最多の三塁打9本を打っている3人中2人は10盗塁未満。「二桁三塁打&一桁盗塁」なら珍記録!?
今シーズン、最も多くの三塁打を打っているのは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのケテル・マーテイとコービン・キャロルに、ボルティモア・オリオールズのガナー・ヘンダーソンだ。3人とも、ここまでに9本の三塁打を記録している。
彼らのうち、キャロルの盗塁は50を数える。だが、マーテイとヘンダーソンの盗塁は、どちらも10未満。7盗塁と9盗塁だ。
ちなみに、彼らに次ぐ、三塁打8本の4人は、ボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)が48盗塁、TJ・フリードル(シンシナティ・レッズ)が24盗塁、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が20盗塁、アーメッド・ロザリオ(クリーブランド・ガーディアンズ/ロサンゼルス・ドジャース)は14盗塁。こののなかで最も盗塁が少ないロザリオでも、ヘンダーソンより5盗塁多い。マーテイの倍だ。
マーテイとヘンダーソンの2人は、1シーズンに10本以上の三塁打を打ちながら盗塁は10未満、となる可能性もある。
もっとも、二桁三塁打&一桁盗塁は、それほど珍しくない。今世紀に限っても、延べ16人が記録している。今世紀の二桁三塁打は延べ111人なので、そのうちの14.4%(16/111)が一桁盗塁だ。このなかには、2018年に12三塁打と6盗塁のマーテイもいる。
16人のなかで際立つのは、2015年のエバン・ギャティスだ。11本の三塁打を打ち、盗塁はまったくなかった。
ギャティスは、2013~18年にメジャーリーグでプレーした。6シーズンの出場は706試合。三塁打は12本、盗塁は3だ。他の長打は、139本のホームランと116本の二塁打を打った。2015年を除くと、三塁打は2014年の1本きり。メジャーリーグ3年目の2015年を終えた時点では、通算12三塁打と0盗塁だった。
また、16人中、3分の1近い5人は、ダイヤモンドバックスの選手だ。今シーズンのマーテイとキャロルも、彼らと同じ球場をホームとしている。マーテイの三塁打は、ホームで4本とアウェーで5本だが、5年前は9本と3本だった。キャロルは、ホームで7本とアウェーで2本だ。
偶然と球場(の形状)が三塁打を生み、必ずしもスピードを必要とするわけではないことを窺わせる。
なお、マーテイのシーズン二桁盗塁は2度。2016年が11盗塁、2019年は10盗塁だ。キャロルと同じく、メジャーリーグ2年目のヘンダーソン――2人とも新人王の有力候補――は、まだ通算10盗塁だが、昨シーズンは、AAとAAAの計112試合で22盗塁を記録している。
日本プロ野球のシーズン二桁三塁打については、こちらで書いた。