかで奥ゆかしい。今ではミニスカートがトレードマークとなっているが、もともとはスラックスなども好んでいた選手でもあるのだ。

(参考記事:セクシー女王アン・シネのミニスカ姿には“禁断のジンクス”が関係していた!!)

そんな礼節を重んじる選手だからこそ、服装規制を単なる“ミニスカ規制”とも考えていない。彼女はこんな持論を展開したのだ。

「テクノロジーが発達した昨今ですが、ゴルフというスポーツは伝統を重んじる良さがあると思うんです。例えば今は電動カートもあるし、瞬時にカップの距離まで測れるレーザー距離計測機もある。スコアも電算できるでしょう。

それでも、私たちプロゴルファーが今でもフェアウェイを歩き、ヤーテージブックを活用し、スコアカードに直接記すのは、そこにゴルフというスポーツが守ってきた“トラディショナル”があるからです。

服装も同じで、単に機能性やデザイン性だけを追求すれば良いというものではありません。ゴルフが歩んできた歴史から逸脱しない範囲で、個々が自分に合ったウェアを着用すべきだと思います」

インテリジェンスも彼女の魅力ということか

規制に逸脱しない範囲で個々に合ったウェアを着用すべきということを語ったのは、アン・シネだけではない。

モデル並みの顔立ちと美ボディから“次世代セクシークイーン”と呼ばれるユ・ヒョンジュも言っていた。

一見すると自由奔放なイメージが強いユ・ヒョンジュも、「節度をわきまえた服装にすべき」と語っていたが、アン・シネが何度も口にした「伝統」や「トラディショナル」という言葉が印象的だった。

そして、そうしたインテリジェンスもまた、彼女の魅力でもあるのだろう。彼女を長く撮影してきた韓国の名物カメラマンであるカン・ミョンホ氏が言っていたことを思い出す。

「これまで多くの女性アスリートを撮影してきましたが、スポーツ選手って女性であっても言葉が少なかったり、ボキャブラリーが少なかったり、朴訥としている場合が多いのですが、アン・シネにはそういう悪い意味でのスポーツ選手らしさがまったくない。アン・シネは成熟した女性らしさを感じさせるゴルファーなんですよ」

(参考記事:アン・シネと親交が深い名物カメラマンが捉えてきた“セクシークイーン”の素顔)

いずれにしても、アン・シネが“ミニスカ規制”に対してなぜ肯定的なのかという理由はわかった。彼女がそういう考え方の持ち主であることを知ると、その姿もいつもとはまた違って見えてくることだろう。

今日から始まる『大東建託・いい部屋ネットレディス』。アン・シネはどんな姿を披露するのだろうか。注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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