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侍ジャパンの「韓国を倒さないと金メダルはない」発言に韓国代表監督は意外と冷静?「気にしていない」

金明昱スポーツライター
東京五輪の野球で日本と韓国は対戦するだろうか(写真:ロイター/アフロ)

 侍ジャパンの稲葉篤紀監督が日本メディアのインタビューに答えた韓国代表についての発言が、韓国でもクローズアップされた。

 ライバルの韓国代表について聞かれ、「経験も豊富ですし、配球面も含めて警戒していかないといけない。どのチームも警戒するが、韓国とは非常にいい試合になっていくと思うし、韓国を倒していかないと金メダルはないのかなと感じる」と語った部分だ。

 日本が韓国をライバル視する稲葉監督の発言は、しっかりと韓国代表にも届いていた。

 20日、韓国代表のキム・ギョンムン監督は母国メディアの囲み取材に応じ、稲葉監督の発言に対してこう答えた。

「インタビューは見た。気にしていない。我々が準備することだけを一生懸命に続けるだけだ」

 冷静な発言に留めたのは、まずは1次リーグの相手に集中しなければならないからだ。グループBの韓国は1次リーグで29日にイスラエル、31日にアメリカと対戦する。

 どちらも強豪国のため気を引き締めなければ、“日韓戦”を見ることなく終わるかもしれない。

 キム監督も「アメリカよりもイスラエルの戦力が落ちるが、野球は(結果がどうなるか)まったくわからない。初戦は先制点を奪ってスタートしなければならない」と意気込む。

 いずれにしても日本がライバル視するのであれば、そこには韓国も真っ向勝負で挑むはず。コロナ禍の東京五輪は開幕前から殺伐とした雰囲気だが、個人的にはネガティブな雰囲気を吹き飛ばす起爆剤がほしい。

 そのためにもこれまでも熱い戦いを見せてくれた“日韓戦”の実現を期待したいところだ。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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