日本のフィットネス・プールではAppleWATCH2使用はダメ!
KNNポール神田です!
『Apple WATCH Series 2 』が先週の金曜日、2016年9月16日金より発売となった。
今回の『2』の利点といえばなんといっても、水深50メートルまでの耐水性能や完全に孤立したGPS機能だろう…。これで本当のフィットネスウォッチとしての価値を持つようになったといえる。日本独自のApple Pay方式もAppleユーザーとしては初の経験となるだろう。
http://www.apple.com/jp/apple-watch-series-2/
クロールやバタフライ、平泳ぎや背泳ぎといった泳法による動きも、GPSが認識してそれぞれの距離を記録できるという。この機能は実に素晴らしい!…。いつもどのくらい自分が泳いだのかが、疲れてくると覚えにくい。またタイムも記録しにくかったからだ。これでスイミングのフィットネス記録がまとめられそうだと思うと急激に物欲が増してきた。しばらく冷めていた…水泳フィットネスへのモチベーションが高ぶってきた。
『2』を新たに水泳用にだけ購入してもよいかと考えだした…。
日本のフィットネス市場は約4300億円市場スマートウォッチニーズは?
市場規模:4,316億円
施設数 :4,375軒
会員数 :4,193,706人
2014年FITNESS BUSINESS
1施設あたり1億円、会員1,000人、会員1人あたり毎月8,576円というビジネス構造が見える。
そのうちの3割がプール会員とすると、125万人。そのうちの半分がスマートウォッチで測定していくとすると、プール利用者のスマートウォッチの市場規模は63万人。3万円の端末を使うと、約190億円の市場が誕生する。
そのうちの半分がAppleWATCHとすると32万人、約95億円の売上の可能性があるだろう。
しかし、ふと疑問が持ち上がった…。はたして?フィットネスジムのプールで時計は使用できるのだろうか?
ちなみに、近場のフィットネスに確認すると、「時計、アクセサリー類はご遠慮ください」という。他の場所でも、装飾のない「結婚指輪」のみ可能、「防水のオーディオプレイヤー」等は可能などとある。はたして『Apple WATCH Series 2 』は使えるのか?大手のフィットネスチェーンに聞いてみた…。
大手フィットネスチェーンの『Apple WATCH Series 2 』への見解
大手フィットネスチェーンにスマートウォッチという計測デバイスとしての時計の利用は可能かと聞いてみたところ…、
「会員さま同士の使用においての安全性が確認が必要。現在では難しいと思われます」コナミスポーツクラブ、
「スクール時の同じレーン使用等で、万一当たった場合の安全性が担保されていない」セントラルスポーツ、
「フィットネス業界全体の動向も鑑みながら、使用の検討を考える必要があるが、現在は不可」ルネサンス、
…との回答を頂いた。また、区民プール、市営プール等は「腕時計」である限り、使用不可だそうだ。
まず、どの大手チェーンも「スマートウォッチ」のプール利用で掲げるのが、「安全性の確保」だった。やはり『Apple WATCH Series 2 』を使うためには、なんらかのベルト部とディスプレイ部において、接触した時にも怪我をしないという安全性の確保が最重要だ。ましてや、Ion-Xガラスやサファイヤガラスが万一割れた場合のメンテナンスコストも甚大であるから割れた場合のことも検討する必要がある。また、水泳の泳法スタイルによって計測できるなどの新機能の浸透も、まだ発売されたばかりであり、会員からの使用の希望もないようだ。
最低限、フィットネス市場向けのロビー活動が、日本のAppleには必要だということだ。まずは、フィットネス業界へ向けて、実際のモノを観てもらい、テストしてもらい、安全性を検討し、デベロッパーにApple WATCH用の日本の水泳プール基準に沿った「スイムカバー」を企画してもらう必要性があるだろう。また、スマートウォッチ対応の時間やレーン設置ということも、フィットネス業界全体と検討してもらいたいと願う。
せっかく、高ぶった『Apple WATCH Series 2 』熱だが、プールでの利用は現在のところは、むずかしそうだ。
しかし、2016年10月からのSUICAでの利用や日本のFeliCa決済に使うことだけを考えれば、iOS10をインストールしたiPhone5移行の機種であれば、ペアリングすれば使えるので、iPhone7をわざわざ買わなくても『Apple WATCH Series 2 』でかざして電車に乗ることやコンビニでかざして決済は可能なようだ。これだけでも長年Appleのユーザーからすると、長い長い未体験からようやく開放される。プールでの新体験を心待ちにしてみたい。