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まさに絶対的な唯一無二に!大谷翔平がマーリンズ戦で達成した投打にわたる快挙の数々

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
すでにMLB界で唯一無二の存在になりつつある大谷翔平選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【MLB史上初の快挙でチームの連敗を阻止した大谷選手】

 エンジェルスの大谷翔平選手がMLB史上に残る投打にわたる活躍で、またまた連敗中のチームの窮地を救った。

 まず投手としては中4試合(オフ日が2回あり中6日)でマーリンズ戦の先発に臨み、7イニングを投げ2安打1失点(自責なし)10奪三振の好投を演じ、今シーズン8勝目をマークした。

 打っては5回に決勝2点打を放ち、チームの勝利に貢献。また7回には四球で出塁し、今シーズン10個目の盗塁にも成功している。

 ESPNによれば、1試合で投手として10奪三振、打者として2打点、1盗塁を同時に記録したのは、1920年に打点が公式記録に加わって以降史上初のことだそうだ。

【4試合スパンでア・リーグ史上2人目の安定感】

 この日の大谷選手は、上記の快挙だけに止まっていなかった。

 この日は失策絡みで初回に失点を許してしまったが自責点はついておらず、この日の7イニングを含め28.2イニング連続で自責点を許していない。

 チーム広報が発表したところでは、4試合のスパンで4勝、防御率ゼロ、40奪三振以上を記録したのは、地区制が採用された1969年以降では2004年のヨハン・サンタナ投手に次いでア・リーグ史上2人目の快挙だそうだ。

 ちなみに2004年のサンタナ投手はサイヤング賞を獲得しており、現在の大谷選手はサイヤング賞を狙えるほどの安定感を見せていることになる。

 さらに大谷選手はこの日の試合を含め、3試合連続で二桁奪三振+自責点ゼロを達成しているが、これもMLB史上6人目の快挙だという。

 これまで達成しているのは1968年のレイ・カルプ投手を皮切りに、1972年のノーラン・ライアン投手、2006年のジョン・ラッキー投手、2015年のクレイトン・カーショー投手、2019年のジェイコブ・デグロム投手──の5人だ。

【チーム史上に残る投打の快挙も達成】

 大谷選手の快挙はまだまだ続く。

 同じくチーム広報が発表したところでは、この日の盗塁成功で大谷選手は昨年に続き2年連続でオールスター戦前に15本塁打以上&10盗塁以上を達成している。

 エンジェルスの歴史の中で大谷選手と同様に複数回達成しているのは、マイク・トラウト選手(5回)、ダリン・アースタッド選手(2回)、ドン・ベイラー選手(2回)の3人しか存在していない。ここでもエリートの仲間入りを果たしている。

 また投手としては、この日の10奪三振で今シーズンの奪三振数を111まで伸ばしているが、エンジェルスの投手の中でオールスター戦前に110奪三振を突破したのは、2014年のギャレット・リチャーズ投手以来らしい。

 さらに大谷選手はわずか81イニングで111奪三振を記録しており、100イニング未満で110奪三振を突破しているのはチーム史上初の快挙だということだ。

 今やMLB屈指の安定感を誇る投球を続けている大谷選手だが、ユニバーサルDH制の採用で今シーズンから打席に立つ投手は大谷選手しかいない状況だ。

 これからも登板する度に様々な記録が生まれ、二刀流神話はさらに重みを増していくことになりそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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